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人事の原理原則をまなぶ - これからのHR
こんにちは!メルカリのHR部門でマネージャーをしている@_tweeeety_です。
ぼくは、Software Engineer / Engineering Managerがキャリアの大半だったところから、人事へ興味をもちHRへジョブチェンジをしました。そのため人事経験が浅いです。(「なぜ人事へ興味を持ったの?」という話しはここでは割愛します。気になったら直接きいてください)
そこで、人事の原理原則を学ぶために「Every HR Academy」という講座を受講しました。このnoteでは、今年のふりかえりも兼ねて本講座を通しての人事領域に対する自分なりの学びや備忘録をまとめます。
このnoteのテーマは「これからのHR」です。
また、本記事は、ジンジニア アドベントカレンダー 18日目の記事になります。
(参考: 2023年 ジンジニア アドベントカレンダー)
はじめに
Every HR Academyは全8回の講座です。内6回がテーマのある講座となっています。ほかの2回はゲスト回、成果発表回です。
- Day1: これからのHR(←このnote)
- Day2: 採用&選抜
- Day3: パフォーマンスマネジメントと評価
- Day4: 人材開発・キャリアマネジメント
- Day5: 報酬制度・インセンティブ
- Day6: ピープル・アナリティクス
- Day7: 特別公演
- Day8: アサインメント発表会 & Find your why
このnoteは連載予定です。1dayごとに「内容」「学び」「学びを活かすには?」を書いて自分への備忘録noteにしていきます。文末には各回のnoteへのリンクを追加していきます。講座が気になる方への参考にもなれば幸いです。
では本題へ。
内容サマリ
1回目の講座は「これからのHR」でした。
セクションは以下の3つ。
Day1 アジェンダ:
- 人事のミッション・役割
- 世界のトレンドとこれから
- 戦略的人事
「人事のミッション・役割」は、HRのあり方や機能、役割について考えるセクションでした。「世界のトレンドとこれから」では、世界の情勢や企業のトレンドにあわせて労働やHRのトレンドも変わってきているよね、という内容でした。また、世界のなかにおける日本の労働市場や多様性について学びました。「戦略的人事」では、戦略的人事がどのように施策を考え成果をあげるかのプロセスやHRMについて学びました。
学び
講義内で個人的に気になった学びと備忘録です。(講義の3セクションから気になった点だけ抜き出してるので順不同です)
定期的にふりかえりたい学び:
1. HR Mission(HRの存在意義)
2. 戦略的人事のプロセス
3. HRM/Human Resource Management(人的資源管理)
気になった点のチョイス的に「世界のトレンドとこれから」的な内容はあまり入っていません(笑)
学び1: HR Mission(HRの存在意義)
「HR Mission(HRの存在意義)とはなんだろう?」 これが最初の問いでした。深いですね・・・。
HRのMissionは世界で共通しており、“The right person at the right place do the right things(適切な人材が適切な場所で適切な仕事をする)” という一文で表せるそうです。単語的には「適材適所」「適所適材」ですかね。
「適材適所」「適所適材」については、この機会にすこしおさらいしました。
■ 適材適所:
「適材適所」とは「人に合わせて役割・仕事を与える」という意味。つまり、個々の従業員の強み、スキル、能力、経験、興味などを考慮し、それに合った仕事や役割に配置すること。
■ 適所適材:
「適所適材」とは事業戦略に基づいて組織や役割を設計し、人を配置する」という意味。組織の要件や目標が優先され、その要件に最適な人材を選ぶことに重点を置く。
「適材適所」は「人ありき」ということで、新卒一括採用など人ありきのメンバーシップ型雇用や長期雇用で「抱えている人材をどう配置するか」という発想で組織を設計することと言えますし、「適所適材」は「ポジションありき」ということで、「ポジションマネジメント」なんかが当てはまる概念だと思います。
いずれにしても「HRの存在意義はなんだろう?」「HRは何を目指すのだろう」「HRをやれと言われたら何をすることなのだろう」というピュアな問いを考えることは重要だと思います。自分なりに考えることで思考が深まり、自分の言葉で話すことで解像度が上がります。世界で共通しているHR Missionは参考になりますが、自身でも「人事とは何をすることなのか?」を言語化していこうと思いました。ということで、2024年の抱負は、「自分なりの『人事の言語化』『はたらくの言語化』」にします。
