鎌倉殿の13人第30回感想/トキューサ誕生と悪禅師の最期、そして小四郎は……
トキューサとは
北条トキューサ。
鎌倉美男子蹴鞠部の一員。
そして小四郎(北条義時、演:小栗旬)の弟だ。
トキューサは本名ではない。
登録名だ。
サッカー選手のピカチューみたいなやつだ。
本名は北条時房(演:瀬戸康史)。
読みは「ときふさ」だが、父・時政(坂東弥十郎)も母・りく(演:宮沢りえ)も新しい名を教えた時から「トキューサ」と呼んだ。
「ときふさ」は呼び辛いのかもしれない。
確かに何度も早口で「ときふさ」言ってみると11回目ぐらいから「トキューサ」になるしね。
トキューサの元の名は北条時連。
改名をすすめたのは蹴鞠の師匠・平知康(演:矢柴俊博)だ。
『「連」の字は銭を束ねる様を思い浮べてしまって品が悪い』
というのが理由なんだって。
時連の穢れなきまっすぐな球筋に惚れこんでいた平知康だ。
京で活躍するならもっと品の良い名前に変えておいた方が映える
そんなことを思っていたのではないか知らんけど。
『わしも気に入ってなかったんだ「時連」って。
「つら」ってなんだよ。
「トキューサ」いいと思うよ?』(時政談)
『いいと思うよ』じゃないんだよww
北条時政はいろんなことをちゃんと反省してほしい。
悪禅師・全成の最期
全成(演:新納慎也)は八田知家(演:市原隼人)に討ち取られた。
義理の父・時政に続いて比企能員(演:佐藤二朗)にも鎌倉殿・頼家(演:金子大地)への呪詛を頼まれた全成。
鎌倉殿は実衣(演:宮澤エマ)を疑っている、このままでは危うい、という比企能員の言葉を信じて、またしてもやってしまったからだ。
まぁ実衣のためなら仕方なしか……。
そういえば今回のタイトルは「全成の確率」。
全成の占いの確率が5割であることは、第22回「義時の生きる道」で全成自身が明らかにしていた。
でも今回は占いではなくて呪詛。
果たして全成の呪詛の確率は?
そこで過去にも遡って考えてみると……
藤原秀衡 → 全成の呪詛が原因で死んだ?
源頼家 → 時政とりくさまの依頼で呪詛をした結果、病に?
源頼家 → 比企能員の依頼で再び呪詛をしたら今度は危篤?
あれ?
効果出るまでちょっと時間がかかるみたいだけど
全成の呪詛って
実は百発百中なのでは!?
なので最期討ち取られる時
急に天候悪くなって雷雨やら暴風やら激しくなったのも
やっぱり悪禅師・全成の術なのかもね。
でも一貫して似非坊主みたいな印象の全成だったけど、三谷さんが最高の幕引きを描いてくれました。
悲しいんだけどジーンと熱いものがこみあげてくる、いい最終回だった。
『あなたには赤がよく似合う』
これは実衣と会ったばかりの頃に全成が言った言葉。
最後に自らの赤い血を見て
妻・実衣の姿が真っ先に思い浮かんだんだろうね。
全成、安からに眠ってくだされ。
ちなみに『鎌倉殿の13人』では登場しなかったが、最初に全成を謀反の疑いで捕らえたのは武田信光。
頼家の命によって捕縛したことが『吾妻鏡』に書かれている。
その武田信光は甲斐源氏・武田信義(演:八嶋智人)の五男で武田氏二代目の当主。
つまり戦国時代を代表する大名、武田信玄の祖先にあたる。
この武田信光の娘が、佐原義連の妻で。
冒頭のトキューサの最初の名前、「時連」の「連」は三浦がつけたって時政がいってたけど、ここにも「連」の字をのついた名前が。
なぜなら佐原義連は前回の記事にも書いたけど三浦義澄(演:佐藤B作)の弟で、佐原義連の子・盛連は三浦義村(演:山本耕史)の娘・初(演:福地桃子)を妻にしている。
つまり、三浦の人間。
だから「連」の字が?
冒頭の時政の「連」の件が、まさかここに繋がるとはねw
そして初は北条泰時(演:坂口健太郎)の最初の妻だったか何故だか離別してしまっている、という話も前回記事で書いた話。
この辺ちゃんと系図を書かないと、文章だけどじゃわけがわからなくなるw
(※実際前回記事で間違えてた所があったので書き直しておきました)
八田知家、もしやもう出番なくない!?
僕の知る限りでは八田知家にもう出番はないw
八田知家=全成殺した人、で自分の中では歴史が終わってる人なので。
といってもまだ15年ぐらいは生きるみたい。
なので三谷さんがうまいこと使うんだろうな、とは思っている。
比企能員に比企派に引き込まれはしたものの、派閥とか関係なく自分の道を突き進んでる八田知家の今後の動向は要チェックだ。
そして八田知家といえば、小田氏のご先祖様。
というのを『鎌倉殿の13人』が始まってから知った。
小田氏といえば戦国時代の常陸の大名。
あまり強くはない。
強くないどころか戦が弱すぎることで有名な当主がいた。
それが第15代当主・小田氏治だ。
ただ何度城を奪われても復活して返り咲くので、界隈では”不死鳥”に喩えられたりして、何気に人気もある(たぶん)。
でも小田城は平城で要害も周りに無くて守りにくいし、ゲームだと後北条氏が強すぎて難易度高めなんだよねw
というわけで前回は奥州の戦国大名・蘆名盛氏と繋がる家系の話だったけど、今回は常陸の戦国大名・小田氏治と繋がる家系の話でした
というだけの話。
でもこういうの知るとテンション爆上がりになるのが戦国、歴史オタク?
北条vs比企は佳境を迎える
今回全成が殺されたことで、北条と比企の対立は最高潮に。
もはや一触即発な状況。
そして哀しみの連鎖が続いてくことにもなるわけで。
今北条側にいる人たちもそのうち死んじゃう人もいるんだよなー
なんて思ったりすると、ちょっと複雑な気分にもなるよね。
頼りになる仁田殿(演:高岸宏行)も
イイ男の畠山重忠(演:中川大志)も
そして存在感薄い稲毛重成(演:村上誠基)も。
政子(演:小池栄子)じゃないけど
いつまでこんなこと続けるつもりなんだ、鎌倉の御家人たちは。
小四郎が鬼になるしかないのかな、やっぱり。(了)