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【読書メモ】『生きるぼくら』(著:原田マハ)
確か図書館で出会った、原田マハさんによる農業お仕事系な一冊、食育的な要素もあり、文庫版を蔵書にしていたりもします。
主人公はいじめが原因で引きこもっている麻生人生、24歳。両親は既に離婚し、母親に頼り切って生きていたのですが(いわゆるニート)、、とある日、その母親が失踪してしまいうところから物語が始まります。
このままではあらゆる意味で路頭に迷ってしまう、人生くん。わずかに残された資金と祖母からの年賀状を頼りに、両親との思い出にも呼ばれるように、蓼科の祖母の家を訪れることに。
そこには、息子(人生の父)を失ったショックで認知症となった祖母・マーサと、祖母にとってのもう一人の孫、つぼみ(21歳・ツンデレ)が暮らしていました。
記憶の中の元気な祖母とのあまりの落差に愕然とする人生ですが、そんな中、祖母の用意してくれた食事の「美味しさ」にガツンとやられます。
右往左往しながらも、現地で仕事を見つけて、祖母と共に生きていこうとする人生、そのキーになるのは「無農薬&不耕起栽培での稲作」を復活させたいとの想い。
周囲の人に助けられながら、一つ一つ成長していく人生とつぼみの様子が、瑞々しく。美味しそうな食事を題材に、「食べる」ということ、「いただきます」との言葉、そして「ありがとう」との想い、、それが自然と引き出される環境が素敵だな、とも。
自然に根ざした美味しいものをたくさん"いただきたく"なる、そんな物語です。
それだけに、こういったニュースには怒りしか感じませんね、日本人、大概の事は受け流しますが、「食」については容赦しないと思いますよ、特に神事ともつながりの深い「米」、ゆめゆめお忘れなきよう。