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スクリーン「チラシ大全集」Part1感想 黒髪と妖精、色男と胸毛

2回目の投稿。先に前回のNoteで触れた「チラシ大全集」について改めて説明を。近代映画社発行の「チラシ大全集」。現在までPart7までが発売。国内で上映された外国映画のチラシを年度別で掲載し、同社発行の映画雑誌「SCREEN(旧・スクリーン)」にて毎年行われる読者人気投票のベストテンも紹介。その年のヒット作品、国内外で起きた出来事を知れる貴重なシリーズだ。

私が洋画にハマり始めた中学1年辺りに「SCREEN」を買い始めた頃。地元の図書館にPart4までが貸出されていて、何度か借りた。大人になった今、全7冊「大人買い」(12000円程)でコンプしたという訳。20年経ったので、中坊の頃に比べて自分も知識も深めた。そこで各年ごとの上映作品やベストテンを見ての所感と、作品・俳優についての個人的な印象を雑談みたいに力を抜いて書き連ねられたらと思う。Part1は戦前から1960年代。正直この年代の映画は知識が疎いので、毎年度紹介は出来ませんが「知らないなりに一生懸命書いてんな」と暖かい目で読んで頂けたら幸いです。

Part1は40~60年代の作品群プレイバック。表紙には1945年~1969年までとなっていますが、大正時代含む戦前の上映作品も含まれた貴重な内容となっています。

大人になった鬼殺隊を想像する

最初に紹介されるのは戦前から1944年にかけて公開された作品たち。よくぞまあ残ってたと思わずにいられない文字が右読みの貴重なチラシが掲載されている。大正が舞台の作品だと「鬼滅の刃」が浮かぶが、時系列的に主人公たちが大人になる頃の話。

炭治郎と禰豆子は「オーケストラの少女」を見て子供たちと歌って、善逸はキング・コングを見てビビり伊之助は類人猿ターザンを見て「お前も獣の王か!!」と心に火がついて。。そんな事を想像すると少し面白いかもしれない。

紅白と同い年。ベストテンスタート

敗戦から復興への道を歩んでいた40年~50年代。1946年に「スクリーン」が創刊され、1951年に読者人気投票が初実施。同年1月3日にNHKで紅白歌合戦が初開催されたので紅白とタメという事になる。ここから「スクリーン」の人気投票、通称「ゴールデングランプリ」が年一回実施でスタート。現在は「SCREEN 映画大賞」という名称に変更。近年は監督部門も創設。

日本史上、最も愛されし妖精

1954年に「ローマの休日」が公開され、オードリー・ヘプバーンは日本でも人気に。当時は日本でも彼女のヘアスタイルを真似する若い女性が続出し、春日若林によるお笑いコンビ「オードリー」は彼女の名前が由来である程に日本では不動の人気で知られている。93年に逝去。80年代は半引退状態で新作が無いにも関わらず、現在に至るまで常にトップ10以内に入る支持の長さ。今年5月にも「ローマの休日」の吹替新録版が「金曜ロードショー」にて放送。(個人的には「ダイの大冒険」のレオナ姫)早見沙織さんが声を担当し、上品で愛らしいお姫様の声がぴったりだった。これを機にオードリーを知った若い人もいるだろうし、確実に来年のベストテンにも入ってくるでしょう。

50年代から2020年代まで70年渡って愛される。まさに不世出の存在。このPart1では1960~1964の5連覇含めて10度のナンバーワンに輝いている。

デヴィ夫人も惚れた色男

1960年。この年の作品ベストワンは「太陽がいっぱい」。主演のアラン・ドロンが一躍1位となり、70年代にかけて7度のナンバーワン。「冒険者たち」を見て確かに、これはモテるわというか、日本人が好きそうな爽やかイケメンだなと思った。あのデヴィ夫人も、つかの間の恋をしたという逸話もあり、改めて色男だなあと感じる。

とにかく濃い初代007

1963年に記念すべき007シリーズ第1作が公開。「初代ジェームズ・ボンド」ショーン・コネリーが誕生する。中学生の頃にコネリーボンドは何作か見てたが、とにかく『濃い』。まず胸毛。「ギャランドゥ」とはこの人か?眉毛も濃い。すね毛も背中の毛も濃い。昨今、男性の脱毛が日本で流行っているが、真逆をいくスタイル。「また女を口説いてるんの!?」と呆れながらも毎度ベッドシーンに持ち込み、下記の復刻版では「ラブ・シーン4態 あいかわらずハデなボンドの情事」という今なら多分アウトだろう記事タイトルも。

日本ロケで話題の「007は2度死ぬ」は、日本人に変装して偽装結婚とツッコミどころ沢山。一番気になったのはボンドの相棒ポジ、タイガー田中(丹波哲郎)の生死は?ラストいないぞ。どこ行ったんだろう?

ショーン・コネリー氏はボンドをやってた時よりもおじいちゃんになった時期が好きで、インディ・ジョーンズのお茶目なお父さんや「ザ・ロック」のハードボイルドがカッコよかった。

攻めたロミジュリ

1968年。「ロミオとジュリエット」が公開。世代的にディカプリオ主演で現代版アレンジされたバズ・ラーマン版が先だったので作品を見た時は「なんでこんな回りくどい話し方なの?」と失礼な感想を抱いてしまったが、舞台での台詞回しを忠実に再現したものと知る。教養は大事。

オリヴィア・ハッシーの可憐なジュリエットは日本でも大人気。黒髪というのが日本人好みだなあと。親にこの作品を聞いてみると「ロミオがお尻出してた」という事で見てみると本当に出してる。何ならジュリエットも一瞬バストトップが映っている!攻めてんなあ、一時停止した人絶対いるだろうなあと話そっちのけな感想しかなく、良いのか?という感じだが、今見たらまた違う印象だろうか。

総括

先にも書いた通り、この時代の映画はあまり見ていない事もあって語れる所は少ないが、ショーン・コネリー、クリント・イーストウッド、ダスティン・ホフマンなど30代の自分世代にとってお爺ちゃんイメージの名優たちが階段を駆け上がっていくところが見れるのが楽しい。女優は現在も愛されるオードリーの凄さとオリヴィア・ハッシーの愛らしさ。前者は女性人気、後者は男性人気が高かったのではないかと。

次のPart2は70年代。「ロッキー」、「スター・ウォーズ」が公開された年代なので語れる話題も多そうな。見て頂けたら幸いです。


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