【読書】今更「シュレディンガーの猫」を理解した(ような気がする)【科学にすがるな!】
「シュレディンガーの猫って、知ってる?」
なんでか知らないが日本でめちゃくちゃ擦られているシュレディンガーの猫。
擦られてるわりに「シュレーディンガー」と「シュレディンガー」で表記揺れするし、英語動画を見ると「シュロディンガー」としか聞こえないのが最高にモヤモヤする。
もちろん自分も最初に書いた「シュレディンガーの猫って、知ってる?」というセリフをアニメやらラノベで何度見たかわからない。
そして何度か詳細について検索したこともあった。
ふわっと理解した気分になって深掘りを止めたのは言うまでもない。
そんなある日、ポッドキャストの「いんよう!」を聞いていたら、「科学にすがるな!」という題名の本を勧めている回があった。
自分は大半の場合は誰かが勧めていた本を読む人間なので、さっそく中古で取り寄せて読んでみた。(新品が高すぎる)
この本は、死について考えるようになった著者(艸場よしみ)が「宇宙物理学者は死についてどう考えているのだろうか?」と考え、対話を求めて宇宙物理学者に手紙を出したところから始まる。
なんだか凄い行動力だなと感心するが、宇宙物理学者がその手紙を見て、実際に何度も対話をしてくれるというのがまた凄い。
ちなみに著者が対話を求めて手紙を出した宇宙物理学者は、佐藤文隆氏。
京大名誉教授で、天皇から勲章をいくつももらっている人である。
(よく対話に応じてくれたな…)
本の内容はというと、正直ちょっと難しい。
自分のレベルでは一回読んだだけじゃ無理かもしれない。
それはともかく、この本の中にシュレーディンガーの猫の話が出てきたのだ。
ちなみに自分の理解は「猫が重ね合わせになっている」というものである。
これで理解したつもりなんだから恐ろしい。
「だからそれがなんなの?」と問われたら何も答えられないレベルなのに。
さて、シュレディンガーの猫がどんなものかを超今更解説すると、
・猫を箱の中に入れる
・1時間に50%の確率で崩壊する元素を入れる
・元素崩壊を感知すると猫を殺す機械を入れる
1時間後に箱の中の猫は果たして生きているのか?それとも死んでいるのか?
それは箱を開けて観測しないとわかりません。
……こんな感じの思考実験である。
凡人の自分からすると、「開けてなかろうが中はどっちかの状態でしょ」と思ってしまうわけだが、この思考実験では「猫は死んでもいるし生きてもいる」という重ね合わせの状態になるのだ。
んなアホなという話である。
実はこの思考実験も、量子力学のおかしさ(理論の不十分さ)を伝えるためのものだった。
シュレディンガーが伝えたかったのは、「量子力学では当たり前のように確率で語っているけど、それを認めちゃうとミクロの事象がマクロに影響するよね?」ということらしい。
「ミクロの世界はなんだか不思議なものらしいから、重ね合わせとかもしょうがないよね!」と自分たちは納得してスルーしてしまっているが、そんなふうにミクロの事象を認めてしまうと、シュレディンガーの猫の思考実験ではマクロの猫が重ね合わせになってしまう。
人間の常識では理解し難いが、そんなことが起きてしまうのだ。
だからこそアインシュタインは量子力学を否定したし、シュレディンガーもこの思考実験で「今の量子力学はなんかおかしいんじゃないか?」というスタンスをとった。
もちろん、シュレディンガーの猫はあくまでも比喩であって、実際に現実でこの実験をしても障害になる要因が多すぎて意味はないらしい。
しかし常識で考えにくいことを伝えるものとしてはやはり優秀な比喩だと思う。
だからここまで広まったのもあるのかもしれない。
そんなわけで、自分はこの本の記述を読んでやっと「シュレディンガーの猫」という思考実験の意義が理解できた。
ミクロのおかしさはマクロにも繋がってしまうということを言いたかったのだ。
なるほどなあ。
そしてこんな常識では考えにくい量子力学はどうやら正しいらしく、佐藤文隆氏は対話の中で「理論ではなく人間の欠陥」「人間は自然を素直に見るようにできていない」と言っている。
人間はマクロの世界に慣れすぎていて、ミクロの世界の不思議さに思考が対応出来ていないのだ。
はー……
なるほど……? (わかってない)
ちなみにシュレディンガーの猫の解説動画は今やYouTubeにいっぱいある。
そして、猫の生死の観測は一体どこで決まるのかという思考実験もあるらしい。
もう自分の知能レベルでは頭がおかしくなりそうである。
更には量子デコヒーレンスだの、多世界解釈だのにも繋がって……
……うん。
餅は餅屋だ。
学者の皆さん、頑張ってください……!!
わからないものを読むのも、たまには良いもんだよね。