人事チームでスクラム導入 - スクラムマスターを育ててみた
こんにちわ。
メルカリ人事部門にて人事データ分析を担当しているtweeeetyです。
HR Data Managementというチームにて、いわゆるPeople Analyticsを推進しています。
さいきんは「強いチームをつくる」という個人的なミッションのもと、スクラムを導入しています。なぜスクラムか?というと、「強いチーム」とは「変化に強く自己組織化したチーム」であり、「変化に強く自己組織化したチーム」とは「スクラムチーム」であるという仮説を持っているからです。
今回は、ゼロからスクラム導入をした知見・経験をまとめるべくnoteをいくつか書いていこうと思います。
今回とりあげるのは「スクラムマスターの育成」です。
1. スクラムマスター育成とは何か
スクラム導入をすすめる傍ら、自分以外にもスクラムマスターを育てるべく以下のことを行いました
2. なぜスクラムマスターの育成をやるか
簡単にいうと「全員スクラムマスターになれるチームを作りたかった」からです。
その思いにいたった背景も補足します。
スクラム チームには3つのロールが存在します。
Scrum Masterは、スクラムの導入・推進をするロールです。たいてい、チームに1人の専任がいることは稀でDeveloperが兼任することも多いです。
今回のぼくもまさにその状態でした。
とはいえ、エンジニアチームなんかだと他のDeveloperロールのメンバーもスクラムの知識を有していることが多く、スクラム導入の協力やサポートを得られることも多いです。
しかし、現在所属しているチームは人事チームです。そのためスクラム経験のないメンバーがほとんどの状態でした。そこで、スクラム導入をするかたわら、いっそのこと「全員スクラムマスターになれるチームを目指す」というのはどうだろう?と考えはじめました。
実際、スクラムマスターはロールであり、職種や役職でもありません。それであれば、全員がスクラムマスターというロールの帽子をかぶれる状態が良いのでは?と思い立ちスクラムマスターを育てることにしました。
3. どのようにスクラムマスター育成をしたか
"1. スクラムマスター育成とは何か"に記載のとおりですが、以下を行いました。
以降では順に少しずつ深掘って説明します。
3.1. 輪読会の導入&全員でスクラムについてまなぶ
輪読会を導入しました。「輪読会の導入」については別で書いているのでご覧ください。
輪読会であつかう書籍はつぎの2冊としました。それぞれについて全員で読み合わせ&ディスカッションするカタチで進めています。
3.2. チーム半数のメンバーでスクラム導入プロジェクトを推進
スクラム導入をプロジェクトのようなカタチで立ち上げました。
全体像や導入計画はぼくが推進し、他のメンバーにはそれをサポートしてもらったりフィードバックをくれる役割としてジョインしてもらいました。参加してもらった個人的な意図としては「初めての人がわからないことを事前に知る」「導入への当事者意識をもってもらう」という2点も含んでいます。
また、プチプロジェクトっぽく会議体を設置し、週次で以下のようなことを共有&ディスカッションしました。
3.3. チーム半数のメンバーでCertified Scrum Masterの資格取得
"Certified Scrum Master"とは、「認定スクラムマスター」とも呼ばれ数あるスクラムマスターの中で最もメジャーな資格です。日本だけでなくグローバルに通用する資格でLinkedInの資格欄に認定番号とともに貼ることも可能です。
育成の一環として、チームの半数のメンバーにCertified Scrum Masterの取得を促し、無事みんな取得しました。これによりなんと、人事のチーム6人中、3人がCertified Scrum Masterを取得しています。
苦労したポイントとしては、Certified Scrum Masterをチーム受講するために以下のようなことをまるっと引き受けました。
4. チームのスクラムマスターの今後
半年ほど、自分が中心となりスクラムの導入 + スクラムマスターの育成を行ってきました。なんと、ちょうど良いタイミングでぼくは育休に入ります。そのため、数ヶ月のあいだ他のメンバーにスクラムマスターを引き継いでリードしてもらいます。
どうなるかはわかりませんが、リードすると全然違った世界が見えると思うので彼にとってもチームにとってもレベルアップする良い機会です。
こういった交代劇があることで、本当の意味で複数人のスクラムマスターチームになれるのではないかとワクワクしています。
参考
書籍:
Web:
おわり
スクラムマスターは、スクラムをチームに方法論として導入するだけでなく、スクラムを布教したりスクラムマスターを育てることも重要だと思った今日このごろでした。おかげで安心して育休にはいれます。
スクラム導入に関しては以下のnoteが連載になっています。気になったら覗いてみてください🍻