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自分は自分
人には生まれ持った性格や、姿形がある。
これを変えることもできるが、変えたくない部分や、変わらない部分もある。
私がエアラインスクールという、客室乗務員になりたい人たちを育てるスクールで
生徒さんたちを教えていた時、「変わることのお手伝い」をするのが、一番の仕事だった。
客室乗務員の資質を備えた人へと変化してもらうのは、決して簡単ではないし、生徒さん自身にも相当な覚悟がないと難しいと、いつも感じていた。
本人の覚悟と自覚。
私の経験と分析と根気。
それがピタッとハマった時に、生徒さんが変わりはじめ、成長し、合格の瞬間を一緒に味わっていた気がする。
ただ、本来人は、自分が生まれ持ってきたもので生きていくのが一番いいのだと思っている。
だからこそ、生徒さんが持っている資質はどんどん伸ばし、人と比較したり、人より劣っていると思う必要はない、と言っていた。
自分が輝く時。それは、自分の持ち味が生かされた時だ。
例えば料理をするときに、いろんな調味料を入れるより、さつまいもを茹でただけのほうが美味しかったりする。素材の良さをそのまま食べる。刺身もそうだ。醤油をつけなくてもそのままで十分に美味しかったりする。
人間も同じだ。
さつまいもはじゃがいもになる必要はないし、なれない。
魚のアジは、鯛にはなれない。
それなのに、人間はじゃがいもになろうとしたり、鯛になろうとする。
人と比較して、自分を変えようとする。
もちろん勉強したり、資格を取ったりすることは、やりたいならばやるといいが、違う人間になろうとする時、私が教えてきた生徒さんたちのように、そこに目標があって、その資質を備えるために「成長」するのは良い。
しかし、自分を否定し、誰かになろうとするのは、自分を生かしていないことになる。
ましてや、自分を否定し続け苦しむのは、全くもったいないことだと思う。
じゃあ、自分はどんな持ち味を持っているのか。
自分を生かすためにはどうしたらいいのか。
周囲の「信頼できる人」が「褒めてくれること」に耳を傾けるといい。
周囲の人があなたを「真面目だね」というなら、真面目さがあなたの持ち味だ。
あなたは、それが「普通のこと」「当たり前のこと」「あんまり気に入らない自分の資質」だと思っていたとしても、周囲の人からすれば「すごいこと」なのだ。だったら、それを生かして仕事をすればいいし、毎日noteを書いてもいいし、責任ある仕事に挑戦してもいい。だって、あなたは真面目なのだから、きっとその仕事を最後までやり切るだろう。
責任ある仕事をやり切れば、自分の自信になるし、経験値も上がる。そうして、少しづつ自分の幅を広げていけば、以前なら「絶対に無理」と思っていたことも、難なくできるようになる。
「あの人すごいね」と思われている人たちのほとんども、実はそうして少しづつ自分のできることを増やしていったに過ぎない。最初から、何もかもできる人なんていないのだから。
自分を知り、自分を生かす。
自分は自分だと言い聞かせることで、自分の資質に気づき、生きていけるようになった時、どこにも無理がなく、自然体で生きられる。こうして、世の中に二人といない、自分という「個性」が輝き始める。
何者かになろうとしなくても、そもそも生まれた時から人は、唯一無二の存在なのだから。
私も以前は無理をしたり、自分をあるイメージに当てはめていたことがあった。嫌なものを嫌と言えなかったこともあった。
今は、言える。
自分らしく生きられていると感じる。先日手相占いの人に、「変態、変わり者」と言われたが、まさにその通り。その「変わり者」として生きていこうと思っている。
それが、私らしさだと思うから。
最後にもう一度言おう。
自分は自分だよ。
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