【読書メモ】『シャーロック・ホームズの冒険』(著:アーサー・コナン・ドイル)
今年のコナン君の映画も好評のようで歴代1位も更新したようです、、凄いですね。コナン君というと各国各時代の名探偵がモチーフ?になっていますが、一番はやはり「シャーロック・ホームズ」だよなぁ、と、映画を見る都度思い出します。
そのホームズさん、デビュー自体は長編『緋色の研究』ですが、人気に火が付いたのは『シャーロック・ホームズの冒険』としてまとめられることになる「ボヘミアの醜聞」から始まる連作短編シリーズだったようです。
昔から小説だと連作短編系が一番食指が動きやすいです。恐らくは子どもの頃に読んでいた、それこそ(児童向けの)シャーロック・ホームズ・シリーズや星新一さん、ドラえもんなどの影響かなと、程よいペースでちょっとした隙間時間でも読み返せるのが性に合ってるのかな、とも個人的には。
で、「シャーロック・ホームズ」というと思い出すのがやはり最初の連作短編集となる『シャーロック・ホームズの冒険』、全12編。
手元には、ハヤカワ文庫版(大久保康夫さん訳・1981年発行)、創元推理文庫版(深町眞理子さん訳・2010年発行)、新潮文庫版(延原謙さん訳・1953年発行、1989年改版)の他、(Amazonではなぜかアダルト設定されている)PENGUIN BOOKS版の原語本があったりします。
わたしが一番読んでいるのはハヤカワ文庫版ですが、今だと創元推理文庫版が読みやすくなっているのかな、訳語の使い方的にも。
例えば「ボヘミアの醜聞」でのアイリーン・アドラーへのホームズからの”尊称”、原語では「the woman」なのですが、ハヤカワ版、新潮版だと「あの女」、創元推理文庫版では「あの女性」となっていたりします。
なお『シャーロック・ホームズの冒険』に収められている話の中では、その「ボヘミアの醜聞」も捨てがたいですが、「赤毛組合(赤毛連盟)」、「青い紅玉」、「まだらの紐」辺りが個人的には甲乙つけがたいです。
また他に収められている中でも「白銀号事件(銀星号事件)」や「ソア橋」、「六つのナポレオン」、「踊る人形」、「黄色い顔」など印象的な話は多く思い出せますが、、
毎回生々しい殺人事件が起きるというわけではなく、ちょっとした日常ミステリーで終わることもあり、また当時のイギリスの世相を覗いているような雰囲気も、個人的には楽しみの一つだったりします。
ちなみに様々に映像化もされていますが、個人的にはジェレミー・ブレットさんのグラナダテレビ版が印象的で、DVDもすべて揃えていたりします(CATVでもたまに流れてるとつい観てしまったりも)。