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米国駐在の機会をどう活かすのか? イノベーション活動もハンバーガーも百聞は一見に如かず!?

東芝テックでは「グローバルトップのソリューションパートナー」を目指す姿として掲げている中で、CVCも海外展開を進めるべく今年からCVCメンバーが米国(シリコンバレー)の現地駐在員として活動を開始しています。

シリコンバレーに駐在し活動する話はよく耳にすることもあると思いますが、そこで大切なのが人間力やキャラクター性。

そこでまず駐在員として活動する橘髙とはどういう人なのか。そして、米国での具体的な活動で得た情報をCVC活動にどう活かしているのか?などについてCVC室長の鳥井にも参加してもらい、話を聞いてみることにしました。

日本でも米国でもハンバーガーが好き!?

――以前、noteさんとのコラボ企画「#最近行ってよかった店」の記事で、地元にあるアメリカンなグリルサンドイッチの店を紹介してくれました。その時は「フライドチキンにチーズを乗せて、コールスローでバーガーにしている感じがアメリカンなんですよね」とハンバーガー好きを思わせるコメントをいただいていましたが、米国はハンバーガーの本場ですよね?いつもどんなものを食べてますか?

橘髙:いろいろ食べてますけど、バーガー比率はちょっと高めになっちゃっていますね(笑)。ジムに通い始めてダイエットしていたんですけど、忙しくなって1か月くらいさぼってしまい、リバウンドの最中です。
なので、一応カロリーは気にしていてポテトは買わずに、種類違いのバーガー2個とかにしています。

――ハンバーガー2個は多くないですか?しかも、日本のものよりも大きいですよね。

橘髙:意外と店によってはそんなに大きくないですよ。それに日本にいる時からいつも4つ食べていたので大丈夫です。

鳥井:実は私もハンバーガーが好きなので、米国に出張したときは橘髙さんによく連れて行ってもらいます。1回の出張で3、4回はハンバーガー屋さんだったこともありましたね。

――ということは、お店も詳しそうですね。せっかくなので、サンフランシスコのおいしいハンバーガー屋さんを教えてください。

橘髙: in-n-outという西海岸チェーンですね。ここの裏メニューにある 4 x 4 という 4段パティ―と4段チーズのハンバーガーが劇的にうまいんですよ。

――それは食べてみたいですね、ぜひ機会があれば行ってみたいと思います。

橘髙:おすすめです!サンフランシスコに来たときはぜひ食べてみてください。

現地のネットワークに参加することで得られる、深い情報や関係性がある

――おいしいハンバーガー情報ももっと知りたいところですが、米国でのCVC活動もしっかり対応していると聞いておりますので、気になる現地での活動内容を教えてください。

橘髙:今年からシリコンバレーに拠点を移して、グローバルVCのDNX Venturesさんと一緒に活動しています。なぜ米国かというと、やはり人材とか技術、お金が集まるエコシステムが成り立っていてイノベーションが生まれやすい環境なので、とても魅力的な市場ということで東芝テックCVCとしてもリソースをかけて投資先の探索や情報収集をしている状況です。

とはいえ、いきなり米国に行ってエコシステムやコミュニティに入っていくのもなかなか難しいところがあるので、DNX Venturesさんの中に入らせてもらっているんです。新規の投資先を探すだけでなく、DNX Venturesさんと日々いろんなディスカッションをしたり、グローバルトレンドや周辺領域のスタディをさせてもらいながら、そこで得られた情報を日本のCVCチームにも共有しています。あとは、米国子会社の東芝グローバルコマースソリューション社と日本の架け橋になったり、オープンイノベーションを活性化するためのサポートもしています。

鳥井:以前からシリコンバレーのスタートアップエコシステムは注視しているのですが、メディアに出てくる情報は、メディアという特性上仕方ないことですが、読者が関心を持ちそうな注目度の高い情報や、大型調達などの普通でいうと少しイレギュラーなニュース性のある情報に限られており、氷山の一角だけなんです。現地のネットワークの中に入り込んで活動しないと得られないような深い情報がたくさんありますし、スタートアップだけでなくVCやインキュベーターの人たちとも関係性を作ることで初めて、そこにしかない情報やネットワークが見つけられると思っています。

あとは、自ら現地のイベントに参加してもらい、業界の専門家やマーケットにいる人たちの意見を直接聞くという活動を進めていく時もネットワークが重要になりますが、日本から出張しただけだとなかなか難しいですよね。
今後イノベーション投資を進めていく上で必要とする深い情報を入手することが重要なポイントになるので、そういった視点から地に足を付けた活動にしていくためにも駐在してもらっています。

橘髙:一例ですけど、米国だと2度目、3度目の起業をしている起業家が多いのですが、現地の起業家のレピュテーション情報は投資検討において参考になったりしますね。

米国でも日本でも、意識することなく生成AIが使われつつある

――シリコンバレーで活動する中で、生成AIの活用において日本との違いを感じることはありますか?

