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リモートでチームのふりかえりに`Genie in a Bottle`をやってみた

こんにちは。
メルカリで人事でPeople Analyticsなどを担当しているtweeeetyです。

格闘技のお祭り`THE MATCH`、めっちゃ熱かったですね。チケットを申し込みましたが外れて会場では見れませんでした😂 映像でみても「エキサイティングだったので良かった!」と自分を納得させていますw

さて、今回はリモートでのチームふりかえり`Genie in a Bottle`についてのnoteです。`Genie`といえばそう、アラジンのあれをモチーフにしたふりかえりになります。モチーフからして少しファンタジーですね。

ちなみにゼロからのScrum導入なんかも書いているので気になったら見てください。

1. 「ふりかえり」をなぜやるか

他のnoteでも記載していますが、大事なポイントなのでこのnoteでも完結するように再掲しています。

「ふりかえり」は、アジャイルプラクティスでいう"Retrospective"です。
なぜRetrospectiveをやるか、大事なことは以下2点です。

1. チームをもっとうまくできるようにする
2. 立ち止まって考える機会を作る

その結果として以下のような事が期待できます。

# チームの成長:
チームメンバーの関係性を深め、相互作用の質を高める

# プロセス改善:
少しでも改善し、やり方の質を高める

# 仕事の棚卸し:
やらなくて良い仕事を辞め、成果の質を高める

より詳しい詳細は以下のslideをご参考ください。

2. ふりかえり: Genie in a Bottleとは

レトロスペクティブにはたくさんの方法があります。
たとえば、よく知られているふりかえりの1つにKPTがあります。
Keep/Problem/Tryを挙げていく形式ですね。

同様に`Genie in a Bottle`もレトロスペクティブのひとつです。`Genie in a Bottle`は「満たされていないニーズを気軽に探る方法」として、チーム/チームメンバーのwillを引き出すレトロスペクティブです。

オフライン時代は「○○だったら良いよね〜」みたいな雑談がよくありました。リモートになりそんな雑談も減ったいま、チームやメンバーの心の声を聞く良い機会になるかもしれません。

今回、ボードは2つ使います。

使用するボード:
1. Good Thingsボード
2. Genie in a Bottleボード

2.1. Genie in a Bottleのボードの説明

まずはイメージからご紹介を。

1. Check-In: Good Thingsボード:

2. Genie in a Bottleボード:

以下、Genie in a Bottleのボードの概要です。

 1. Check-In: Good Thingsボード:
このフォーマットは、チームとして良かったことや感謝の気持ちを表すことによって前向きな雰囲気を作り出します。具体的には、対象スプリントをふりかえりつつ、以下の質問を投げかけます。

■ 今回のスプリントでチーム/チームメンバーは何が素晴らしかったですか?
■ 今回のスプリントでうまくいったことは何ですか?
■ 今回のスプリントで何が好きでしたか?


Good Thingsボードは、Genie in a Bottleに必須ではありません。
しかし、Genie in a Bottleは「これまで叶わなかった願い」を口にだすレトロスペクティブなので前向きな雰囲気を作り出すことは重要です。
他のメソッドでも良いのでぜひ話しやすい雰囲気をつくりだしてみてください。

2. Genie in a Bottleボード:
Genie in a Bottleは、設定のストーリーがあります。

「あなたがビーチに歩いているイメージをしてください。あなたはビーチでボトルを見つけます。 通常のボトルではありません。 特別なものです。 ボトルを開けると魔神が登場しました! 彼はすべてのチームメンバーに3つの願いを叶えます。1つは自分自身、もう1つはチーム、もう1つは他者への願いです。」

ぜひ、開始前にストーリーを話してチームメンバーとイメージを掻き立ててください。さて、メインのアクティビティですが、ふりかえり対象の期間に対して3つのWish(願い)を挙げていきます。それぞれの説明は以下です。

■ one wish for yourself:
自分への願いを1つ書いてください


■ one wish for your team:
あなたのチームへの願いを1つ書いてください


■ one wish for someone else (colleague, other team, board, world):
ほかの誰かへの願いを1つ書いてください
(同僚、他のチーム、上位部門、経営など)

大事なポイント:
3つの願いはいずれも「もし1つしか叶わないとしたら・・・」という前フリをした上で書いてみてください。
「何でも良いから目についた点」ではなく、心の奥底から「もし1つだけ叶うならコレ・・・」という1点を吐き出すようにしてください。

ここまで読むとおおよそ雰囲気がつかめると思いますが、KPTなんかと比べると前向きなレトロスペクティブですね!

