文間飛行(ぶんかんひこう)
#モテるライティング講座
どうやって文を飛ばすか。文から文へ飛躍させるか。そう、接続語や指示代名詞を抜きにね。ヤスです、こんにちは。
文(文間)文(文間)文(文間)……
文から文、文のつなぎの「文間」をキレイに飛ばせると、まるで作家やエッセイストのような文章を書けます。
だいたいの人は接続詞や指示代名詞を使った言葉で文を結びますよね。
その、この、それ、あの。そして、だから、たとえば、しかし。
私が添削をすればまっさきに削るような言葉たちです。
学校で習う文ならば、きちんと接続詞を使うのがいいですよ。文と文をつなぐ役割をもちますから接続詞は正解です。論文もそうですね。しっかりと文の前後をつないであげるのがいい。接続詞や指示語は正しいんです。
エッセイやコラムはもっと自由です。私たちが書く文章は、文から文へどれだけキレイに飛べるかだよ。正しさだけだと華麗にステップして踊れないぜ。
#どうした
「自分が書いた文章じゃないみたい!」と私の添削を受けて感動してくれるのは、文間を私が意識しているからです。
リズムよく飛べるか。
文間はいくらでも文を足せるのですよ。接続詞等を使わないと、文が増えてしまう恐れもある。余計な本筋とは関係のない文を書きやすい。
実例をだしましょう。毎度おなじみモモタロウ。
『桃太郎』
むかし、むかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると大きな桃が流れてきました。
「なんと大きな桃じゃろう!家に持って帰ろう」
とおばあさんは背中に担いで家に帰り、その桃を切ろうとすると、なんと桃から大きな赤ん坊が出てきたのです。
物語はそのままに文間に文を加えてみます。書きがちなパターンで。
↓
むかし、むかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある所とはある都道府県のことです。本筋とは関係がないので今回は省略します。ちなみに住んでいる家はかやぶき屋根の一軒家です。そこでおじいさんとおばあさんは子どもがいなかったので二人でつつましく暮らしていました。
おじいさんはかまどやお風呂の燃料にするため、山へ行き、しば刈りをするのが日課です。おばあさんは近くの川で洗濯を毎日していました。趣味? 違います、生活のためです。
この日もいつもと同じです。だいたいいつも同じ毎日です。
いつもと同じように、
おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
今回、おじいさんの様子は省略します。ではおばあさんの川の様子を観察してみましょう。
そのおばあさんが川で洗濯をしていると大きな桃が流れてきました。
そこで見えたのが桃です。それは果物の桃です。しかも大きいのです。
すると、おばあさんはその異様な光景に
洗濯している手を止めてとてもびっくりしました。
そして流れてくる大きな桃に駆け寄ります。
その時おばあさんはこう思いました。
「なんと大きな桃じゃろう!家に持って帰ろう」
……ね。なんだかなんとも言えないでしょ。でもみなさんよくやっちゃうパターンなのですよ、この書き方がね。
どうしてこういう文章を書いてしまうのか。ああ、書いていて思ったけど、このコラムはサロン向きだね。
というわけで、解説は後半へつづく。
#ちびまる子ちゃんナレーター風
【まとめの結び】
◆ 文から文への華麗なステップは欲しいスキルだ
[写真協力:さちわ]
ベストセラー作家ひすいこたろうさんと共著出版したご縁で、SNSやブログ書きにむけた文章講座「モテるライティング講座」や、文章を書くためのオンラインサロン「放課後ライティング倶楽部」をやっています。昼間は教育関係に勤務。
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文間文法は書くレベルをあげる ―1167文字
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