【読書】呪物本を読んで得た学びと、SCPとAI生成【ホラー】
ふと思う。
夏といえばホラーなんて文化があったなと。
そんなわけでホラー本を探していたら、呪物を集めた本があった。
この本は呪物の写真とともに、その呪物の持つエピソードが書いてある。
なかなかに凄い見た目の物もあり、普通に怖い。
もちろん中には嘘くさく思えてしまう呪物エピソードもあったりするのだが、呪物によってはその土地の文化・習俗を伝えるための要素をもっていたりと、非常に興味深くて面白い本である。
たとえば人間の大腿骨で出来た笛『カンリン』は、骨は骨でも罪人の骨を使用して作る楽器(仏具)だ。
罪人の骨を使う理由としては、「人間は善悪を併せ持つ存在だが、罪人は生涯で悪いことしかしていないので、その骨には善のみが残っている」という考えによる。
なので罪人の骨で出来たこの笛は、善を撒き散らす効果がある。
なかなか面白い発想だ。
また、『ソンゲ族の角呪物』という大きな角に人間の顔の装飾が付いた物体は、雷除けの効果があるらしい。
雷が人間に当たる確率がどれだけ低いかは有名な話だが、あれはあくまでも日本の話。
世界を見渡せば、地域によって雷が発生する件数には大きく差がある。
この『ソンゲ族の角呪物』はコンゴのものだが、下の画像を見ればコンゴは世界トップレベルの雷多発地帯なのがわかる。
平地では雷が落ちるような背の高いものも少ないだろうし、雷の危険性は日本とは比べ物にならない。
つまりコンゴの一部においては、角を使ったデカいお守りを作ろうと思ってしまうくらいに雷が身近な脅威ということなのだ。
なんだかオカルト本もいざ手に取ってみたら、なかなか学びがあるな……!
とはいえ、こういうのはあくまでも一部であり、「どう考えても作り話だなぁ」と思ってしまうようなものが多いのも正直なところ。
そしてこれを読んでいると、なんだか思い浮かんだものがある。
……それは『SCP』だ。
SCPは創作SFの集合体みたいなものなのだが、基本的に「画像+エピソード」で話が作られる。
この呪物本のエピソードが創作に見える自分にとっては、なんだかこれがSCPと同じ部類のものに感じてしまう。
たとえばこの呪物本の中で『砂糖壺』というものが紹介されているのだが、そのエピソードはこんな感じ。↓
どうだろう。
すごくSCPの話っぽくないだろうか?
見た目は普通の「砂糖壺の画像」にこんなエピソードがくっついているのだ。
やっぱりこれはSCPでは……?
……そういえば、今の人類はこういうものを無限に作れそうな気がする。
そう、ChatGPTと画像生成AIを組み合わせればいいのだ。
ちょっと試してみよう。
見事に全部日本語のテキトーすぎる質問だが、果たしてChatGPTは答えを出してくれるのだろうか?
ChatGPTの回答は……
AIは難なく「呪物の画像」の解説と「ストーリー」を提示してきた。
それじゃこの「呪物の画像についての文章」をStable Diffusionのプロンプトにして……
画像生成!!
本気で見せられない画像を作るな。
(夜中にこんなもん見たらトイレに行けなくなるだろうが!!)
……しかし画像生成AI、やはり優秀である。
こんな凄まじいホラー画像を数分で生成してくるとは。
ちなみに、ストーリーはこんな物を提示していた。
うーん、まあこういうのは会話形式でブラッシュアップしていけば良い感じに仕上がることだろう。
ネックだったリアルな画像に関してはかなり良い感じの出来なので、AI生成で呪物本が出せそうなことは実証されてしまったかもしれない。
これはそのうちオカルト界隈もAIによるコンテンツ供給がなされるのかもしれないな。
ただでさえSNSに作り話が蔓延る昨今。
本当の話は貴重な存在になっていくのかもしれない。
すぐに話を信じがちで冗談が通じないと言われることがある自分としては、気をつけていかなければならないな……。
そんな呪物本での学びなのだった。