2.2. Genie in a Bottleの手順

以下が、Genie in a Bottleの手順です。

-- Check-In: Good Thingsボード --
STEP1. Good Thingsボードの3つの質問の答えをそれぞれ付箋に書いていきます。このとき、対象スプリントを思い出しながら書いてください。カレンダーを見ながら思い出すのも有効です。

STEP2. ひとりずつ、書いたGood Thingsの意図や背景を簡単に共有します。

-- Genie in a Bottleボード --
STEP3. 次に、Genie in a Bottleボードに3つのWish(願い)を記載します。それぞれ1つだけ書いてください。もし1つしか叶わないとしたら…」と想像しながら書きましょう。

STEP4. 書き終わったら、ひとりずつ簡単に内容を共有していきます。

STEP5. アイテムをグルーピングします

STEP6. 参加者は関心のあるグループまたはカードに投票します。各参加者は3つ投票できます。

STEP7. 投票数がもっとも多い項目についてアクションができないか話し会いましょう

2.3. Genie in a Bottleの実施イメージ

実際に実施した際のイメージを貼っておきます。
(内部事情もあるので、文章は伏せています)

Check-In: Good Thingsボード:

Genie in a Bottleボード:

3. Genie in a Bottleのポイント

3.1. Genie in a Bottleの実施ポイント

Genie in a Bottleは、チームやプロジェクトの心の奥底にある「願い」を引き出します。

前述しましたが、一番のポイントは「もし1つしか叶わないとしたら…」という前置きを念頭に書き出すことです。
何でも良いから目の前に浮かんだものを書くパターンではなく、心から「こうしたい」「こうだったら良いのに」と思える1つを挙げます。

それにより、以下のような気付きや体験を得られると良いふりかえりになります。

得られる気づきや体験:
- 自分のWillをメンバーに伝えることができた
- 自分の「こうでありたい」と他者の「こうでありたい」を相互に理解しあえた
- 「本当は○○だったら良いのに」と思っているメンバーがいることに気づいた
- プロジェクトを遂行する「チームのありかた」も改善できそうなことがわかった
- チーム外に働きかけると良さそうなことへの共通認識が持てた

3.2. どんな時にGenie in a Bottleをやるか

チームの状態や内面にフォーカスするため、
チームを組成して少し立った頃やプロジェクトが走りはじめて少し経った頃なんかも良いです。

もう少しまとめるとこんな感じでしょうか。

どんなときにやるか例:
- プロジェクトやチームのhealth checkを行いたい
- プロジェクトやチーム内で一度立ち止まって新たな気付きを得たい
- チームの雰囲気やメンバーの思っていることを引き出したい

また、このふりかえりを行う状況としては以下のようなときにも使えます。

このふりかえりを行うと良さそうな状況:
- ボトムアップでチームを変えたいとき
- メンバーがなにかを無理していそうなとき
- チームがギスギスしているとき

4. オンラインでのGenie in a Bottle

ツールは、以下を利用しました。

# 利用したツール:
google docs:
チームへの説明やアジェンダに利用
google meets: オンライン会議に利用
miro: ホワイトボード代わりに利用

おわりに

Genie in a Bottleはわりと評判が良かったレトロスペクティブです。
あつかう項目が、課題やProblemなどマイナス面ではなく、Wishというポジティブ面というところが良い特徴のレトロスペクティブだと思います。
ぜひ、気になったらやってみてください。

参考に他のレトロスペクティブ/ふりかえりについてのnoteも置いておきます。


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