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溶ける脳。Oh, NO!


まずは、これをご覧いただきたい。


2024年、イボンヌ(詳細は、こちら
2019年、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)
2015年、中東呼吸器症候群(MERS)
2003年、重症急性呼吸器症候群(SARS)
1976年、エボラ出血熱
1918年、スペイン風邪
1346年、ペスト|黒死病

このように、
人類は、致死に至る様々な感染症を経験し、
そして、生き残った。

わたしも死の病と闘った経験を持つ。
きょうは、そのことについて語ろう。


いままで誰に語るでもなく心の引き出しの隅に仕舞っていた、あの秘め事を。

(ひきだしのなかみ)




あれは、わたしが12歳のことだ。
わたしは2年間で20㌢も身長が伸びていた。

成長期、というやつだ。


毛穴なんて光学顕微鏡でなければ確認できないピチピチの12歳の成長期にあるわたしは、突如として、奇病に犯された。


脳が、排泄されたのだ。


まさに、奇病である。
後にわかったことだが、人知れず、そのような奇病に罹患し、九死に一生を得る者は、意外と多い。


その数、およそ40億。人類の半分に値する。

言えないか、知らないか、
気づかないか、気づけないか、
それぞれに多少の差はあるにしても、
その奇病は、全世界に蔓延していた。
いや、いまでも、蔓延している。

その奇病は春を迎えた朝に起こる。


学のある男はそれを『夢精』と呼ぶ。
なんだか夢見ごごちな気分になる。しかも、ちょっと知的な感じがする。

早熟なマセガキはそれを『どぴゃる』と叫ぶ。
お下品さ丸出しだ。このハナタレ小僧め。出すのはあおっぱなだけにしとけ。

わたしは、はじめてその奇病を患っていると気づいたとき、こう、おもった。

脳が…
脳が…ちんちんから、どぴゃった!



わたしは、後者であった。
マセガキのハナタレ。(しまった、バレた)

そのようにおもったのは、おぼろげに、人間の脳は白っぽくてぶよぶよした脂みたいなものだと、どこかで見聞きしていたからだ。
(たぶん、近所のエロな兄ちゃん方だろう)

炭酸を飲みすぎると骨が溶ける、とはよく言われていた。
しかし、骨に異常はなさそうだった。
それに、親友のまあちゃんの家にはコケコッコーコーラが常備されていたし、とおるは炭酸しか飲まないやつだった。
ふたりが大丈夫なら、エンゲル係数の高い家で暮らすわたしの骨が溶けるはずはない。

これらのわずかな情報と、ひよこさんがぴーちくちくぱーちくちくとまわるあたまで考えた結果、どこがどうなってそうおもったのかはわからないが、まさに、


溶ける脳。Oh, NO!だ。


ヨーコ、ではない。
シンジ、でもなく、
ヤスシ、でもない。

ほんま、しょーもなや、ハナタレくん



さて、ここにひとつ、問題が生じる。
(わたしの記事は問題ばかりだな)


ぱんつの後始末をどうするか、だ。


これは全人類の半分が頭を抱える問題である。もはや、国際問題だ。
第28回パンツ変動枠組条約締約国会議でも、満場一致で最優先課題であることが議決されたこの問題、長いので『ぱんつ問題』としておく。
(さらに略したい方は『ぱんモン』で、ファンキーでモンキーな気分を味わってください)


この、ぱんつ問題、
12歳のわたしにはとって、ひとりで解決するには難題すぎた。

捨てる。どこに?


選択肢は少なかった。
それは時間との勝負でもあった。
黒目をぐるぐるまわしながら、その場をぐるぐるまわるわたしに与えられた選択肢(という名のコマンド)は、ふたつしかなかった。


LV.1。


旅立ったばかりのわたしの装備は
『ひのきのぼう』と『ぬののぱんつ』
だけであった。
で、コマンドは、こう。


▷すてる▶︎ぼっとん便所のなか
     前に広がる空き地 with www

(wはもちろん草だ)
(つまり、草ぼうぼう)


だったら、空き地 with wwwでしょう!
(んー、どうでしょうー)


戦術は決まった。


わたしは投げた。
脳が溶けでたぱんつを投げた。

(ぱんつはとんだよ。)
(ひゆらひゆらととんで行つたよ。)


