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「愛のタスク」本当の愛とは【音声と文章】

山田ゆり
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アドラー心理学では「愛のタスク」について、このように言っている。




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人は「この人と一緒にいると、とても自由に振る舞える」と思えた時、愛を実感できる。
劣等感を抱くでもなく、優越性を誇示する必要にも駆られず、平穏な、きわめて自然な状態でいられる。本当の愛とは、そういうこと。
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愛しい娘たちから、「お母さんはどうしてお父さんと結婚したの?」と聞かれることがある。丁度良い理由が思いつかず、「気の迷いだ」と答えている。



独身時代の私は、結婚相手に対して理想が高かった。
男性社員は2~3年毎に異動があり、都会から異動してくる若い男性をたくさん見てきた。
彼らは今風の都会的な格好をしていて、話す内容も洒落ていた。
だからいつしか私の理想は高くなっていった。



夫を紹介された日(つまり、初めて会った日)に、夫は裸足でつっかけを履いてきて、お世辞にもセンスがいいとはいえない、安物の服を着ていた。
私は高級ブティックから購入したお気に入りのブラウススーツで身をまとっていた。
まるで戦場に向かう鎧を着た戦士のように。

だから、裸足でやってきた夫は、私には結婚相手としては論外の人だった。
そう思ったから、お食事の後のドライブでは、夫に対して私は必要以上に気を使わず、
ある意味、明け透けで思っていることをストレートに話した。

いつもの私だったら自分の気持ちを押し殺して、相手に合わせる人だが、「この人は結婚相手にはならないから気を使わない」そう私は思った。


夫は学校の成績は多分良くなかったと思う。地元でも下のランクの高校を卒業していた。
それに対して私は、地元でも有名な進学校の女子高を卒業していた。
そう考える私は可愛げのない女だった。


私は当時、あることでとても悩んでいた。
それを運転中の夫に話をした。夫はじっと私の話を聞いてくれた。
途中で話を折ったり茶化したりはしない。


そして私の話が一通り終わると少しの間、沈黙があった。
私はそのわずかな沈黙の間、「話さなければ良かった」と後悔を募らせた。


しかし、夫がゆっくり話し出す。
夫は三流の高卒だが、歴史や心理学などたくさんの本を読んでいて、博学だった。
孔子がこんなことを言っている。孟子はこう言っているなど、私が知らない世界の話をしてくれた。


私の悩みをそのまま肯定してくれ、そして私の存在を全肯定してくれた。
夫の長い話が終わり、今度は私が反論する。
すると夫はまたじっと話を聞いてくれる。
私の話がひと段落したらまた夫がたくさん話を返してくれた。
ドライブ中はずっとその繰り返しだった。



あの頃、私はとても悩んでいたことがあり、それを誰にも相談できず一人で抱え込んでいた。
だから、自分の話を聞いてくれる人がいなかったのだ。
私たちはドライブの間中、ずっと話をしていた。


その頃の私の理想の結婚相手は、高学歴だったり、素敵な服装や洒落た会話などを求めていたが、それらは間違いだと分かった。


その後私たちは会うたびに何時間もいろいろなことについて語り合った。
世界一会話の多いカップルが誕生した。



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劣等感を抱くでもなく、優越性を誇示する必要にも駆られず、平穏な、きわめて自然な状態でいられる。
本当の愛とは、そういうこと。
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私たちは大恋愛の末に結ばれた。
夫は私の精神的な世界を広げてくれた人だった。

夫と出会って私は本当の愛を知った。







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