山下紘加『クロス』/象徴としてのストッキング
第167回芥川賞候補作『あくてえ』。
小説家志望の19歳「あたし」。
同居している憎たらしい90歳のばばあ。
ばばあに何も言わない母親。
別れて浮気相手のところにいってしまった父親。
鬱屈とした日々ばかりが続き、吐きたくもない「あくてえ(甲州弁で悪態)」を吐き続ける「あたし」。
読み終えても何も解決しない物語にやるせなさを感じつつも、どこか魅力的な物語に惹きつけられた。
小説を読み終えて奥付のさらに後のページを捲ると著者のこれまでの作品が掲載されていた。
その中の『クロス』