[SIer]崩壊している部門
私は、自分がやっている仕事が嫌になってきていたので、上長に部門異動を希望して(どこの部門でもいいので異動したかった)半年ほど他の部門に所属したことがあります。
その時は、社内ニートを満喫していた時からそれなりの年が経過しており、一部の人からは相変わらず嫌われていましたが、色々な事業部から嫌われていた状況も解決し、私の会社でのランクもかなりあがっていました。
異動先の部門は大きな意味での事業としては以前所属していた部門と同じような事業ですが、仕事の領域やシステムの扱っている領域としては、私としては新しい分野になり、またプロジェクトの進め方やお金の考え方など、今まで所属していた部門とは異なっていました。
まぁ、今まで所属していた部門が特殊で、異動先の部門のプロジェクトの進め方(進捗管理や進捗報告)やお金の考え方の方が会社標準です。
その部門の状態は、外から見たら普通に見え、売り上げや利益など目標通りに進捗しており良さそうに見えますが、中に入ってみると(所属すると)完全に崩壊している部門でした。
まず、人間関係が最悪です。各部員と個別に話をしたりましたが、部員のほとんどが部長を嫌っているような状態です。また、部門の仕事が多く他部門などから仕事の依頼が来ても断っているような状態でした。さらには、部員のメンバーも独特(性格が個性的)な人が多く、技術のスキルがかなり偏っています。それぞれ特定の分野に偏ったスキルを持っています。メンバーの能力的にはできる子はできますが、できない子はできない。またさらには部門に人が少ないです。若手の育成もうまくいっているような感じではありません。
部長(既婚者です)は部長で、かわいい女の子(既婚者です)の一人を特別扱いしていました。何か仕事をする時も、その子に対しては特別対応です。マンツーマンで教えてあげます。もちろん席は隣にしています。私と部長が会議室で個々で話をしたり、部員の評価をどうするのかなどの話をした時とかも、部長はその子に対しては評価が異様に高く、他のメンバーの事はどうでもよいような感じでした。なので、部員のほとんどが部長を嫌っていても仕方がありません。
部長は、パートナー企業を使ってやればなんとかなるという考え方でした。ただ、ここでいうパートナー企業とは、部長お抱えの企業(単価が安い、SESの様な企業)です。このパートナー企業はプロジェクトに合わせてスキルをもった人をアサインしてくれるわけではありません。スキルレベルはかなり低いです。なぜその企業にこだわるのか?よくわかりませんでした。
この部長は、他の部門からの依頼をよく断るので、他の部門からも嫌われていました。部員にも嫌われているし、他の部門にも嫌われている。最悪です。しかも本人がそれを理解していないし、さらにその上長も理解をしていません。他部門は、部長がかわいがっている女の子の事も理解しており、部長がいない場の他部門の部長と私と打合せでは、嫁にチクってやるぞと良く言っていました。
私も、はっきり言って部長がその子のことを特別扱いしていて、あまりにもおかしい状態であると感じていました。
こんな部門の状態ですから、部員は転職を考えている人が多かったです。部長がいない所で、転職探しの話で盛り上がるような状態でした。
このような部門ですが、新入社員が1名配属されました。新入社員は部門配属されてから顔色が悪く私はとても心配していました。
初めに部門を辞めたのは、部長がかわいがっていた女の子です。転職ではなく、純粋に仕事を辞めるそうです。私の想像ですが、結婚していたのでおそらく旦那から辞めるように言われて辞めたのではないかと思っていました。
次に若手の技術が高い中堅の人が辞めました。辞める話をしているときに部長がいなかったので、その人は転職で引く手あまただった事、年収が上がる事、今すぐ転職活動をした方がいい事を部員に言っていました。私の立場であれば本来は間違っていますが、私はもちろん賛同して今は転職活動に有利な時期だし、転職は良いと思うよという事を部員に伝えました。
私は、新入社員の子がとても心配でした。OJT担当者をつけていたのですが、ほとんど放置プレイの様な状態になっていました(その後OJT担当者も退職しました)。手の空いた時に声をかけたりしていたのですが、新入社員に声をかけていると部長が大体私に話しかけてきて、新人のケアが必要で新人に話しかけているのに、そんなことも理解せずに、邪魔(と言っても仕事の用件ですが)してきました。私は新入社員にごめんねと言って話を打ち切って部長と打合せをしなくてはいけませんでした。本当は個別に飲みに誘ってあげたりもしたかったのですが、私が忙しく朝も早く帰りも遅い事から、時間を取る事ができませんでした。
さらに中堅の技術者の人が2人辞めました。その2人ともそれぞれ別のあるアプリケーションに特化した技術を持っていました。私は今回辞める2人も、先に辞めた人もみんな評価をしていたのですが、部長はやめていく人(かわいい女の子除く)を評価しておらず、辞めても何とかなるという考えでした。パートナー企業を使えばなんとでもなるという考えです。もともと人が足りないと言っている状態なのに何を考えているのかわかりません。残っているのは中堅数名と若手ばかりで、それなりのプロジェクトができる人は数名しか残っていません。しかもすでにプロジェクトにアサインされていて余裕はありません。
ちなみに、辞めていく人個々に話をしましたが辞めていった人達は良い転職先でした。それは本当に良かったと思います。
ちなみにこんなことがありました。部長と一緒にあるお客様の本社ビルに行った際に、エレベーターに乗ると、お客様のIT部門(本部)の前トップ(役員)の人が乗っていました。私は挨拶と簡単な会話をして対応をしました。エレベーターを降りた時に部長からあの人だれ?と聞かれました。衝撃でした。お客様のIT部門(本部)のトップの顔を知らないのか(その時はもう前任者ですが…)?また顔見知りでもないのかと思いました。まあ、本当にお客様の上位層の方なので、プロジェクト単位でやっていると通常会える人ではありませんし、そのほか普通に仕事をしていても会える人ではないので、知らないのかもしれませんが、少しはお客様の事を勉強してよと思いました。私は色々な事情があって顔見知りでした。
この私のいた部門ですが、私が入った半年後には、中堅が沢山辞めて、もう部門という形をしていませんでした。本当にひどい部門があるものだと感心しました。何が悪いかというと部長がすべて悪いのだと思います。またその人を部長にしたそのさらに上の人が人を見る目が無いのだと思います。昔から上の人はその部長の事をやたら評価していて出世も早かったです。私から見たら謎でしたが、なにか私からは分からない特殊なスキルがあったのではないのかと思います。
私は元々は異動を希望してこの崩壊した部門へ異動になったのですが、私の異動後に元にいた部門がどうしても立ち回らなくなった為、元の部門に戻る事になりました。結局この崩壊した部門には半年しか所属をしませんでした。
後日談ですが、組織改定があってこの時の部門は他の部門に吸収されました。あの部長は降格しました。新しい部門の部門長とは顔なじみでしたので、非公式の場で話をしたのですが、「あの人は仕事が出来ない。降格をさせたい(管理職で一番下のランクまで下げたい)。」と言っていました。実施は難しいのですが、おそらく本音では管理職からすらも落として一般職にさせたかったのだと思います。