金継ぎ体験記
こんにちは、プロデュース部の橋口です。
8月!夏真っ盛りですね。
子供の頃は、夏休みに水泳、祭りや花火などイベントが多く待ち遠しい季節でしたが、今はひたすら暑さがこたえます。。
今回は、そんな童心にかえって、またクリエイターの端くれらしく工作に挑戦してみようと思います!笑
内容は、以前から個人的に気になっていた「金継ぎ」です。
金継ぎとは、割れたり欠けたりした陶器を漆で接着し、つなぎ目を金粉で装飾する伝統技法で、約400年ほどの歴史があるとされているそうです。
接着して金粉をつけるだけ、なんて書くと少し簡単そうですが、接着の乾燥に数日から1ヶ月、
数回ある塗りの各工程も1回につき数日におよぶ乾燥期間が必要であったりと、手間や時間がとてもかかるそうです。
また、漆はかぶれるので扱いにも注意が必要ですし、金粉なども高価なためなかなか手が出せず、、、
しかし、諦めずに色々調べていくと、一般的な接着剤などを使用して比較的短期間でつくる、金継ぎ”風”の技法もあるそうです。
「簡易金継ぎ」と呼ばれる技法で、ホームセンターなどに売ってる材料で金継ぎの雰囲気を味わうことができます。
ただ、そこで使う接着剤や新うるし(漆っぽく見えるように作られた合成塗料)は、食器に対して使うことを
想定していないため、飲み口や食品が直接触れる部分に使用してはいけないそうです。
というわけで、ネット通販や近所のホームセンターで材料を集め、ガラス製のコップも買っていざ金継ぎ(風)!
金継ぎというと陶器のイメージですが、ガラスでも行うことができるそうです。
今回使った主な道具は、
ガラス用接着剤、パテ(金属用)、新うるし、彫刻刀、細筆です。
コップをビニール袋に入れ布で包むなどして、安全に気をつけながら割り、大きな破片から順にガラス用接着剤を使ってくっつけていきます。
破片が細かすぎて塞がらない部分なども出てきますが、そこは金属用パテで埋めるので気にせず!
1日置いて接着剤とパテが完全に固まったら、はみ出た部分を彫刻刀で削っていきます。パテが結構硬いので、あまり力を入れすぎるとくっついた破片が外れてしまうので加減が難しいところです…
表面がある程度平たくなったら、いよいよ金粉を塗っていきます!
使うのは、「新うるし」と呼ばれる塗料。漆に似せて作られた樹脂に金粉(これも本物の金ではなく、真鍮と呼ばれる金色の金属の粉)を混ぜて使います。含まれている溶剤が揮発するので、使用中はしっかり換気を行います!(においも結構強めです)
細筆でコップのヒビに沿って慎重に塗っていきます。
これが思った以上に難しく、太さにもムラができてしまいます...それも味だ!なんて言い聞かせながらなんとか塗り終えました。
やっぱり色が入ると一気にそれらしくなりますね!
食器としては使うことはできないので、植木鉢にすることにしました。
底に穴のないガラスの器は、排水穴が必要ないハイドロカルチャーという人工の土を使った栽培方法に最適です!
金色と、茶色、緑のコントラストが中々いい感じだな〜と
いろいろな角度から眺めながら満足!
金継ぎは、割れたり欠けてしまった器をただ直すだけじゃなくて、
装飾を加えて元の姿とは違った良さを与える、とってもポジティブな伝統技法ですね。
そういった逆転の発想や工夫を、日々の生活や仕事の中でも活かせるようにしていきたいなと思いました。
伝統的な金継ぎはもちろん、用途は限られるとはいえ簡易金継ぎのように幅広い選択肢があるのは意外でした。
割れたり欠けたりしてしまった器があったら、捨ててしまう前に金継ぎにチャレンジしてみてはいかがでしょうか!