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ミラノサローネでみつけた、コレ欲しい!
2020年ミラノサローネが中止になってしまったので、2019年のおさらい、前回の体験展示が素敵だったもの3選の続きです。今回は、これイイ!と思ったプロダクト5選です。
少し話はズレるのですが、美術展などに行ったとき、あまりに巨大な美術館だったりすると、途中で飽きてきてしまって、集中できなくなることありませんか?そんなとき、脳のスイッチを切り替えるために、「展示されているものの中で、何かひとつ持って帰れるとしたら何が良いか」と考えるようにしています。転売禁止で、自分が所有し続けるというルールも設けて。すると、それまでは同じようなものがたくさん並んでいるようにみえていたところから、自分の好みにあったものはどれか、という視点になるのです。
似たような骨董品の陳列、同じようにみえる宗教画の繰り返しから、自分が手元に置きたいものは何かという視点が入ったときに、何を重視するかということに気付けるのが面白いのです。
ちなみに、ミニマリストな夫は、例え話であっても、場所を取らない小さいものを選びます。
世界的な大作から身近で素敵な小物まで集まるミラノサローネであっても、みているうちに食傷気味になってくるのは避けられません。2日目ぐらいで、もうお腹いっぱい。そこで、この「持って帰るとしたら」という視点で時々みていました。とっても高級なものから、実際に買えそうな価格のものもあります。この中で買ったものはまだありませんが、私が、いつか欲しい!と高揚感を覚えた製品達を紹介します。
SCAPIN.の「DO NOT SIT ! chair」
イタリアの伝統工芸、木象嵌を現代風にアレンジしたデザインが得意な家具メーカーです。象嵌とは、様々な色調の木材をはめあわせて絵の板を作ることです。このクラシカルな椅子の上のメモ、実はとても精巧な木の象嵌で出来ているのです。白い紙、黄色いテープ、そして土台の椅子のそれぞれが、異なる木のパーツが組み合わされて、この図柄が表現されているのです。簡単なメモに見えて、実は非常に手が込んでいるのです。手工芸品なので、DO NOT SIT ! ということなんですね。
他にも棚を背負ったシロクマや、亀も魅力的。遊び心あるのに、超高級な工芸品。お値段は聞いたけど、高すぎて記憶にございません。
http://www.scapincollezioni.com/
Weltevreeの「CARRIER」
オランダのアウトドア家具ブランドで、本当にどのデザインも素敵!このスツールは、カゴの部分に薪などを入れられて、座面も物入れになっています。屋外の使用に耐えられるようになっていますが、とっても軽いので、子供部屋とかにも合いそう。座面の素材は90%リサイクルの低密度ポリエチレンを使用で白とグレーの2色、脚に当たるカゴ部分は黄色と黒の2色展開。座面が白い方は乳白の半透明で光を透してキレイ。カゴの一部が控えめながら持ち手になっていて機能的。
シンプルで上質なのに、楽しさもあるブランドので、ぜひサイトでこの世界観をみていただきたいです。スタイリッシュなブランコとかも売っています。インドア派な私でも、アウトドアしたくなっちゃう。
https://www.weltevree.eu/
Christophe MachetのThe Pipeline Project
パリ在住のプロダクトデザイナー、Christophe Machetのデザイン。水道管という安価で耐久性がある工業用PVCを使い、デジタルフライス盤で切り出すだけで、家具のベースになるというもの。パイプの曲線をそのまな活かした形状なので、成形やラミネート加工の必要がありません。
青以外もあったら良いなぁ、と聞いてみましたが、既成の水道管の色がこの色で、ほかの色はないそうです。水道管というフォーマットに魅力を感じます。
christophemachet.com
Mathy By Bolsの「Altezza」
ベルギーの子ども家具専門メーカー。全て自社で生産しており、あの将棋の藤井七段が受けたことで知られるモンテッソーリ教育学に基づく家具も開発、販売しています。秘密基地のようなベッド、木のような本棚、おもちゃが家具になったようなワクワクするデザインがたくさん。
Altezzaは3人の子どもが遊べて、眠れる空間になるベッド。フランスでは今、3人兄妹が多いのです。キツキツの3段ベッドより、こういうゆったりとした楽しいベッドは、自分が子どもだったら嬉しいだろうなぁ、と童心に返りました。
https://www.mathy-by-bols.be/
Longchamp x Nendoの「Le Pliage」
日本人デザイナー佐藤オオキのNendoとフランスのバッグブランドLongchampがコラボしました。日本の折り紙をモチーフにしており、風呂敷のような使い方のモデルも。Longchampの「使われてない時は畳む」、「カバンとして使う」という2つの機能に加えて、インテリアとしての機能を付加。バッグとして使っていない間、幾何学系の積み木のようなインテリアになる、というコンセプトだそうです。
私のフランス人の同僚達は、何人も買っていました。左のグレーのキューブのタイプが「Nendoっぽい」という理由で、私の周りでは一番人気でした。私も買おうか悩みに悩んだのですが、自分の生活の中で使うイメージが湧かずに断念。今見るとやっぱり素敵だったなぁ、とちょっと後悔。
Nendoはフランスでも大人気で、2020年1月に老舗デパートLe Bon Marché内で大規模な展示を行っていました。
選んでから気がついたのですが、この5つの製品、イタリア、オランダ、パリ、ベルギー、日本と、全て違う国のデザインでした。ミラノサローネのグローバルさを物語っていますね。
以上、3回に分けて、超今更レポートさせていただきました。
ミラノサローネに毎年行っている友人に聞くと、2年に1回ぐらいでもそこまでトレンドは大きく変わらないというので、このレポートが誰かのお役に立てることを祈って。
他の2回分も、もしよろしければ、ご覧ください。
・ブランドイメージが強く印象に残ったもの3選
・体験展示が素敵だったもの3選
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