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【読書メモ】『新編 銀河鉄道の夜』(著:宮沢賢治)
Filmarks(フィルマークス)主催のリバイバル上映プロジェクトにて、「劇場版『銀河鉄道999』4Kリマスター版」が劇場版公開45周年記念として、12月13日より全国上映される。
今回、リバイナル上映の入場者特典として、劇中に登場する「地球⇔アンドロメダ」間の銀河鉄道パスを再現したカードが、先着・数量限定で配布される。
(「GAME Watch(Yahoo!配信)」2024年12月5日)
「銀河鉄道パスを再現したカード」、普通に欲しいなぁ、、行くタイミングあるかなぁ、、なんて『新編 銀河鉄道の夜』を何とはなしに思い出しながら。恐らくは、映像イメージとしての『銀河鉄道999』からの連想とは思います。
さて物語の軸を走るのは星々の光に照らされて夜空を駆け抜ける一両の"鉄道列車"。行き先は“次なる世界”、そして乗客は"不帰の人々"となるのでしょうか。この辺り、須弥山の思想なんかも想起させてくれたりも。
ある意味、古来から続く日本の“死生観”が発露されてもいるのかな、とも。石炭袋の設定も黄泉比良坂などの大穴ともリンクしてそうですし、横文字の名前が多いにもかかわらず、不思議と西洋のイメージは残りませんでした。
『銀河鉄道999』もですが、どちらもどこかに“行きて戻りし”物語。「999」は“永遠の命”を求めて、こちらは“次の世界”への橋渡しとして。“旅”の果てに求めるものは“幻影”なのか“夢”なのか。999での“時の輪のどこかでまた会える”なんてフレーズなどともリンクします。
共通しているのは“幸せ”とは何なのか、との点でしょうか。
根っこの部分には仏教で言う輪廻転生も感じさせられましたが、、これらの“連環”から醒めた時に向き合う“現実”とは。結局のところは未完のまま取り残されているのですが、この先の物語を夢想してみるのもまた、楽しそうです。
ジョバンニとカンパネルラは、またどこかの“駅”ですれ違うコトがあったのか、はたまた、時空を越えた“神隠し”からの回帰なんていうコトもあったのか、どうか、なんて風に。
現世と幽世の境は意外と、近くて薄いのかもしれません、なんて風にも。
戦前から変わらずに長く読み継がれているのは、その表現の美しさ、儚さもあると思いますが、日本人の死生観という“民族意識の根底”を揺さぶる要素が籠められているのもあるのかな、ともなんとなく。
そういった意味では、考えながら読むのではなく、感じながら読む物語なのかも、、なんて風に思いながら。