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バーで出会った女性と東京ミッドナイト散歩

昨日は近所に最近できたバーにふらっと入ってみた。映画をテーマにしたバーだ。ボックス席に3人組、カウンターに女性が1人で飲んでいる。

カウンターの女性とまるまる1席分あけて隣に座り、バーのマスターに名刺をもらった。

メニューを一通り目を通した後、ハイボールを注文。

マスターと他愛のない話をしていると、気づいたら隣に座っていた女性も会話に参加していた。

話してみるとその女性は僕と同い年(平成4年生まれ)。仕事はヘアメイクをしているらしい。どうでもいいような会話から、彼女が先ほど渋谷でタコスを食べてきたことが判明した。

僕はメキシコ料理好きだ。自宅でサルサを作り、マサと呼ばれるとうもろこし粉を練る。自前のトルティーヤプレスを使いタコスの生地を作るぐらいには好きだ。

彼女のタコスを食べきた話に食いついた僕は、一緒にメキシコ料理を楽しんでくれる友達が欲しくて、やけに友好的に話した。

もちろん彼女が整った顔をしていて、ちょっとかわいいと思う気持ちもあったと思う。

マスターと彼女の3人で30分ぐらい話したところでバーが混み満席になった。

なぜか同じタイミングで「お会計お願いします」と僕と彼女は、マスターに伝えた。ただし、会話が多少盛り上がったとしても、終電がなく初対面の大男(僕)と店をあとにしたら、怖いだろうと思うし、マスターに狙っているとも思われたくなった。

彼女が店をあとにして1分ほど待って、店を出た。

すると、彼女はタクシーを捕まえようとしていたのか、防護柵に腰をかけて、道路側のほうを向いて途方にくれていた。

僕は声をかけた。

「さっきはありがとうございます。たぶん駅の方にいかないとタクシー通らないですよ。明日、仕事じゃなかったら、さっき話してたバーで飲みません?」と誘う。実は近所にあるバーの話をしていたからスムーズに誘えた。

さっきのバーから50mほど離れた別のバーに2人で入った。

さっきのバーではなかった若干の緊張感がお互いの間に流れる。ポツポツと他愛のない会話が始まった。

彼女とは同い年だったので、「敬語やめて話ましょう!」から始まって、今までどこに住んでいたとか、どうでもいいけど、少しずつお互いのことが知れるような話をし始めた。

やっぱり気が合いそうだと思い、このタイミングでLINEを聞く。続けて「今度メキシコ料理デートしようよね」と誘った。わざわざデートしようよと言ったのは、相手に異性だと認識してもらいたかったのかも知れない。

だんだん深い話になっていって、仕事や価値観の話になっていく。

同い年の女性と仕事や価値観について深い話をする経験が乏しかった僕は、嬉しくなってた、くさん話してたくさん話しを聞いた。2時間ぐらい喋っていたと思う。

彼女はそのバーからタクシーで帰ると高そうだったので、始発まで付き合おうかと思っていた。でも椅子に座っているのもしんどくなってきたので、「もし嫌じゃなかったら○○ちゃん家の方に歩いて向かって、もう少し話しない?でお互い疲れたらタクシーで帰ろう」と提案した。

ひたすらお互いの話をしながら、深夜の東京を1時間歩いた。距離は山手線3駅分ぐらいだっと思う。

シーンとした東京の街を2人並んで歩いた。彼女の身長は低くて、手を大きく振って歩いているのが、子供みたいでかわいい。そんな初対面のかわいい女の子を連れて、他愛のない話をしながら、散歩をする。

これが東京ミッドナイト散歩。

正直だるいと思う女性がほとんどかも知れない。でも僕はバーで出会った女性を、違う店に誘い出したあと、ホテルや家に連れて行くよりも、散歩を提案したい。そのほうが渋くてエロくてエモい気がするから。

結局えっちなことは、お互いのことを深く知ってからのほうが、よりえっちなのである。

終わり。

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大木ウド
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