HSP/AC/愛着障害の「生きづらさ」の原因
最初に
現代は多様性の時代と社会といわれています。さまざまなタイプ、性格、生き方などを承認されています。
しかし、一方では勝ち組・負け組などと区別されたり、目に見えにくいマウントの取り合いが横行していたり、社会的ステータスが幅をきかせていたりします。
こうした中で、一部の人たちは、社会で生きづらい思いをしながら生きています。この記事ではこうした生きづらいことについて書いてみたいと思います。
生きづらい性格
現代社会は大量の情報に覆われています。そして、人間の脳の処理能力では、そのすべての情報を把握することは不可能です。
そのため、要領の良い人は情報を選択し、必要なものだけを取り入れ、不要なものを排除します。
しかし、要領の良くない人はすべての情報を取り入れねばならないと強迫的になってしまいます。その結果として、反対に情報の取り入れだけに必死になり、それを活用するところまでいかないのです。
これはおそらくは脳の処理能力の問題ではなく、性格的な原因が大きいようです。良くいえば真面目で、きっちりとしないといけない思いが強いといえるでしょう。悪くいうと、強迫的、完璧主義といった性格であるといえます。
生きづらい人間関係
競争社会は経済的な発展にとってはとても必要なことです。しかし、それが行き過ぎると人を出し抜いてでも勝たねばならないという殺伐とした社会になってしまいます。
また、限りあるパイを奪い合うことによって、勝ち組と負け組に分類が生まれてしまいます。
こうしたことが身近な人間関係のなかでしばしば起こります。例えば、成績によって良いところに行ける人と、そうではない人が分けられます。
また、人よりも上に居ようとするマウントの取り合いなど起こることもよく見かけることです。
こうした人間関係では、他者の意図を推測し、雰囲気をつかみ、人の弱点をうまくついて、自身を優位な立場にすることが得意な人ほど勝ち残ります。時には人を傷つけることも躊躇しない非人間的なことを平気でできることが強さの秘訣になったりすることもあります。
こうした中で、人に配慮し、人を優先させ、自分を二の次にするような優しい人はこうした競争社会で脱落してしまいます。
こうしたことは生きづらさに直結するでしょう。
生きづらいことと差別
ひと昔前に比べると、人権意識は急激に向上し、差別というのがだんだんと無くなっています。また、法律的にもさまざまな差別を禁止、解消するようになっています。しかし、それでも、まだまだ差別が残っている部分もあります。
差別には、性差別、人種差別、地域差別、職業差別、障害者差別、コロナ差別などがあります。多くはマイノリティが差別される側にされてしまいます。
差別はしている人はほとんど意識していない反面、差別されている人は強烈に生きづらさを押し付けられます。
人は自分とは違うもの、自分には理解できないものを排除しようとします。おそらく、進化的に、同族で結集し、他種族や他生物からの攻撃から身を守り、生き残るために必須のことだったのでしょう。異質なものを排除するのは人類の進化には不可欠だったのですが、それが現代にも残っており、自分とは違うものを排除するという行動になってしまいます。
こうした差別により生きづらい思いをしている人は現代でも非常に多いでしょう。
生きづらいことと障害
障害と生きづらいこと
社会はいわゆるマジョリティや健常人が生きやすいように設計されています。
例えば、右利きの人が多いため、文字や設備の多くは右利きの人に操作しやすいように作られています。そうすると、必然的に左利きの人は操作がしにくいことになります。
障害者はさまざまな病気や疾患により、健常人には容易にできることが、容易にはできないのです。身体障害の場合であれば、目に見えて分かるので、人が手助けしてくれることがそれなりにあります。
しかし、いわゆる精神障害の場合、目に見えて分かることが少なく、そうした人の手助けを得られにくいのです。
アダルトチルドレンと生きづらいこと
アダルトチルドレンとは幼少期に養育者から不適切な養育を受け、それによってその後の人間関係や社会生活に支障をきたしてしまっている人を指します。
アダルトチルドレンは人間関係において、人のことを常に気にしてしまい、過度に緊張してしまい、自分を出すことができず、過剰に合わせてしまう生き方をしてしまいます。
それによって、部分的に社会適応をすることはできますが、無理をしているため、精神的に非常に疲弊してしまいます。
HSPと生きづらいこと
HSPとは感覚が過敏で、ちょっとした刺激を強く感じてしまう特性をもつ人のことです。音、触感、人の感情などに反応してしまい、非常に翻弄されてしまいます。
また、人から言われたことを過度に否定的に捉えてしまったりすることもあり、傷つきやすい側面もあります。
この世の中は刺激に満ちています。適度のその刺激にフィルターをかけ、感じなくすることで生きていくことができます。
しかし、HSPはそうした器用なことができず、全ての刺激にそのまま曝されてしまいます。
このようなHSPの方にとっては生きづらい社会や時代であるといえるでしょう。
発達障害と生きづらいこと
達障害には主に自閉スペクトラム症とADHD(注意欠陥多動性障害)の2つがあります。いずれも発達特性、認知特性の標準からの偏りがあり、そのため、人間関係や社会生活が思うようにこなせない障害です。
発達障害は些細な事柄にこだわりを持ってしまい、広い視野で物事を見ることが苦手です。また、落ち着きがなく、つねにソワソワとし、身体を動かし続けてしまう特徴もあります。さらには感覚過敏のところもあり、ちょっとした刺激に左右されてしまう面もあります。
こうした発達障害の特性のために、この社会の中で生きづらい思いを抱えてしまうことは必然です。
愛着障害と生きづらいこと
愛着障害とは幼少期に養育者との間で健全な愛着、アタッチメントが形成されず、さまざまな問題行動を起こしてしまう障害です。
愛着障害には反応性愛着障害と脱抑制性対人交流障害の2つのタイプがあります。前者は接触することを求めず、人と距離を取ろうとするタイプです。後者は反対にベタベタと過度に接触し、馴れ馴れしい態度を誰に対しても取ってしまうタイプです。いずれも距離の取り方が極端な人間関係なので、社会生活上、著しい困難が生じてしまいます。
愛着障害は、人との愛情関係や恋愛関係においても影を落とします。過度に恋人やパートナーの顔色をうかがってしまい、恋愛を楽しむことができません。いつも振られるのではないか、捨てられるのではないかといった疑心暗鬼をもってしまい、心が休まりません。
生きづらいことを相談する
現代は生きづらいと感じる人が増えている印象です。人によってその生きづらい理由は違うでしょうが、上記に書いたような性格、人間関係、障害が関わっていることが多いでしょう。
こうした生きづらいことについて何が理由なのか、原因なのか、どうすれば良いのか、などについてお困りの場合には相談、カウンセリングをすることができます。
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