わたしは投げた。
溶けるたびにぱんつを投げた。


(ぱんつはとんだよ。)
(ひゆらひゆらととんで行つたよ。)


わたしは投げ続けた。
連投につぐ連投であった。

(ぱんつは無くなつてしまつたよ。)

よなべして、ぱんつ拵える、ゆ吉
(ゆ吉については、こちら



ある日、
ついに、わたしの肩は悲鳴をあげた。
肩がぴきぴき音を立てて壊れたのだ。


監督、おれ、もう、投げられんばい!(涙)


気分は高校球児だす。
ひと夏のためにだけに高校3年間を捧げる坊主頭。

「3番、ピッチャー、Uくん」

ウグイス嬢の声がグラウンドにこだまする。
夢にまで見た大舞台、甲子園球場。


わたしはそのマウンドに立っている。
ゆれる夏の日差しがわたしの顔に照り付ける。


相手は春夏連覇に挑む常勝軍団、ぱんつ学園。
アルプススタンドには、両リーグのスカウトが来たるドラフトぱんつ会議に向けて目を光らせている。

バッテリーを組む山田(読み方は、や⤴︎まだ⤵︎)がプロテクターをかしゃかしゃ言わせながら駆け寄ってくる。

「笑顔、笑顔たい!」
「お、おうよ。(汗)」

「楽しもうや!」
「おうよ。(苦笑)」

「3年間もおまえん球ばっかい受けてきたこん俺がお墨付きばやるばいちよ。そげん簡単にゃ打たれん、いや、打たせんけん」
「やーまだぁ…(涙)」

「仲間んことばしっかり信じとけやさー。ほでさ、おもいきり投げちゃりぃ!」
「おーよーう!(泣笑)」

(BGM  ーフェイドインー)

あーしーたー
きょうよりも
つーよーくーなーれーるー
あふーれるおもーいが
とーまーらーなーいー♪

ぐりーーーーーんのキセーキ



話を戻す。


そのようにして投げ捨てられたぱんつの数、およそ、十数枚。
わたしの家の前の草ぼうぼうの空き地には、溶けだした脳でかぴかぴになった使用済みぱんつの山が、人知れず、築かれた。


その事実を知るものはいない。


数年後、ぼうぼうだった空き地の草が刈られることになった。買主が現れたのだ。


わたしはおもった。


わたしの築いたあのぱんつのひと山と、ひと夏のおもいではどこへ行ったのかと。

まあ、たぶん、町のゴミ処理場でしょうね。



わたしのかぴかぴのぱんつは、ほかの回収物と一緒くたになって、ゴミ処理で燃やされ、しろい煙となって、町の上の空の彼方へと消えていったのです。

そして、そのしろい煙は、熱により空高く上昇して、空気中の水滴とまざって、もくもくもくもくと雲になったのです。

空に浮かぶもくもく雲のひとつをよおくみていると、その雲は次第にかたちを変えてゆき、ぱんつのかたちになりました。

ええ、そうです。


わたしの溶けだした脳は、最終的に、ぱんつのかたちの雲になったのでした。


わたしは、それを、飽きることなく、いつまでもいつまでも眺めていた、とさ。

☁️☁️☁️     ☁️☁️☁️☁️  ☁️☁️  めでたし、めでたし ☁️☁️  ☁️

👀


ぼくは十二歳、
もうすぐ小学校を卒業する。

ぼくは、
おとなの階段を、一段、あがった。


すこしだけ世界が身近に感じた。
だから、あの雲に、ぐんと、手をのばした。

いまならとどく、
そんな気にもなるのかなんて、かんがえた。



風にゆられて、雲、かたちをかえた。



十二歳、春の出来事だった。



ー了ー

おとなの階段のぼったはなし

(ちゃうやろ、ぱんつ放ったはなしやろ)
(なにかっこつけとんねん!)

えへへへ
☁️
本日、洗濯日和、也。


ごみ問題とSDGs・ゴール12
「つくる責任・つかう責任」
⬇︎
Reduce・Reuse・Recycle
⬇︎
つかえるパンツは再利用
⬇︎
あなたの行動が地球を守る

まとめ|少年、ぱんつは洗って再利用だ!

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