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映画「リトル・ダンサー」



名作をスクリーンで観るというのは、本当にこの上なく贅沢な時間だ。

上映館が限られているため 初めての映画館に足を運んだ。二重の意味でドキドキが止まらない。

名作とはいえ今流行ってるわけではない、デジタルリマスター版だ。週末だが 私の両隣の席は空いたままだ。全体的によい塩梅で席が埋まっている。最高だ。


作品名は知っていたが、正直内容はあまり知らなかったし 今回も事前情報はほとんど入れずに鑑賞した。
ただ、世界中で舞台化もされており「ぼくのお日さま」の奥山大史監督など多くの人に影響を与えた作品だということは知っていた。

前半は、心の中で何度か「おぉ〜!!」と声が出ていた。「オマージュ」という言葉をはっきり理解した感じがして胸熱だった。
奥山大史監督が、「「ぼくのお日さま」は「リトル・ダンサー」をやりたいと思って書いた」と言っていた。本当にその通りだった。
観る順番が逆にはなってしまったが。


1984年 イギリスの炭鉱町。映し出される風景や音に 一瞬にしてその世界にひきこまれた。登場人物は人間味に溢れる人ばかり。みな必死に生きている。

後半は、未来ある子どものために大人たちが必死になる姿に胸熱だった。
自分を解放し 人の心を動かしていく 11歳の主人公ビリーの踊りに夢中になった。

ストーリー的にも時間的にも それそろ終わる。我慢しても溢れ出てくる涙を拭きながら、たまたまカバンの中にハンドタオルが入っていて良かったと思いながら、まだ終わらないでくれ!!まだ終わらないでくれ!!と祈っていた。

エンディングでこれだけワクワクした作品はあっただろうか。すぐには思い出せない。


余韻にひたりながら一人歩いた。あえて駅から映画館まで来た道とは違う道で 駅まで帰った。点滅した信号を小走りに渡らず止まってみた。少し迷ってかなり歩いてしまった。

本当に贅沢な一日だった。




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