【読書メモ】『マネー・ボール』(著:マイケル・ルイス / 訳:中山宥)
まさか移籍1年目から世界一とは、、期待はしていたものの予想までは出来ず、ただひたすらに凄いなぁ、というか、フィクションでもここまでの”物語”はなかなかに描けないでしょう、シーズン開幕前の事件も含めて。
にもかからず、なんのかんのと今シーズンは「打率.310、130打点、54本塁打、59盗塁」で本塁打と打点の二冠王を獲得、特に「54本塁打-59盗塁」との金字塔を打ち立てたのは周知のとおりで、これだけでも十二分にドラマになりそうです。
そしてポストシーズン、数字だけで見ると、特にヤンキース戦2試合目で左肩を亜脱臼してからは、大分苦労していたようですが、それでもその存在感は段違いだったと思います。
1番で大谷くんが出てくるというだけで、相手チームの緊張感が違ったようにみえましたし、大谷くんを(四球など含めて)凌いでも、ベッツさんやフリーマンさんがおる、これは精神を削られるだろうなぁ、、とただ観ているだけの自分でも感じられました。
実際に(右足を負傷していたはずの)フリーマンさんもポストシーズンMVPとなる活躍をされてましたし、、4試合連続HRとか、本当に漫画や映画みたいです。
ドジャースの、単純な戦力自体も凄いのでしょうけど、”いいチーム”でもあるのだろうなぁ、と、そしてまたロバーツ監督も凄い方のようで、大谷くん、いいチームと出会えてよかったなぁ、とも。
さすがに全試合を観戦できたわけでもなかったのですが、MLBのポストシーズンをこれだけ密に追いかけたのは久しぶりだったなぁ、なんて考えながら思い出したのが『マネー・ボール』との一冊。
もう10年以上も前に確か書店で、ブラッド・ピットさんの二重表紙にひかれて購入した覚えがあります。MLB・アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンを題材にした、改革の物語。
で、ブラッド・ピットさん主演で映画にもなっていて、こちらもいい出来で映画館にも行きましたが、その後にDVDも買ってしまったような覚えがあります(今だとサブスクで観れるのでしょうけど)。
キーワードは、MLBの解説などでお名前を聞く長谷川滋利さんも折々で言及されている「セイバーメトリクス」といったところ。それまでの慣習とは異なった観点での選手、そしてベースボール(野球)への評価方法。非常にシンプルな価値観で、分かりやすい。
ベースボールに"ロマン"を求めると指向性は真逆になるのでしょうか、それを因習と見るか伝統と見るかで、変わってくる気がしています。個人的にはどちらか一方に白黒で寄せるのではなく、その時々でのバランスが大事なのかなぁ、なんて素人ながらに考えていたのを覚えていますが、、
「本塁打を狙おうとしなかった。攻撃を繋げようとしていた。これはチームメイトを信頼し、チーム全員で攻撃しようとする意思表示」なんて評を見ると、今年のドジャースはそれを体現できているチームなのかも知れないなぁ、なんて思いながら。
さてそのドジャース、来年の開幕戦は日本で行うとのこと、相手はカブス。二刀流の復帰となるかどうかはこれからでしょうけど、イチローさんの言う「ピッチャーとして20勝するシーズンがあって、その翌年には50本打ってMVP獲ったら、これ化け物ですよね」が現実味を帯びてきています、、というか、山本さんの写真も載せてあげてよ、MLB公式さん。。