学び2: 戦略的人事のプロセス
「戦略的人事のプロセス」というパートも学びがありました。
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このプロセスから言えることは「 “ビジネス戦略” を人事が理解していることが大事」ということ。基礎的なPLの理解から必要であり、ビジネス戦略からの外部分析 / 内部分析なども活用してHRニーズに落とす。HRニーズからはHR施策を検討して実施する。あらためて図や言葉で表現すると、何となく理解していた気になっていた自分に気づきました。
また、戦略的人事について「何であり」「何でないか」という話しも面白かったです。
戦略人事とは、個人ではなく機能である
「あなたが戦略人事か」ではなく「企業が戦略的人事機能を持っているか」
戦略人事/HRBPという呼称は役割や人を連想しますが、あくまでも「機能」なんやという点が印象的でした。
学び3: HRM/Human Resource Management(人的資源管理)
最後に、個人的な一番の学びポイントとして「HRM/Human Resource Management」があります。
本講義では「HRM定義の5つの機能」や「ダイナミックストラテジックHRM」を扱いました。
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![](https://assets.st-note.com/img/1702482765385-TE1BubpaM3.png?width=1200)
前提として、事業戦略によって「その事業でのパフォーマンスとは?」が定義されます。HR戦略的には「HR機能はすべてパフォーマンスに帰する」が意識すべきポイントであり、すべては「パフォーマンス」から逆算します。パフォーマンスが定義されることで評価が定義でき、評価をモチベートするには報酬が必要であり、評価の結果からは従業員の開発ニーズが特定できます。人材開発ニーズから必要なスキルや経験が特定できれば、それを採用にフィードバックすることが可能です。
HRM内の要素や矢印はなんとなく理解できましたが、あらためて「結局HRMってなんなの?」が気になったので少し深掘りしてみました。弊社はWorkdayを導入している手前、もともとHCMと対比する意味でのHRMを知ってる程度だったのでこれを機に理解を深めました。
■ HRMとは?
HRM(ヒューマンリソースマネジメント)とは:
HRM は、Human Resource Managementの略称で、人的資源管理や人材の管理の意味です。
かつての経営資源(商品や金銭)ではなく、人材を経営資源として捉えることが広まって耳にする機会が増えました。
HRMは特に、人材を有効活用するための仕組みを体系的に構築・運用することを指します。
具体的には、企業戦略を実現するために必要な人的資源を明確化して、採用・配置・育成・成果につなげることです。
HRMは人事部の業務とされていますが、部署内での人材配置や育成は現場のマネージャーのほうが詳しいことからも、人事部以外もHRMという考え方を知っておく必要があります。
なるほど、わかったようでわからんですねw
■ HRMとPM
人事の仕事はPM(人事労務管理)からH.R.M.へ >従来、人事の役目はPMとされることが主流でした。PMとは、パーソナル・マネジメント(Personal Management)のことです。人事労務管理と訳される人材マネジメントの手法の一種で、どちらかというと人材の育成よりも組織運用の効率化を最優先にしているところが特徴といえます。
なぜ人材一人ひとりの育成よりも組織運用の効率化を最優先にされているのかというと、PMは主に高度成長期を支える大量のスタッフを管理するためのものだったからです。1970年代頃の主流とされたPMは一人ひとりの戦力を伸ばすより、大量の人材を効率的に管理し、できるだけ「怠けてしまう人材」や「離職する人材」を減らすことに注力しました。年功序列や終身雇用制度などを導入し、長期的に勤めるメリットを社員に与えることで、人材を効率的に管理できるようにしたのです。 > >しかし高度成長期を終えると、組織のマンパワーは大量にあるものではなくなりました。働き方の多様化や人材の流動化が激しくなった昨今は、限られた人材を効果的に活用することが求められています。結果、ここ10年ほどで人材マネジメントの主流はH.R.Mにシフト。ヒトをコストと考えるPMに対し、H.R.M.はヒトを組織の財産と捉え、個々の成長やキャリアを重んじるようになります。 > >引用:
![](https://assets.st-note.com/img/1702483239399-6pEIfMngdG.png?width=1200)
