わたしが「設計教室」を開講するまでの話
つづるです。住宅設計のSE的な仕事をしたり、たまに設計の仕事もしています。本日、職場の設計士さんと「第一回目の設計教室」を開講したので、記念に綴っていこうと思っています。
「設計教室」開講までのあらすじ
わたしは9月から建築家主催の住宅設計研修に通っています。
この研修は「即時設計」といって、当日の朝に設計条件を初めて聞き、3時間ほどでプレゼン資料(平面図、立面図、パースなど)を作り上げ、午後にプレゼンテーションを行う、という流れになります。
本来の設計業務では、「3時間という短い限られた時間しか、設計に使える時間が無い」という状況にはなりません。3時間以上、時間をかけても全く問題無いのです。
時間をかけても本来問題ないことを、研修の中では時間を制限して取り組む理由を考えた時に、「アドリブ力や判断力、対応力を高めるため」に時間制限をつけているのかな、と理解しました。
・・・さらに、「アドリブ力や判断力、対応力」が必要とされる仕事ってなんだろう?とふと思ったところ、
「”営業”や”接客業”の仕事では??」と気づきました。
わたしは3年ほど住宅営業の経験があり、お客様のご接客前にかならず「ロープレ」というものをしていたのを思い出しました。
ロープレは「役割演技」と言うらしく、同僚と営業役・お客様役を決めて、場面ごとにイメトレも兼ねて練習をすることをいいます。
お客様のご要望、ご予算といった「条件」から、判断をしてその場で対応をする力をつけるためにロープレを行っていたのですが、
設計の仕事も 敷地条件や設計条件(要望など)といった、「条件」に対して、判断・対応をし、まとめていく力が必要です。
営業ロープレのような取り組みが、職場の人と出来ると、より設計の仕事の理解や知恵・知識の引き出しが増えるのでは無いかなと思い、
そのまま上司や同僚に伝えて、快く受け入れていただき設計教室を職場で開講することになりました。
開講の裏側:「自分の設計に迷いがあるから」
【営業ロープレのようなトレーニングを、設計士も取り組むのはどうか】というのが表側の設計教室開講のきっかけですが、
その裏側には、「わたしが自分の設計に迷いがあるから」という気持ちがあります。
この言葉を声を大にして言うとお客様をご不安にさせてしまう気がして、あまり言えないなぁとも 正直思っていますが noteなので書きます。
わたしが描いた線が、壁や天井といった空間にかたちづくられるということが、ひとの物理的な動きを決定してしまうことのような気がして、安易に線を引けないという不器用な考えがずっとあります。
ひとりで本を読み込んで、ひとりで建物を見て分析して、ひとりで色々図面を描いて、たどり着いたのは「それでも自信を持って線を引くのに時間がかかる」ということでした。
どうやったら わたしは自信をもって、線を引けるのか。。と悩み、
誰かの「知恵」に助けてもらおう、と割り切って発案したのが「設計教室」でした。
そして、同じような不安な気持ちをもった設計士の卵がいたら、「設計教室」という方法で ほかの設計士さんの知恵に助けてもらう機会を作ってあげたいなとも思いました。
自分が生み出した設計が誰かに認められたり、認められなかったりしても原因がわかったりしながら、
いつか迷子になったちょっと不器用な設計士の道を照らしてくれるのではと想像しました。
わたしが出会ってきた設計士さんは、数多ある条件をひとつひとつ紐解いて、考え抜いた上でお客様に提案をしているため、勉強家・努力家の方が多いと思います。そのため、努力をしたい・成長したい人を応援してくれる優しい人が多いような気がします。
「設計は上司の背中を見てひとりで頭を捻らせて考える」という方法よりも
「設計はアウトプットの場を仲間と作り、経験豊富な先輩設計士から知恵をもらい、自分もいつか後輩へ知恵を紡ぐ」という方法を模索するためにも
「設計教室」をより良い物に進化させようと思います。
本日はわたしのnoteに遊びに来てくださってありがとうございます。設計教室の案を職場の設計士さんに話をした時、みなさん一緒になって 考えてくださったのが一番嬉しかったなぁと思います。
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