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【読書メモ】『バンクーバー朝日 - 日系人野球チームの奇跡』(著:テッド・Y・フルモト)

「全国高校野球選手権・開会式」(7日、甲子園球場)

出場全49校の選手が入場行進を実施。会の途中には水分補給を行う機会も設けられるなど、暑さ対策は取られていたものの、グラウンドを退場した後に選手の一人が熱中症のような症状を訴えて球場職員に車いすで運ばれる場面があった。

出典:「甲子園 開会式後に選手が熱中症訴え、車いすで運ばれる 朝でも蒸し暑さ残る聖地」
(「デイリー」2024年8月7日)

いや何というか、真面目に「取り返しのつかない事」が起きる前に根本的な対策をしようよ、、空調のあるドームでいいじゃない。何で甲子園に囚われてるのよ、アサヒ、NHKあたりの利権か、なんてうがった見方もしたくなります。

今ちょうど行われているパリ五輪でも「選手村の食事で生肉やミミズ(というかアニサキス?)提供」、「セーヌ川でレプトスピラ症」、「移動バスも終着駅不明」等々、いろいろと山積ですが、何はともあれ、選手の皆さんがベストパフォーマンスを発揮できるように運営側は全力を尽くしてほしいなぁ、、

なんて先日の『KANO:1931海の向こうの甲子園』や、その流れで連想した『バンクーバー朝日 - 日系人野球チームの奇跡』との一冊を思い出しながら。

『KANO:1931海の向こうの甲子園』は台湾を舞台とした日本が優越的な立場にあっての人種差別を超克していく物語でしたが、こちらの『バンクーバー朝日 - 日系人野球チームの奇跡』はカナダを舞台としての、日系人が人種差別を超克していく物語となります。

時代も被っており、先の大戦が影を落としたのも同じ。こちらも映画&コミカライズもされているようですね、コミックは自宅のどこかにあったような覚えも、、映画は未見だった気がします。

彦根市教委歴史民俗資料室は「野球チームを含め、彦根市民が戦前のカナダで活躍していたという輝かしい歴史は、今では地元でも忘れ去られている」と指摘する。忘却の彼方にあった史実を再び今に呼び戻す貴重な一枚といえそうだ。

出典:「地元でも忘れられていた「バンクーバーの朝日」主力メンバー絵はがきに」
(『産経新聞』2015年4月5日)

100年前にカナダに存在した日系人野球チーム、伝説として語り継がれてきたその存在は、2003年に甦りました。

伝説の始まりは1907年、日系人排斥の暴動から、その後1914年にチームが立ち上がり、1926年にはカナダ・リーグで優勝するまでになります。あくまでフェアプレーを突き通すそのチームカラーは、日系人のみならず、白人社会にも影響を与えたとも言われているとのこと。

著者はテッド・Y・フルモトさん、チーム初期を牽引したテディ古本さんの息子さん(日本在住)。文章は粗削りながらも非常に読み応えがあり、息をのむようなプレーの描写はグッと迫ってきました。

そんなチームも先の大戦が進んだ影響でばらばらになります、カナダ政府による日系人の強制収容所送りによって。この行為に対しカナダ政府が正式に謝罪したのは1988年、そしてカナダ野球界で「バンクーバー朝日」が殿堂入りしたのが2003年、とのこと。

シム市長らが読み上げた宣言書には、日系人への差別にも関わらず戦前の朝日軍が優勝するなど活躍したこと、1941年の真珠湾攻撃を機にカナダ政府による日系人への強制移動が行われたこと、朝日軍が2003年にカナダ野球の殿堂入りをしたことなどが記載され、また上西ケイさんについても1939年に内野手として朝日軍に加入、足が速く、堅実な守備で定評だったと紹介している。

出典:「バンクーバー市、1月11日をVancouver Asahi Dayに設定」
(「日加トウディ」2024年1月17日)

こういった物語こそ、語り継がれていってほしいと思いますしまた、この他にも、まだまだ知られざる物語はあるのだろうなぁ、なんて考えながら。

そうそう、映画の監督さんは『舟を編む』と同じ石井裕也監督なんですね、また出演も妻夫木聡さんに亀梨和也さん、上地雄輔さん、貫地谷しほりさんなど、こちらも豪華キャストですね、、WOWOWでやらないかな。。


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