【読書メモ】『祖父たちの零戦 Zero Fighters of Our Grandfathers』(著:神立尚紀)
少し前、卓球の早田ひな選手のインタビューが話題になっていました、「鹿児島の特攻資料館に行きたい、卓球ができていることが当たり前じゃないという事を感じてみたい」との事。
ご出身が九州との事もあるのかもしれませんが、世代的には早田さんから見て曽祖父母の時代くらいで”歴史”に切り替わりつつ事柄であるだけに、身近なことの一つとして、これからの日本で生きていく世代の方々が想いを馳せたいと話されるとは、大切にしていただきたい感性だと思います。
なんて感じながら思い出したのが『祖父たちの零戦 Zero Fighters of Our Grandfathers』との一冊、神立尚紀さんによるノンフィクションとなります。
著者の神立さん、ここ最近ですと、少し前にNHKで放映された「NHKスペシャル:“一億特攻”への道 〜隊員4000人 生と死の記録〜」などでもお名前が出ているようですが、長年に渡り特攻に対する取材を積み重ねておられる方です。こちらの番組は見逃してしまったので、再放送を探しておこう。。
さて本書の主人公は進藤三郎さんと鈴木實さんのお二人。この2名の零戦パイロットの戦前、戦中、戦後の物語を軸にして、大東亜戦争に対する普通の日本人の感性が綴られていきます。
ノンフィクションではありますが、目の前の出来事のように映像が浮んでくる、そんな生き生きとした筆致に、背筋が伸びる思いで拝読したのを覚えています。
冷徹な現実と向かい合っている現場の指揮官、そして、それに応えていく先人の方々。そういった人々の想いが込められた“戦後”を受け渡されている私たちは、先人たちに応えるだけのことをできているのだろうか。
との自問が螺旋のように繰り返されていきます、私の祖父も従軍(陸軍だったそうです)していたことは聞いていますが、(私自身の頭が動くうちに)記録等が残っているのか、探してみようかな、なんて考えながら。
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