旧来のPMとの違いをみると解像度があがります。新卒一括採用などもまだ名残がありますが、日本の旧来の人事制度はたくさんの人を採用しあとからその人を役割にはめていく。前半でも触れた「適材適所」型だからこその管理手法がPM、適所適材にしていくにはHRMなんだろうなーと解像度があがりました。
■ HRMとHCM
余談ですが、WorkdayなどのHCMも活用しているので違いを観ていきたいと思います。
HCMとHRMの違い:
HCMはHRMとどのように違うのでしょうか。HRMで管理する対象は人材資源です。つまり「人」そのものを「資源」として定義しているのに対し、HCMの対象は人そのものではなく、人が持つ「能力や経験」といった特性を資源ではなく、「資本」として定義している点に違いがあります。
企業が持っている資源は、消費するたびにコストがかかりますが、企業が持っている資本(お金)は、使えば使うほど価値が生まれます。
つまりHRMは、資源としての人材に対しコストをかけて活用していこうという考え方です。一方HCMは、人材の能力やスキルは企業が持つ資本(お金)であり、それを投資することで、価値を創出しようという考え方です。
いくつかのWebを参考にしましたが、説明としては上記一番ピンときました。人材に対して、HRMは「人を消費する資源」として捉え、HCMは「人が持つ能力や経験を資本」として捉えるという違いがわかりやすかったです。
また、それぞれHRM/ERPやHCM/Workdayでは、具体的になにをするの?という説明に関しては以下の図がわかりやすかったのでこれまた参考に貼っておきます。ただし、HCMであるWorkdayでも採用から報酬、勤怠まで扱えるのでHRM/HCMでオーバーラップしている部分は多いです。なかなか難しい世界ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1702483269803-oE4ZTnJxfy.png?width=1200)
■ HRMのフレームワーク
これまで触れてきたHRMですが、実はさらにいくつかのタイプに分類されます。参考サイトからの引用ですが、軽く触れておきます。ちなみに、僕は人事関連の書籍でよく名前をみかけるDavid Ulrich(デイブ・ウルリッチ)モデルしか知りませんでした。
HRMフレームワーク:
- ミシガン・モデル(Michigan model / 1980年)
- ハーバード・モデル(Harvard model / 1980年)
- ワーウィック・モデル(Warwick model / 1990年)
- ゲスト・モデル(Guest model / 1997年)
- ウルリッチ・モデル(Ulrich model / 1995年)
![](https://assets.st-note.com/img/1702483668373-ZbOwF7T7BO.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1702483678946-CoFoszGHJQ.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1702483683764-pfJmvVi6lQ.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1702483720277-VxKNEE6myY.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1702483688850-qM56Gw8VmV.png?width=1200)
上記の画像はいずれも以下の参考サイトからの引用です。
参考: HRM(ヒューマンリソースマネジメント)とは?フレームワークから学ぶHRMの意味と目的
学びを活かすには?
今回の学びを通して、あらためて人事として「ビジネス理解」を深めたいと感じました。僕は現在の会社やプロダクトが好きです。しかし「ビジネス側の戦略を理解しているか?」「PLを解像度高く把握しているか?」と言われると自信がないことに気づきました。部門はもちろんのこと、自チームや自身がフォーカスすべき戦略への軸を通すためにもビジネス理解を深めていきたいと思います。
おわりに
アドベントカレンダーを勢いよく6日も入れてしまったので書けるかヒヤヒヤものです...。とはいえ「宣言したらやるしかないドリブン」で頑張って書いてみようと思います。
■ 連載について
このnoteは連載です。12/18から数日にかけて一連をリンクしていきますので良かったら読んでみてくださいませ。
■ 謝辞
このnoteを書くにあたり、内容や画像の引用については事前にEvery HR Academyさまの許可を頂いております。快く許可をくださった主催の松澤さん、ありがとうございます。人事の原理原則が体系的に学べる数少ない講座です。気になる方は、受講を検討してみてはいかがでしょうか!
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