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あの「水芭蕉の花」に会いたくて、6月の尾瀬へ向かった
《連続1794日目!》
夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 遠い空
霧の中に浮かび来る 優しい影 野の小道
水芭蕉の花が咲いている
夢見て咲いている 水のほとり
「水芭蕉の花って、どんな風に咲いているのだろう」
「尾瀬の空って、どのくらい広いのだろう」
中学校の合唱で歌って時からずっと行きたいと思っていた「夏の尾瀬」
よくよく調べてみると、水芭蕉の花が咲くのは夏ではなくて、5月の末~6月中旬らしい。
この時期は、春から初夏へと尾瀬の季節が一気に進む。
歌にあるような青々した草花と水芭蕉を同時に見るのであれば、6月初旬。
つまり、今の季節がいいみたいなのだ。
歌「夏の思い出」の光景に出会ってみたい。
そんな思いが止められなくなって…
初めての尾瀬に向かった。
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尾瀬に行くと決めてから、そのアクセスについていろいろ調べてみた。
首都圏から尾瀬に入るのは、鳩待峠に行くのが一般的らしい。
しかし、鳩待峠まではマイカー規制が行われていて、途中にある戸倉からシャトルバスかシャトルタクシーに乗る必要がある。
戸倉には、第1駐車場、第2駐車場、スキー場駐車場と3つの駐車場があるので、それを利用するとのこと。
実は、このあたりの情報が初心者には本当にわかりにくい。
肝心のシャトルバスの運行時間やどの駐車場に止めたらいいのかを載せてくれているところが全然見つからないのだ。
(バス会社やタクシー会社に詳細を確認するようなことになっている)
うーん。
とりあえず向かってみよう。
早朝5時に家を出て、車で向かうことにした。
目指すは、戸倉第1駐車場。
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朝の8時半ごろ、戸倉に到着。
しかし、280台駐車可能な第1駐車場はすでに満車。
は、早い・・・
そのまま250台駐車可能な第2駐車場にまわると、そちらも満車の看板が出ている。
さすが尾瀬の最盛期。
完全に出遅れたみたいだ。
案内に従って3つ目のスキー場駐車場へ。
ほっ。
こちらの方はまだ空きがあるらしく、駐車ができた。まずは一安心。
でも、もう一つ気がかりなことが…
それはシャトルバスの時間。
もし、何十分とか待つようだとそのあとの行程にも影響が出てしまう。
急いで登山靴に履き替えて、バス乗り場へ向かう。
しまった、待っている人が数人しかいない。
バスが行ったばかりかも。
これまでの経験上、登山に行く時にバスの乗り遅れてしまうと相当待たされることがある。
これは覚悟を決めた方が良さそうだ。
と思った数十秒後…
ワゴンタクシーがやってきた。
どうやら、戸倉の3つの駐車場から鳩待峠までは、シャトルバスやシャトルタクシーが頻繁にまわっているらしい。(バスとタクシーはチケット共通で片道1300円)
運転手さんに聞いたら、最盛期でも朝の5時半から16時半まで相当な台数がまわっているので、待ち時間はほとんどないとのこと。
これは安心だ。
首都圏から向かう人は、とにかく戸倉に行けばいい。行けばなんとかなるということらしい。
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鳩待峠へ到着。
ここが尾瀬ヶ原へのハイキングの出発点になる。
尾瀬はハイカー向けに整備がされていてコースの途中に公衆トイレがいくつかある。
利用する際には100円の協力金を払うことになるので、小銭は多く用意をしておいたほうがいいようだ。
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鳩待峠からは、山道を下っていくハイキングコースになっている。
木道が整備されていて歩きやすい。
スタートしたばかりということもあり、スイスイ進んでいける。
休憩所でもらったマップによると、だいたい60分で尾瀬ヶ原の入り口、山の鼻ビジターセンターへ到着できるらしい。
逆に帰りはずっと登りになるので、90分は見ておいた方がいいとのこと。
最終のシャトルバスは鳩待峠を16時30分。
帰りの時間計算をすること。
帰りの体力を温存しておくこと。
尾瀬ハイキングの2つのポイントになるだろう。
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60分ちょうど歩いたら山の鼻ビジターセンターに到着。ここまで来れば尾瀬ヶ原はもうすぐなはず!
