【読書メモ】『フットボールの犬』(著:宇都宮徹壱)
少し前、ワールドカップ2次予選が中止となり、日本の不戦勝となったとの話がありました。最終予選に勝ち上がれたこと自体はよかったと思いますし、個人的には怪我をする確率の高い特亜相手の試合を回避できたのもプラスだと考えています。
とはいえ、貴重な代表レベルの国際試合の機会と、得られるはずであった「実戦の経験値」については、デメリットの側面も強いと思います。特に当確線上にいる選手たちにとっては数少ないアピールの機会が減ってしまったわけでもありますし、、なんて思いながら、ライターの宇都宮徹壱さんのお名前を見て思い出したのが『フットボールの犬』との一冊になります。
内容としては、1999年から2009年までの10年の間、「サッカー」を求めて欧州を流離った記録となります。イタリア、オランダから、フェロー諸島、マルタなど、、そのクラブ規模を問わずに。
ここにはサッカーすべてへの「愛」がつまっています。
すべてとは、、プレイだけではなく、選手だけではなく、サッカーをとりまく、文字通りの「すべて」。それだけに政治的な背景や金銭、宗教等々、いろいろと生臭く感じる部分も多く、読み方によっては「雑音」としか思えない部分があるとも思いますが、個人的には非常に面白く、印象的に読めました。それは、人間と結びついたサッカーを追いかけているからなのかなと、今では思います。
文章だけはなく、総体として忘れられない色を与えてくれる、そんな一冊でした。
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