【写真上達】のために【絵画】を分析
こんにちは、hamashun@よりみちスナップです。
写真の上達には、絵画の理解が大きな助けになるのではないかと考え、最近は絵画分析を始めています。そのきっかけとなったのは、『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』を読んだことでした。この本を通じて、絵画を学ぶ意味を感じるようになりました。
この投稿では、『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』を含む絵画に関する書籍から、自分の考えとして写真に応用できそうな絵画の考え方を整理していきます。また、絵画分析もやってみます。
絵画を学ぶメリットは
3つあると考えています。
①メッセージが明確である
絵画はメッセージが明確です。それは、絵画が文字を読めない人々に物語や教訓(聖書や神話など)を伝える手段として発展してきたメディアだからです。
メディアとしての役割は、情報を正しく伝えることであり、解釈が人によって異ならないようにする必要があります。たとえば、ドジャースがナショナルリーグ西地区優勝を果たした写真を見て、パドレスが優勝したと誤解されてしまうと困りますよね。
つまり、絵画には明確なメッセージが込められており、そのメッセージを伝えるための情報が詰まっています。
②計算された絵を学べる
画家が描かない限り、キャンバスは真っ白なままです。そこに絵があるということは、画家が何らかの意図をもって描いたことを意味します。
なぜそこに点を置いたのか、その線や色、構図にしたのか、人や道具をどこに配置したのか、全てがメッセージを伝えるために計算されています。
絵画を逆説的に読み解くことで、その意図を言語化でき、同じ絵を再現することも可能です。(ただし、実際に絵を描く技術を再現できるかは別の話です。)
③著作権がない・放棄されている絵画が多い
多くの著名な絵画はパブリックドメインに属しています。つまり、著作権の保護期間が終了した作品や、そもそも著作権が発生しない作品です。たとえば、モネやゴッホなどの作品は著作権が切れているため、SNSでの配信や共有が可能です。
(下記のメトロポリタンミュージアムのサイトからパブリックドメインの美術品は画像としてダウンロードできます)
そのため、絵画を分析し、絵と共にSNS配信しても問題はありません。
著名な絵画で絵画分析(構図・色彩・光・ストーリ)
ということで、ものは試しに、絵画分析をします。
「暖炉で料理をする農民の女性」-フィンセント・ファン・ゴッホ
構図:暖炉の火が画面の左下にあり、その火に照らされているフライパン、そしてフライパンを持つ女性の手に視線が移る。この自然な流れにより、視線は画面の右側に向かい、最終的に女性の顔や目線へと導かれます。三角形の頂点である彼女の顔が構図の最重要ポイントとして強調されている。
色彩:全体を包む緑がかった暗い色調は、抑圧された感情や孤独感を象徴しています。緑は自然や再生を連想させる色でありながら、この場合は彼女の周囲にある鬱屈とした空気を表現しているようです。彼女が取り囲まれている環境は決して快適ではなく、どこか物寂しさを感じさせる。
光:唯一の光源が左側の暖炉の火。この光が右側の女性を照らし、陰影が非常に劇的に描かれている。彼女の顔や手元には明るい光が当たり、動作に集中していることを強調していますが、背後や足元は暗く、光が届かない部分が強調されています。これは、彼女の周囲にある孤独感や、周囲の状況が厳しいものであることを象徴しています。
ストーリ:19世紀の農村生活の一場面を非常に素朴に、かつ感情的に切り取っています。女性が作業しているシーンは、ごく日常的な場面に見えますが、その背後にある物語は彼女の内面的な疲労感や生活の厳しさを表現しているようです
「ジンジャージャーとナスのある静物」-ポール・セザンヌ
構図:対角線構図。画面の左下から右上にかけて、主要な要素(布、果物の盛られた皿、緑の壺など)が斜めに配置されている。そのため、奥行きと動きが生まれ、静物画でありながら視線がダイナミックに画面を横切るように誘導される。また、中央右にある果物の盛られた白い皿に視線が集中するようになっており、その周囲に様々な物体が配置され、自然と視線が作品全体を巡るような構成になっている
色彩:青や緑の冷たい色調が全体に広がり、静かな雰囲気を作り出しています。特に青色の布の複雑な模様や折り目は、構図にダイナミズムを与えつつも、画面全体のトーンを落ち着かせています。
光;自然光が右側から入っているようで、物体には柔らかく反射されていますが、特に強い影や光のコントラストはない。そのため、、絵全体に静謐な雰囲気を与え、観る者に落ち着きを感じさせます
ストーリー:物体同士の相互作用や、テーブルに置かれたもののバランス感覚が、この画面を単なる静物ではなく、より複雑で深遠な世界へ導く。
総評
いかがでしょうか。個人的には、写真上達のために、絵画を活用するのはかなり効果があるのではと仮説を立てています。
この仮説が正しいか間違っているのかわかりませんが、しばらくは、絵画分析シリーズとしてNoteにも投稿していきますので、もしよかったら参考ください。
記事が気に入ってくれた方がいれば、フォローやハート、サポートをいただけると嬉しいです。