加藤 綴(かとう つづり)

日本の小学校に教員として勤めています。日本の伝統的な教育方法である「生活綴方」について…

加藤 綴(かとう つづり)

日本の小学校に教員として勤めています。日本の伝統的な教育方法である「生活綴方」について、学んでいます。日本作文の会の研究会や、地域の作文サークルで学んでいます。handwriting(手書き)と keyboarding(キーボードに打つこと)のちがいについても研究中。

最近の記事

岩波教育小辞典に書いてある「生活綴方運動」

編者に惹かれた小辞典 教育の用語を調べるのに、私は古い小辞典を使っています。手元にある辞典の一つは、1973年に刊行された『岩波小辞典 教育 第2版』です。編者は 勝田守一・五十嵐顕・大田堯・山住正己の4人です。この辞典の初版は1956年ですが、私の手元にはありません。初版の編者は勝田・五十嵐・大田の3人です。  私がもっているもう一冊は、1982年に出版された『岩波教育小辞典』です。上記第2版の改訂版で「第3版」と言えるものです。編者は2版の五十嵐・大田・山住に、堀尾

    • 生活綴方的教育方法とは何だろう? その②

       前回記事の続きです。前回の記事をぜひ参照してください。 国分一太郎執筆の「定義」  1958年発行の『生活綴方事典』には、生活綴方的教育方法の定義が書かれています。執筆者は国分一太郎です。そこにはとても興味深いことが書いてありました。事典では、定義の前に生活綴方的教育方法の「発生・性格」を述べています。 生活綴方的教育方法は、 「生活綴方の仕事を通して、子どもたちに好ましいものの見方・考え方・感じ方を育てようと努力するものが、しぜんのうちに獲得するひとつの教育方法ない

      • 生活綴方的教育方法とは何だろう? その①

        「せいかつつづりかたてききょういくほうほう」。ずいぶん長い言葉ですね。「STメソッド」とか、略称をつけたいくらいです。  前回の記事では、「生活綴方」について説明しました。それを土台にして、今回は生活綴方的教育方法について理解していくのがこの記事の目的です。 生活綴方とは?(前回記事のまとめ再掲) 生活綴方とは、日本の伝統的な教育方法の一つで、子どもたちが自分の生活体験を基にした文章(作品)や、みんなでその文章を読んで意見を出し合ったり、話し合ったりする活動を指しています

        • 生活綴方(せいかつつづりかた)って何だろう?

          この記事では、生活綴方の基本的なことがらについて、説明していきます。説明を作成するのに参考にした本は、1958年に初版発行の『生活綴方事典』(日本作文の会編/明治図書)です。 生活綴方の二つの意味 生活綴方という言葉は、これまで2つの意味で使われてきました。 生活綴方の1つ目の意味は、子どもや大人が書いた特別な内容をもった文章(作品)のことです。特別な内容というのは、自然や社会、人との関わりの中で考えたり感じたりしたことを、ありのままに書いたもののことです。そこで見たり

        岩波教育小辞典に書いてある「生活綴方運動」