鎌倉殿の13人第23回感想/実は万寿12歳、金剛11歳の巻狩
空気を読めない金剛君
金剛君(演:坂口健太郎)は大きくなっても癒しの存在。
鶴丸(演:きづき)も一緒に大きくなって(当たり前だけどw)
金剛君と仲良さげなのもいい。
ホッコリする。
鎌倉はこれからまたしばらく暗雲漂う期間が続くと思うので
そういう意味でも貴重な存在になることでしょう。
というかそろそろ君づけはやめてあげた方がいいかな。
まだ11歳ぐらいだから元服するまではいいかw
ちなみに金剛君が初めて鹿を仕留めたのって
実は今回の巻狩ではない。
富士の裾野で大規模な巻狩が行われたのが建久3年(1193年)5月。
この4カ月後の9月に伊豆のどこかで行われた巻狩で
金剛君は小鹿を一頭仕留めている。
この時も万寿(演:金子大地)が仕留めた時と同様に
矢口祝いがおこなわれたそう。
万寿は本当に弓が下手だったのか?
万寿がなかなか鹿を仕留められなくて
周りがあーだこーだとうるさく騒ぎ散らかし
挙句の果てには「動かない鹿」で万寿が仕留めたように見せかける。
いわゆる「ヤラセ」というやつだ。
そういう事するのは逆に万寿を傷つけるでしょ?
と思いながら見ていたけど
万寿はそれで落ち込んだり塞ぎ込むようなタイプじゃなかった。
金剛君に『いつか必ず弓の名手になる!』と宣言する辺りは
次期鎌倉殿としての自覚があるからこそなんだろうけど
元々負けず嫌いなところもあるのかもしれない。
ぶっちゃけ万寿は源頼朝(演:大泉洋)と比べたら全然実直そうだし
曽我兄弟の敵討ち事件でも、判断力の早さと統率力が際立っていた。
鹿を仕留められなくたってそれで十分じゃないか!
ただ頼朝のようなズルさは持ち合わせてなさそうだから
そこが二代目となってから苦労するところなのかもしれないね。
ちなみに……
万寿が弓術にあまり長けてなかったという話はなくて
富士の裾野の巻狩でも「ヤラセ」があったとは書かれていない。
むしろ『愚管抄』では万寿の弓術の腕前を褒めちぎってるぐらい。
また万寿の弓の先生は頼朝側近で弓の名手の1人、下河辺行平。
彼の教えもあったおかげで
万寿は9歳にして周りが褒め称えるほどの腕前だったとも伝わる。
三谷さんがこの辺をどうして素直に描かなかったのかは
本人に聞きたいところではあるのだけど
おそらく万寿に付き添っていた相模の御家人・愛好季隆の存在が
今回のような展開を思いついた原因かも、なんて思ったりもした。
愛甲季隆も弓の名手で富士の裾野の巻狩では
万寿が鹿を仕留めやすいように、鹿を追い込む役割を担っていた。
万寿が見事鹿を射止めた際には、愛甲季隆も頼朝から賞賛されたらしい。
しかし『鎌倉殿』には前述の下河辺行平も愛甲季隆も登場しない。
だから万寿があっさり鹿を射落としてしまうのは
三谷さんが面白くないと思って、ああいう展開にしたのでは。
もちろん今回の出来事が後々の事にも少なからず影響するんだろうけどね。
曽我兄弟の敵討ち
曽我兄弟の敵討ち事件は面白く描かれていたと思う。
頼朝死亡の誤報をうまく話しの中に組み込んでいて
三谷さん流石だなぁと思ってしまった。
小四郎(北条義時、演:小栗旬)の
『謀反に見せかけた敵討ち』発言には
ちょっと笑っちゃったけどw
元々曽我兄弟の敵討ち話はいろいろ疑問に思うところがあって。
例えば、曽我五郎(演:田中俊介)の烏帽子親といえば
北条時政(演:坂東彌十郎)なんだけど
彼は事件後、特に何のお咎めも受けていない。
それに頼朝自身も命を狙われたのに
事件後、頼朝は兄弟の敵討ちを褒めちぎったり
彼らが母に宛てた手紙を読んで感動の涙を流しちゃったりしている。
この辺がどうも気持ちが悪く感じていたんだけど
『鎌倉殿』では三谷さんがうまく筋道を立ててくれて
納得してしまった。
小四郎が汚れていく様もきちんと話の中に織り込んで
この辺りも流石だった。
将来小説とかを書く……かはわからないけど参考にしたいw
比奈に小四郎を救えるか?
最近の小四郎は自分を責めすぎな所がある気がしてならない。
自分の汚れ加減を卑下しまくりで
このままだと精神的に大丈夫だろうか?
と心配になってしまう。
八重(演:新垣結衣)が不慮の事故で亡くなった事が
一番大きく影響しているんだけど
本来伝わっているダークな義時像に近づいていくにしても
このままいったら闇落ちしそうで怖いな、みたいな思いもあったりする。
比奈(演:堀田真由)に小四郎を救えるのか?
『分からぬ、だが、共に生きることはできる(アシタカw)』(了)