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一日一頁:松村圭一郎『くらしのアナキズム』ミシマ社、2021年。
読み始めた。
アナキズムとは観念や抽象論ではなく、鶴見俊輔によれば「権力による強制なしに人間がたがいに助けあって生きてゆくことを理想とする思想」(『身ぶりとしての抵抗』)というくらしのなかに横着するのであろう。
時間がなくても1日1頁でも読まないことには進まない。
国家がなくてもカオスにならない!?
なぜアナキズムと人類学なのか。それは人類学が国家なき社会を研究するなかで、国家に包摂された人間のについて考察してきたからだ。人類学はかつて「未開社会」を研究する学問としてはじまった。そこには近代国家ではあたりまえの政府や警察や中央銀行などない。でも無秩序にはならない。なぜなのか?
国家がなくても大混乱に陥らない。それは、国家を不可欠な存在と考える僕らの常識からすれば、まったく理解できないことだ。グレーバーはこい書いている。
人類学がアナーキズムに伝播するもっとも明白な理由は、それが人間性に関してわれわれが手放さない多くの通念が真実ではないことを、否応なく証明するからである。(『アナーキスト人類学のための断章)七頁)
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