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国分一太郎『小学教師たちの有罪』を読む

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戦後の生活綴方の牽引役・国分一太郎の遺言とも言える著作です。国分一太郎が治安維持法で検挙されたいきさつや特高警察の砂田周蔵とのやりとりが克明に描かれています。どんな内容なのか、内…
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#蔵原惟人

国分一太郎『小学教師たちの有罪』を読む⑧

国分一太郎『小学教師たちの有罪』を読む⑧

前回の記事に続きます。10章、11章は当時の文学論が書かれている部分なので、読み解くのは難しいですが、本書の核心的な部分なので丁寧に読んでいく必要があります。日本史の教科書や、社会科学関係の辞典を手元において読みました。

10、11プロレタリア・レアリズム(一)(二)
 特高警察の砂田は、国分らが「プロレタリアのレアリズムを生活綴方の考え方に取り入れた」と、今回の取り調べでもあくまで既定路線を推

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