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一日一頁:宇野重規『近代日本の「知」を考える 西と東の往来』ミネルヴァ書房、2023年。
読み始めた。
「東京一辺倒の近代日本の知性史へのアンチテーゼ」は同時に地方創生へつながるもの。本書で取り上げる人物は「いずれも世界各地に広がる巨大な知的ネットワークを持っていた」からワクワクせざるを得ないではないか。
近代日本の知性の歴史を描こうとする場合、東京中心に構想するとどうしてもモノトーンになりがちである。ならばむしろ思い切って「西」に視座を移してみるとどうなるか。近代日本の知性は、私たちが思っているより遥かに、多様な地域に根を持っているのではないか。このような本書の企てがどれほど成功したかはわからない。しかしながら、著者(西日本出身の親を持ちながら、東京郊外に生まれ、これまで大学、職場、住まいのほとんどが、東京を中心とする三〇〜四〇キロの同心円内に収まってきた)にとって、「西」から近代日本の知性を描くことは、実に興味深く、ワクワクすることであった。この感動を少しでも読者と共有できるとうれしい。
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