二十四節気 芒種
稲や麦などの穂の出る植物の種を蒔くころ
「芒(のぎ)」とは稲穂の先にある
針のようにとがっている部分のこと
二十四節気 芒種
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同じく「のぎ」と読む漢字に「禾」があります。
七十二候 第四十二候に「禾乃登(こくもつすなわちみのる」という侯があります。
禾は、稲、麦、穀物を示していて、今回の「芒(のぎ)」は、その穂先のつんつんしたひげのことを指しています。
芒種に入る前の七十二候が「麦秋至」なので、実り色づいた麦を刈り取って収穫し、その後、田植えをする農作業の目安の時季とされました。
地域によっては、5月初めころに田植えするところもあるかと思いますが、二十四節気では、今時分ということですね。
田植えが終わると、田には水が張られます。それを待っていたかのように、「入梅」梅雨がはじまります。
二十四節気、七十二候、季節の風景は、いつだって絶え間なく流れ続けるストーリーなんだなぁと教えてくれます。
この頃、雷も多くなってきます。
雷という文字の下も「田」がついているように、雷が稲穂を実らせると考えられていました。
雷のことを稲妻とも呼びますが、「稲の夫(つま)」と書きます。
子をはらむことができる、つまり、実るのは稲なので陰(女)、実らせる雷は陽(男)と考えられるので、稲の夫と書きます。
そもそも雷も、プラス電荷とマイナス電荷が引き合い放電することで発生します。
雲の中で起こることもあれば、空中と大地とで起こることもあります。
どちらにしても、「天地陰陽の気が相触れて、轟音を発する」のが雷です。
空の中で、陰陽が交わり雷が生まれ、空(陽)と大地(陰)が落雷によって繋がり、雷(陽)と稲(陰)が実る。
もちろん、科学的に地中の窒素濃度が…とせつめいすることもできますが、自然現象から、陰陽の交わりとして、稲が実るストーリーが出来上がる美しさ…壮大だけれどとっても感動します。
そして、これは、人の営みとも同じですね…
(…時代錯誤といわれるでしょうか。一緒だね~ってことだけが伝わればうれしい。)
どんな穀物であっても、もちろん大事ですが、
私たちにとってお米は別格というか、他と比べようのないくらい特別な存在かなと思います。
雷(電気)というつかむことのできないエネルギーの世界から、お米という物質へと変容する時間とともに見せてくれる物語を、秋の実りを楽しみに、今年の梅雨空を眺めて過ごそうかなと思います。
七十二候
蟷螂生 かまきりしょうず
初夏にかまきりの幼虫が うまれてくるころ
腐草為螢 ふそうほたるとなる
蒸れて腐りかけた草の下で 蛍が光を放ちはじめるころ
梅子黄 うめのみきなり
梅雨に入り梅の実が熟して 薄黄色に色づくころ
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