#22 音楽に記憶は宿り蘇る
1度聴いた音楽をもう一度聴いた時、その当時の記憶や経験を思い出すというのはよく聞く話。
私の場合は、大変だった事や、苦しかった事をよく思い出すのだ。
というのも、私は何かを乗り越える時に音楽の力を借りてきたからである。
音楽は私に力を貸してくれる。
例えば、私は中学2年生の夏休み明けから、学校に行かなくなった。理由は、休み癖がついたこと。さらに学校に行ったら同級生から「お前何してたの?」と言われるんじゃないかという怖さ。それをズルズル引きずって約3ヶ月も学校を休んだ。
この時期は、何もかもが辛かった記憶がある。親からは怒鳴られ、引っ張られながら学校に連れていかれたり、担任の先生が家まで訪問してきたり。
今となっては、その全てが私の為を思っての事だからすごく感謝すべき事なのだが、当時の何も知らない私は、その全てが苦痛だった。
その中で1番嫌だったのが自分の弱さだった。
学校に、教室に行ってしまえば、今まで通りに勉強したり遊んだりできることは理解していた。
それなのに1歩踏み出せない自分が嫌で、悔しかった。
「明日は頑張ろう」の繰り返し。
そんな時ラジオから流れていたのがこの曲。
SEKAI NO OWARI の 【銀河街の悪夢】
これを聞きながら号泣した事を今でも鮮明に覚えていて、今聴いても涙目になる。
明日また起きたら何か始めてみよう
だから今日はいつもより早く眠りにつこう
だけど眠れなくて朝日が昇るんだ
明日はもっと自分が嫌いになるのかなぁ
歌詞の全てが、私にピッタリすぎた。
明日を夢見るから今日が変わらないんだ
僕らを動かせるのは自分だけだろう
そんなことわかってるんだろう
強くなれ僕の同志よ
そして、この歌詞。
親や担任の先生、友達が沢山私の為にしてくれたけれど、結局私を変えられるのは私なんだと。そう言っている気がした。
この曲がきっかけで、自分の弱さを受け入れ、それにうち勝つ努力をした。(格言などを筆ペンで書き出して部屋に貼ったのは黒歴史)
その後は、学校へ通い無事卒業した。
ひとつの曲にあの3ヶ月間のほとんどを思い出せる力がある。
だから、不意にラジオから思い出の曲が流れるとその時まで忘れていた記憶が蘇るのだ。
音楽は私にとって、力を貸してくれる強い味方であり、記憶の外付けHDDのようなものである。