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吐露

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2016年1月の記事一覧

明日この左手を失い
明後日この視力を失い
明々後日この声帯を奪われるより

いずれ思考回路を失う事の方が
恐ろしい

あんた誰
ご飯まだ
あ、どうもお久しぶりです
ご飯まだ
あんた誰

なぜ一度に全てを奪わない
どうして少しずつ壊れていくの
なぜこんな事に
どうして私が分からないの

あんた誰?
ご飯まだ?

生きていたいの?
それでも生きていたいのね

生への
執着が

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寄り添う

あたしの憧れ
シンガーソングライター
あなたに抱かれるアコースティックギター
あたしの胸にはあなたの悲鳴

ロックあなたの汗にも魂
ロックあなたの純白な心
ロックあなたに母性本能
ロックあなたは夢の真実
ロックあなたは溢れる
ロックあなたの愛に優しさ
ロックあたしも雨のなか
ロックあなたと打たれっぱなし
ロックあなたは傷だらけ
ロックあなたは正しく対処
ロックあなたに嘘なし
ロックあなたを信じ

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経過

私にも少しずつ増えているフォロワーさんですが
私がフォローさせて頂いた方々の中で気軽に対応して下さった方々です。
なかには突然フォローして去って行く方もいて当初は戸惑いましたが
やり方は人それぞれなのでありがたく思っています。

ごくごくわずかな方々とのコメントのやり取りで
相手の人柄を垣間見る事が出来る事。
まだ見慣れないアイコンを私の作品のスキ欄に見かける日。
それは私を驚かせ小さな幸せを

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愚か者は私

初めてロバを見た子供の頃を思い出す
鳥が餌をついばむ程に頭を垂れていて
視線は動く事なく一点を見つめている
顔を見せてくれないので地に手をついて覗き込む
長く密集したまつ毛に守られた瞳は真っ黒で大きく
美しく潤んでいた

ねぇどうしたのお馬さん。なぜうつむいてばかりいるの?なぜ泣いているの?
大人が教えてくれた
お嬢ちゃん、そいつは馬じゃないんだよ。
人間の荷物を運ぶロバっていう動物でね、

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隣家の朝

いつも通りに迎えられた朝
子供と簡単な朝食を済ませ慌ただしく身支度を終えて向かう玄関先
「今日のママはどう?可愛い?」子供は目線を上げて応える
「うん!ママはね、〇〇ちゃんのママより〇〇君のママより
うーんとかわいい。だからね、一番かわいいのはママ!」
「へへっありがとう!じゃあ出発!」玄関の扉を開け外へ出て鍵をかける
歩きだした途端子供が何かに怯えるように私の足にしがみ付く
「ママ今日はダメ。今

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生年月日

適当なこじつけ
誕生日があなたと近いからきっと仲良くなれるわよ
そう紹介される友達の友達
しぶしぶ

性別問わず気が合ったためしがない
「普通に合わない」より過剰に合わない不快な気持ち
誕生日が近いから合うはずよ、この強迫に危機感
合うはず合うはずと必死だが
やっぱりいちいち癪にさわる

どうでもいい押し付け
この映画絶対泣けるからおすすめ
しぶしぶ

結局泣けないわ楽しくないわ
本当

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脱力

私の場合である
青年期
原因ある寂しさは音楽が助けてくれた
ミュージシャンが奏でる音と詩さえあれば
思うままに涙を流す事も出来た
原因ある怒りも死にたくなる気持ちも
ボリュームをあげて陶酔し踊り狂う事が出来た

私の場合である
中年期
原因ある虚しさは音楽だけでは救われず
思うように泣く事も難しくなり
原因ある怒りはあれどボリュームを上げる事もしない
何一つ夢中になれない時期を迎え途方に暮れる

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擦れ違い

もう閉店してしまったが駅前通りを二本ずれた脇道にあった本当に小さな花屋
新鮮な花に溢れているというよりは仕入れで余った花をかき集めてきたような
種類も本数も少ない花が
まばらに置かれた縦長の銀バケツの水に浸かっていて
僕は外観も内装もどこか古びた印象を醸し出すその店が好きだった

花を飾る趣味も贈る相手もいない僕が通った花屋
店内に流れる音はなくディスプレイのように置かれた白く丸い鳥籠の中に

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真っ白

絵本に描いてあるような真っ白でまん丸な雪
そんな雑念が僕の心に はらはらと舞い降りる
小さなまん丸が ふわりふわりと舞い散る光景

ただ降り止まないものだから
少しずつ僕の心は小さな雑念に埋もれてゆく
ただ降り続けるものだから
すっかり僕の小さな心は雑念に埋もれてしまった

真っ白な雑念でいっぱいになった僕の心

僕の心ごと言葉ごと見失った
どうしよう
僕の心を感じることが出来ない

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報告

私にとってnoteは初めてのSNSです。
パソコンにも疎く、実生活での人付き合いは悪く苦手で逃げまくる方です。
それはパソコン上でも大差なく表れるものだと知りました。
褒めて頂くコメントにも最初は緊張と戸惑いしかなく
せっかく頂いた言葉を噛み締める事すら出来なかった。
最近やっと心が反応するようになり「うれしい」と素直に感じられます。

これまで自分がフォローした方々の作品は、くまなく読ませて

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電話

静寂を破る電話のベル

話すことは好き
だけど
今やっと一人になれてホッと一息

ずっと一人で過ごす安らかな時間

突然ビクッと驚かされるあの唐突さ

僕はしばらく電話を見つめる
相手は誰だ
今の僕に話しを聞く余裕があるのか
話せる心境か

いつも選択肢は決まっている
聞かなかった事にする

電話のベルが鳴る

「元気?どうしてる?」
元気がないのは決まって君で
どうし

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女の子

女の子
幼い頃憧れる夢の一つにお姫様
お姫様は不思議な色の大きな瞳に長い髪
稀に見る美しさに映えるロングドレス
優しさやら強さやら能力やら

偶像のお姫様
民に自然に王に王子にとにかく愛される
必ず嫉妬され
必ず助けられるハッピーエンド

お姫様にお姫様の友達はいない。
シワシワでカサカサのお姫様もいない。

ぺージを開けば桃色の頬、微笑むような小さな唇
一番美しい瞬間を切り取って眠る

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ヘビーベイビー

ヘビー級な人生経験
人災で死んだ感覚天才で復活

まてよ自己死亡推定年齢超過
信じ難い現実超越ざまあみろ

減り続けるなんとかホルモン
止まらないもん仕方ないもん

愛とはなんだ生徒は言った
性とは一体一過性水溶性

消えない欲見えない欲
浴室良くして宇宙遊中
天体手に取り放り投げて輪
ゴミに披露芸達者なピエロがひとり
豪快愉快な真っ暗闇未来誘拐で爽快
石コロ後頭部直撃ピエロイチコ

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