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映画「ぼくのお日さま」


日曜日の映画館は久しぶりだった。

安くて空いている平日の映画館が一番好きなのだが、今回は日曜日。張り切って電車を乗り継ぎ、家から少し遠くの映画館へ行った。

推しのライブも 推しのラジオイベントも ことごとく落選し続けていたのだが、先日めでたく「当選」の通知を受け取ったのだ。


チケットを発券してから、チケットに書かれたタイトルと日付けと上映開始時間を 何度も確認していた。
「映画『ぼくのお日さま』全国公開舞台挨拶」


映画鑑賞においては雑食だが、やはり余白のある作品が大好きで、カンヌ国際映画祭に正式出品となれば 期待せずにはいられなかった。

睡眠不足で観たら、好みの作風でなかったら、もしかしたら眠くなっててしまう人がいるかもしれない。
とっても温かく心地が良いから。


映し出されるすべてが美しく、期待通りの素晴らしい作品だった。


エンドロールで流れたハンバート ハンバートの歌と、上映後舞台挨拶の池松壮亮さんのお話で 涙が出てきて、必死でこらえていた。


舞台挨拶中に泣いていたのは たぶん私だけだろうと思う。池松さんの発したとある言葉で、感情が溢れてきてしまったのだ。

この一年半、子育てに悩み苦しかった気持ち、息子の言えなかった言葉たちに気付けなかったことへの後悔、気付けて良かったという安堵、

なんとか踏ん張って生きてきた、たくさん学んだ、息子と一緒に泣いたり笑ったりした、溢れてきたのはそんな感情や思い出だったかもしれない。


主人公タクヤが 息子と同じ小学6年生だったのも、出会うべくして出会ったように思う。

たまたま夫の仕事が休みで 運良くチケットが当選し、しかも映画館の入る施設は前日に停電トラブルがあったらしく スタッフさんたちの努力で何とか実施された舞台挨拶だった。神様からの贈り物だと思えた。


私にとってこの作品は、苦しみながら探し ひとつひとつかき集めたものが 大きな答えとなって 余白に差し込んできた光 のようだっだ。



奥山大史監督の凄さ 演者の魅力 映像美と繊細な描写などは、あちこちに書かれているから省略するが、とにかく多くの人に観てもらいたい素晴らしい作品だ。

特に子どもと関わる大人たちには、主題歌も含め お勧めしたい。


私は もう一度劇場で観たいと思っている。平日の小さめシアターがいい。






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