橘髙:日本とあまり変わらない気がします。みんな仕事で当たり前のように生成AIツールを使っているし、ChatGPTに資料のドラフト版を作らせて、それを修正するみたいな使い方はけっこう多いと思います。

敢えて言うならシリコンバレーという土地柄もあるのかもしれないですけど、コンシューマー向けのAIアプリの広告をよく見かけますし、フリートライアルみたいなのも多いですね。あとはWalmartなどのアプリの中に生成AIの機能が入っていたりするので、日常的に生成AIを使っているっていう実感は出てきているのかなって思います。

鳥井:コンシューマー向けという観点では、私も米国出張の時に見かける程度の感覚ではありますが、使われ方やフィーバー度合いは日本と大きな差はないですよね。米国の人はそういう新しい機能を使うのに抵抗がなくて、便利だったら普通に使うという側面がありそうな気がします。

それこそ写真を撮って邪魔なものを画像から消す機能にAIとかが使われていることもあると思うんですけど、日本の人たちも含めてそういう便利な機能を使っている時に、「これが生成AIだ」ってわざわざ意識しながら使っていないですよね。そこが、今の生成AIのすごいところだとは思いますけど。
むしろ、企業における活用の度合いや取り組み方に差があるようには感じます。

現地の情報を正しく捉えるためにも、CVCメンバーとのコミュニケーションが欠かせない

――なるほど、それはありますね。ところでAIが注目される中、AI人材についても聞いてみたいのですが、使う人・開発する人それぞれどんな印象ですか?

鳥井:米国の開発者のレベルはすごく高いような気がするんだけど、オペレーションのレベルに関しては日本の方が高いようなイメージがあるかな。橘髙さんはどう思う?

橘髙:AI人材が貴重というのはあるのかもしれないですけど、エンジニアレベルの違いという話ではあんまり聞かないですし、日本だからレベルが低いってこともないのかなと思います。

最近よくあるなと思うのが、こっちで勝手に僕がこれは最先端だと思って、すごいワクワクしながらCVCメンバーに話すんですけど、「日本でも実はこういうのあるよ」って言われることもけっこう多いんですよね。
たくさんのファウンダーと出会ってすごく気持ちが高まって勝手にキラキラしている側面もあるんだと思います。そういう意味でも日々のメンバーとのやりとりは、自分にとっていろんなレベル感を見直すのに大切な連携の仕方の一つですね。

――米国と日本が連携することで、無意識に持っているバイアスを整理できるのは良いですね。とはいえ、やっぱり米国の強みと感じるところってありますか?

橘髙:多分そのベルカーブで見た時の一番エッジの部分はやっぱ米国は絶対強いと思うんですよ。でも、真ん中の集まっているところを見た感じでは、日本だからできないってことはない気がしています。

鳥井:米国と日本でかなり差があるのはスタートアップの資金調達環境ですよね。最近もOpenAIが数千億円規模の資金調達を計画しているという報道がありましたが、それだけお金が集められると経営戦略としても全く異なったアプローチがとれます。そこは米国のスケールの大きさを感じます。

AI領域のスタートアップって、最初からAIありきで生まれているソリューションと、もう一つの方向性として、SaaS企業が既存サービスに生成AI機能を入れて進化させるような動きも出てきています。経済合理性があると証明できれば、戦略的に生成AIの機能を活用した取り組みなども積極的に取り組める環境にあると思います。

だから、そのような動きがある中でスタートアップがどうやって勝っていくのか?その投資に対するリターンってどう考えるんだろう?みたいな疑問も含めて、橘髙さんに現地の投資家とコミュニケーションを取って調査してもらったりしています。非常にダイナミズムのある面白いマーケットですよね。

――ありがとうございます。単に米国で情報収集をするだけでなく、日本のCVCメンバーとやり取りをしながら理解を深めているんですね。次回はBtoB領域での生成AIの使われ方や課題についてお聞きしてみたいと思います。

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