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XF14mmF2.8 R レビュー:撮影思考を変えた広角レンズ

こんにちは、hamashun@よりみちスナップです。先日、2013年に発売されたXF14mmF2.8 Rを手に入れました。

購入してから約1ヶ月、休日にはXF14mmF2.8 RとX-T5を組み合わせて撮影を続け、このレンズがもたらす新しい体験に驚かされました。その体験を今回のレビューでお伝えします。

※このレビューでは、スペックや画質については最小限にとどめ、XF14mmF2.8 Rが私の撮影の考え方をどう変えたか、そしてなぜ11年前のこのレンズを今さら購入したのかに焦点を当てます。



XF14mmF2.8 R

スペック

・レンズ構成 7群10枚 (非球面レンズ2枚、異常分散レンズ3枚)
・焦点距離 f=14mm(35mm判換算:21mm相当)
・画角 90.8°
・最大口径比(開放絞り) F2.8
・最小絞り F22 絞り形式
・羽根枚数:7枚(円形絞り)
・ステップ段差:1/3ステップ(全19段)
・最短撮影距離(撮像素子面から) 標準:30cm~∞ マクロ:18cm~∞
・最大撮影倍率 0.12倍
・外形寸法:最大径×長さ*1 (約) ø65mm × 58.4mm
・質量*2 (約) 235g
・フィルターサイズ ø58mm

公式HPの主な仕様より
xf14mm f2.8 みなとみらい風景
ƒ/10.9  105s

X-T5との組み合わせで使用した際、このレンズは美しい描写を見せてくれました。解像度やシャープさも十分で、細部までしっかりと写っています。

外観

正面から見たxf14mmf2.8
正面

フォーカスリングには被写界深度指標が備わっており、これは現行のレンズにはない特徴的なデザインです。また、フォーカスリングを前後に動かすことで、AFとMFを簡単に切り替えられるギミックも搭載されています。このユニークな操作性は、現行のレンズにはない魅力のひとつです。

横から見たxf14mmf2.8

このレンズはメイドインジャパンの金属製で、頑丈さを感じさせる一方、235gと非常に軽量で持ち運びがしやすいのも魅力です。ただし、絞りリングはやや軽く、もう少ししっかりとしたクリック感が欲しいなと感じました。


購入理由

広角でのスナップに関心を持った

元々、広角レンズは苦手でした。画角が広いために余計なものが入ったり、パースがついて間延びした印象を受けてしまいます。そのため、所有しているXF16-55mm F2.8を使う際も、広角側はほとんど使わず、望遠側ばかりを選んでいました。

しかし、最近、過去の有名な写真家たちから学びを得るために調査をしていると、ウィリアム・クラインや森山大道といった広角でストリートスナップを行う写真家たちの作品に出会いました。彼らの作品は、広角でのポートレート撮影や、広角を主体にしたストリートスナップが特徴的で、どの写真も私が目指したいスタイルでした。

この経験が、広角レンズをスナップで使ってみたいと思わせる瞬間となりました。

価格と軽さのバランスが良い

  • XF14mmF2.8:新品価格は163,900円(価格.comでは新品88,400円、中古35,000円)で重さは235g

  • XF8mmF3.5R WR :新品価格は139,700円(価格.comでは新品84,800円、中古72,800円)で重さは225g

  • XF18mmF2 R:新品価格は108,000円 (価格.comでは新品80,400円、中古38,000 円)で116g

  • XF16mmF2.8 R WR :新品価格は63,500円 (価格.comでは新品47,000円、中古39,100 円)で155g

富士フィルムの広角レンズを探していると、上記のような選択肢が見つかりました。私が所有しているレンズの中で最も広角なのはXF16-55mm F2.8ですが、一番軽いのはNokton 23mmで214gです。XF16mmも気になりましたが、既に所有しているレンズの焦点距離に含まれているため、除外しました。また、XF8mmは価格の面で除外対象となりました。そこで、最終的に選んだのがXF14mm F2.8です。


購入後の撮影体験の変化

「広角レンズ=使いにくい」という考え方が変わった

最初に述べたように、私は広角レンズが苦手でした。画角が広いため、余計なものが入ったり、写真が歪んで見えることが多かったのです。望遠側で撮影すると、被写体にクローズアップできるため、絵が整理されると感じていました。

しかし、このレンズを使い始めてから、クローズアップではない撮り方を試すようになりました。どの位置に撮りたいものを配置するか、また幾何学的な構造を意識するようになったのです。特に海外の写真家に多いように思いますが、クローズアップで撮影するのではなく、対比や強い構図を意識して面で捉えた写真が増えました。

大きな鎌のような雲が公園に迫っている
大きな鎌のような雲が公園に迫っている

被写体の距離を考えるようになった

XF14mm F2.8 Rの特徴の一つに、被写界深度指標が備わっている点があります。現在のカメラはモニターやフォーカスアシスト機能で自動的に被写界深度を調整してくれるため、これまで被写体の距離を意識して撮影することがありませんでした。

しかし、このレンズを購入して被写界深度指標に気づいてからは、あえてMF(マニュアルフォーカス)に切り替え、指標を参考にしながら撮影するようになりました。例えば、今の被写体までの距離が大体1mと分かれば、被写界深度指標を1mに合わせつつ、フォーカスが外れる可能性も考慮して絞り値をF10程度に設定して撮影します。

被写体の距離を考えながら撮影することで、絵の面が少しずつ見えるようになった気がします(まだまだ改善の余地はあります)。

ボカす写真からボカさない撮影に変わった

これまで私は、F値をできるだけ開放にして撮影してきました。ボケがある写真はスマホでは表現できないため、カメラで撮影したという満足感が得られるからです。

しかし、広角レンズでの撮影を始めてから、開放ではなく絞りを活用した撮影に関心を持つようになりました。広角レンズは近づけばボケますが、そもそもボケを狙うためのレンズではありません。また、海外の写真家の作品を見ると、ボケを利用するのではなく、構図や面の配置を意識した写真が多いことに気づきました。そのため、ボカさない撮影が撮影スキルの向上につながるのではないかと考えるようになりました

スターバック
今までだとクローズアップしてボケさせていたはず

最後に

XF14mmF2.8を手にしてからまだ約1ヶ月。ただ、今後撮影していきたいスタイルにマッチして、自身の撮影スキルを伸ばせるレンズと感じています。
写真のスキルには改善の余地がたくさんありますが、撮影思考を変えたレンズとして今後も活用していきます。


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