はやる気持ちを抑えて、一歩一歩進んでいく。
すると目の前に開けた湿原が見えてきた。
ついに「夏の思い出」の歌詞にあった、夏の尾瀬に到着したのだ。
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水面に映る青い空。
実現の中には、沼や浮島が点在していて、イモリやカエル、トンボの姿もみられた。
そよぐ風が気持ちいい。
ここにいると、日々の疲れを全て忘れてしまうようだ。
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1時間半くらいかけて湿原を横断。
ヨッピ吊り橋という橋に着いた。
尾瀬は、エリアによって咲いている花々が変化していくので楽しく歩ける。
そうそう。
気になるのは、今回の目的である水芭蕉の花が見られたかどうか。
今年は、暖かい日が多く、通常よりも開花が早かったらしいけれど…
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ギリギリありました!
すでに花が散ってしまった水芭蕉が多かったけれど、水辺の近くに行くと白く大きな花を見つけることができた。
水のほとりに水芭蕉の花があるって、歌の通りですね。
目的は達成!
満足して、帰路へ向かおう。
でも・・・
本音を言うと、歌にあったような水芭蕉の花の群生が見たかった。
次は、もう少し早い時期に来ないとなあ。
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尾瀬ヶ原の入り口の山の鼻ビジターセンターまで戻っていく。
ここからは鳩待峠まで登り坂を進むだけ。
ビジターセンターのベンチに座って、マップを広げる。
?
この丸い円になっているコースはなんだろう。
よく見るとこの山の鼻ビジターセンターの奥に1周1キロほどの短い周遊コースがあったのだ。
その名前は、研究見本園コース。
帰りの最終シャトルバスの時間を調べると、まだ余裕がある。
せっかくなので、このコースも周ってみよう。
この時間つぶしの行動が、まさかの幸運をもたらしてくれた。
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えっ!
白い花がたくさんある!
研究見本園コースの奥の方に進んでいったら、木道の横に大きな白い花たちが咲いていたのだ。
水芭蕉の花が匂っている
夢見て匂っている 水のほとり
夢にまで見た歌の光景を、最後の最後で見ることができた。
まさに感動の極みだ。
この光景をしっかりと目に焼きて、帰路へ向かうことにした。
帰りの道はずっと登りなので、それなりにキツい。それでも、水芭蕉の会えた喜びが足をずんずん動かしてくれた。
そして、時間通りに鳩待峠に到着。
待ち時間も少なく、シャトルタクシーで駐車場へ戻ることができた。
あらためて、この時期、このタイミングで尾瀬に行けて本当によかったなあ。
尾瀬は、どのコースもしっかりと整備されていたので安心してハイキングができたし、水芭蕉の花や素晴らしい景色も堪能することができた。
歌の通り、素晴らしい場所であった。
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帰宅後、もっと尾瀬のことを知りたくなっていろいろ調べてみた。
歌「夏の思い出」は、1947年(昭和22年)に戦後復興の中、平和や夢や希望を世の中に伝えていくために、NHKのラジオ歌謡の曲として作られたそうだ。(ちょうど、NHKの朝ドラ「虎に翼」でやっている時代!)
多くの日本人の心をつかんだ歌。
その歌の影響もあって、昭和30年~40年代に尾瀬のハイキングが一大ブームになっていく。
しかし、尾瀬の自然にとってそれはいいことではなかった。
湿原が人々に踏まれたり、ゴミを捨てられたりして、尾瀬の自然はどんどー荒廃していったそうだ。
(当時は、ハイキングマナーなども普及していなかった)
そこから半世紀、尾瀬は多くの人の努力によって、美し姿を取り戻していった。
行く前はちょっと面倒だなと思ったマイカー規制やトイレの協力金などがあるのも、尾瀬の自然を守るために本当に必要であったと納得できた。
訪れる人全員がルールを守って、この美しい尾瀬の自然を後世に伝えていければと思う。
夏が来れば思い出す
はるかな尾瀬 野の旅よ
花の中にそよそよと
揺れ揺れる 浮島よ
水芭蕉の花が匂っている
夢見て匂っている 水のほとり
まなこつぶれば懐かしい
遥かな尾瀬 遠い空
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