鎌倉殿の13人第35回感想/北条政範の死因と畠山重忠討伐
女子の本心は読めない小四郎
小四郎(北条義時、演:小栗旬)は
のえ(演:菊地凛子)に惚れてるらしい。
『きのこ大好き!』な発言で、すっかり騙されてしまったようだ。
早く目を覚ましてほしい。
一刻も早く!!
のえの本性を知っている泰時(演:坂口健太郎)がのえの裏の顔を話しても、信用するかどうか怪しい。
ここはやはり、三浦義村(演:山本耕史)の出番だな!
と思ったら、さっそくのえの嘘つきっぷりを見抜いてくれました。
これがきっかけで、のえに対する見方が変わるのかといえば……
後々子どもが生まれることを考えると、変わらないのだろうw
平賀朝雅(演:山中崇)の嘘や思惑はあっさり見抜けるのに
女子のことにはからっきしダメな小四郎なのでした……。
りくさまが畠山よりも平賀を信じる真意
政範(演:中川翼)を殺したのは畠山重保(演:杉田雷麟)だ
という平賀朝雅の嘘を信じるりくさま(演:宮沢りえ)。
畠山重忠(演:中川大志)を完全に敵視している。
はたしてりくさまは、平賀朝雅にまんまと騙されてしまったのか?
あの利発なりくさまが?
政範が突然亡くなったショックで、正常な判断ができなくなっている可能性もなくはない。
でもりくさまは、一つ理解してしまったようだ。
息子の不可解な急死によって、時政(演:坂東彌十郎)と自分自身が置かれている状況を。
おそらく、りくさまは政範が殺した真の犯人は誰でもいいんじゃないか。
もしかすると、平賀朝雅が真犯人であることは気づいているのかも……。
利発な人だから、平賀朝雅ていど(失礼w)の嘘は簡単に見抜きそう。
だが、その嘘に乗っかった理由は畠山氏の排除だろう。
北条以外の御家人を潰していくことで、自分たちの地位を盤石にする。
それが、今りくさまが考える最大の目標に違いない。
だってそうしなければ、次に命を狙われるのは自分かもしれないからだ。
政範の死は悲しいけど、無駄にはしない。
夫のため、自分の未来のためにむしろうまく利用してやろう
てことなんだろうな~相変わらず賢い。
史実での北条政範の死因
北条政範、史実上では実際どうやって死んだのか。
と書く以上、『鎌倉殿の13人』と史実は違うってことを意味するのだけど。
でも実は、彼の死に関してはあまりよくわかっていない。
京で急死したのは事実だけど、病死したという情報しか残っていない。
どんな病気だったかもわからないので、本当に詳細は不明。
だが、三谷さんはそこにある意味、隙を見つけたのかなと。
脚本の入り込む隙を。
後々起こる畠山重忠の乱の発端は、平賀朝雅と畠山重忠の嫡男・畠山重保の酒宴でのいざこざ。
この件で、娘婿を辱められたと憤慨したりくさまが畠山討伐を時政に願った、というのが一般的に伝わってる話。
いやいや、畠山重忠だって娘婿じゃないかって思うんだけど
まぁりくさまも言ってたように
りくさまと血のつながった娘の婿じゃないからね……。
という話はさておき、三谷さんはこの話と政範の死をうまいこと繋げた。
政範は11月3日に京へ着いてその二日後、つまり11月5日急死している。
そして平賀朝雅と畠山重保がもめ事をおこした酒宴は11月4日に開かれた。
日付的にはちょうどいい感じで辻褄が合う。
それに主催したのは平賀朝雅で、場所も平賀朝雅邸。
3代目の鎌倉殿・源実朝(演:柿澤勇人)の妻となる坊門信清の娘・千世(演:加藤小夏)を鎌倉に迎え入れるため上洛した御家人たちを歓迎する酒宴だったので、当然そこには政範もいたはずだ。
要するに、平賀朝雅の思惑どおりに事がうごいていた
というストーリーも組みやすい状況だったわけだ。
ちなみに実は時政も、政範らと一緒に上洛していたらしいことが『仲資王記』には書かれているらしい。
『鎌倉殿の13人』では時政はいってないことになってるけど(『吾妻鏡』をベースにしてるから?)、おそらく時政も酒宴には参加していたんじゃないのかな。
ということは、時政と政範の二人を毒殺しちゃえば
平賀朝雅がすぐ執権になれた可能性も……(怖
小四郎は畠山討伐を止められるのか
結論からいってしまえば、止められませんね!
小四郎はなんだかんだいって、次郎(畠山重忠)と戦っちゃうんだから!
まぁそれはみんなご存知のことなのでしょうがw
昔はさ、一緒に汗水たらして同じ方向へ向かっていた仲間たちなのに
「鎌倉を守るため」という大義名分のために殺されていっちゃうの
見ていて悲しいよね。
「鎌倉を」じゃなくて「北条を」のほうに傾いてる辺りもなんだかね。
どーしてみんな仲良く力を合わせてやってけないん!?
とツッコミたくなるけど、当時の御家人たちの置かれている状況や立場は
そんなあまっちょろい考えでは生きていかれないのだ(たぶん)。
友情とか親子の絆とが、返って邪魔になることもある(たぶん)。
とはいえ、畠山殿が討伐されちゃうのは悲しすぎるよ!
そのあと控えている和田殿もだけども!
どうにもならないことわ分かっていても
『小四郎なんとかしてくれよ~~~~!!』
という気持ちでいっぱいになった第35回でした。(了)