『孫子』ほんの少しのまとめ
これを読めばあなたも明日からパワーアップできるとかそんな裏技辞典のような本ではない。
ゲームの攻略本でもなければ、料理のレシピ本でもないし、なんなら本ですらない。
『孫子』とは古来中国の兵法書のことである。
以下、Wikipedia
兵法書(へいほうしょ)あるいは兵書(へいしょ)とは、戦争などにおいて兵の用い方を説いた書物。主な兵法書として古代中国の孫子、呉子、六韜などが知られる。
いわゆる戦いにおいて必要となる知恵である。多くの兵法書の中で最も読まれ、世界各国で翻訳されたあげく、孫正義やビル・ゲイツなどビジネス界のトップリーダも読んでいるらしい。
兵法書には非常に多くのことが書かれているので、ここは面白いと感じた部分をざっくりまとめて残す。
1.主導権を確保せよ
善く戦う者は、人を致して人に致されず
戦の世界では常に戦況を見極めて、主導権を握ることが勝つことへの近道だそう。
例えば、将棋の世界だとこちらが優勢なのか劣勢なのかの状況を読むことで一手が繰り出すことができる。そして、主導権を握ることは相手をこちらのぺースに合わせることだ。
昭和の将棋界で一時代を築いた、木村義雄十四世名人の戦い方には特徴があったらしい。一般に長考というのは苦境に立たされた時、必要に迫られたとき行うのもだ。
しかし、木村名人は逆に優位に立った時、長考に入った。
優位になるとつい、うれしくなって悪手がでてしまい狙われがちだが、理解したうえで長考に入ったことで、主導権は渡さないぞという戦い方をしたのである。
相手が大軍であって不利な状況、相手に十分な食料や貯えがある状況、相手がどっしり構えて地を固めている状況、相手の結束力が強い状況でも作戦を練り、戦いの主導権を握ることで、道が開けるのだという。
2.敵の意図を見破る
上兵を謀を伐つ。その次は交を伐つ。その次は兵を伐つ。その下は城を攻む。
趙の名将李牧の戦い方が参考になるそうだ。
戦いの中で総司令官を任された彼は峰火台を築いて物件を置き、警戒だけを厳重にして戦おうとはしなかったそう。その回あって、味方の負傷は軽く済むが、何回も続けているうちに李牧は臆病者と知れ渡るようになった。
すると、部下らが進んで戦いを願うようになる。そこで李牧は精鋭の兵を募った。
敵が侵入した瞬間、李牧は負けたふりをした。
李牧を臆病者だと信じている敵は猛突果敢に押し寄せるが、待ち伏せていた李牧の反撃にあって十万もの兵を失う大失敗に終わった。
臆病者だと言われながら、敵の侵略をかわし、チャンスと捉えた矢先に一気に打ち滅ぼす李牧は「謀を伐つ名将」であった。
3.まとめ
この2つには共通して『戦わずして勝つ」の思想がある。
「戦わずして勝つ」とは一見、戦っていないように見えるが、実は戦う前の準備で戦略や計画が超入念に考えられていることがわかる。
また、主導権を握るとあるが、主導権を渡すことも重要だ。
李牧は敵にわざとこちらに戦局が傾いていて、主導権があると思わせたところに知略がある、と私は思う。
さぞかし頭がきれる名将だと知れていることだろう。
孫正義、ビル・ゲイツが読んでいるのも実は主導権を握ったり、状況によって出方を変えたりする考え方がいかにビジネスにおいて予測を立てる重要なもとになっているかが少しわかった。
今日はいつになくためになることを書いてしまった。(またつまらぬもの切ってしまった。by五右衛門)
それではまた。
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