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夕暮れ 自転車に乗って窯場へ “一回しかやらへんから よう視ときや” 物語

風はほんのり秋の風

“自転車 空気入れときましたから”と
先に
窯場へ向かった 彼….

そろそろ 行くかな
自転車に乗って 窯場へ向かう
ずっと 登り道
リハビリ リハビリ…..


“一回しかやらへんから よう視ときや”

今宵は 窯を焚く….
その為に 釉薬を掛けていくのである。

“ええか?
手が茶盌になったつもりで かけるんやで
いらんことごちょごちょ考えんと”

“よう視たやろ
あと 全部やってみ.....”

“上手いがな…..

ほな 乾いたら 窯に 入れていこか”

そう そうやって 重ねていくんやで
粘土に ちょっと唾つけて
ほら ひっつくやろ

上手いがな…..

私のは 此処に…..

さあ 準備出来たな
蓋閉めて…..

溶接バッチリやな….


明日の昼前まで 徹夜で窯を焚く….


平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲



あくまでもフィクションです。
釉薬掛けは 作家さんの神聖な時間

その時が 過ぎてから自転車で出向き
一盌 掛けさせていただきました。

この一掛けの茶盌から 素晴らしい
物語が生まれるとは….
続く

滋賀 信楽 まさんど窯にて

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