2021.8.4
母が起きてくるまでラジオを流し、珈琲を片手に、父は新聞を広げ、私は滝口悠生の「愛と人生」の続きを読む。ラジオからラジオ体操が流れてきたあたりでお互いの集中力が切れ、川端康成の話になり、そこから派生して宮沢賢治の話になり、どんどん派生して中原中也の話になり、最終的には池田彩乃がすごいという話までもつれこんだ。やはり詩人や歌人の言葉選びというか、その一つずつの美しさはどんな感性してんだよ、と改めて言いたくなるというような話をしていたのだけど、私がさっきから話している相手も詩人だったのだとはたと気づき、生まれたときから詩人のそばにいたのか……と思うのだった。
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