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ChatGPTと質問力: 知的対話のための工夫

こんにちは。
私は今、故郷の飛騨高山に帰省中です。
今週、地元で新たに就職した若者たちに向けて、「これからの働き方」について講演をさせていただきます。
そして、こちら飛騨高山は、ちょうど桜が満開。
美しい街並みをさらに彩っています。

今回は、登場以来、一瞬にして市民権を得たAI、「ChatGPT」。
それと日々つき合って感じている「質問力の必要性とそのコツ」について考察しました。

■質問力がないとAIには相手にされない…

語弊を恐れずに言えば、そのまま本音です。
なんか高飛車な言い方に聞こえるかもしれませんが、今のところ、そう思ってます。

ChatGPTは、とにかくよく間違います。

試しに、自分のことをエゴサしてみてください。
たいてい別人についての情報を教えてくれます。

また、ご自分の専門分野について、出典つきでサーチしてみてください。
ものすごく浅い、うわべの知識しか教えてくれないときがあります。

しかし、だからといって「AIってダメじゃん」という結果にはならないのです。
それは、私たち質問側の、サーチ能力(質問力)が足りなかった、ということがあるからです。

では、ファシリテーターでありコーチである私が考察した、知りたい情報を深くまで掘り起こすための、質問力のコツをまとめてみました。

※参考までに、最近、この質問力(もっと広範囲に『プロンプトエンジニアリング』)についての指南書が無料公開されています。興味深いですね。
Prompt Engineering Guide | Prompt Engineering Guide (promptingguide.ai)

■コツ①「具体的で明確な質問をする」

ChatGPTとの対話で、知りたい情報を正確なレベルで収集するには、まず「具体的で明確な質問をする」ことが重要です。
あいまいな質問では、期待した回答は得られません。
例えば、「気候変動について教えて」よりも、「気候変動の原因とその対策について教えて」という質問の方が、求めている情報に近い回答が得られます。

人間は、相手の文脈を読むことができるので、この「具体的で明確な質問」の必要性があまりないのが現実です。

上司に、「どう、最近調子は?」という間の抜けた質問をされても、「あ、ええ…いい感じです」と、上司の顔色を伺いながら答えられるのです。
が、相手がAIだと、そうもいかないのです。

■コツ②「質問の範囲を絞り込む」

例えば、「エネルギー産業の将来について教えて」という質問に対しては、ChatGPTはきっと、「どの部分に焦点を当てて回答するしようか」と迷うことでしょう。

そうではなく、「2030年までの再生可能エネルギー分野の普及率と政策について教えて」という範囲に絞り込んでみます。
具体的な時期や分野にフォーカスして質問をするのです。
そうすると、より求める情報に近い回答が得られます。

例えば、上司の「ああ、そういえば。先週頼んだあの件、どう?」という程度の質問力では、ほしい回答は部下から得られないのです。

■コツ③「段階的な質問を行う」

「3つ質問があるのですが」という人は、個人的に、一番困るタイプです。

一度に多くの情報を質問すると、ChatGPTでさえ回答に困るようですね。

そうではなく、段階的に質問を行い、一つずつ情報を収集していくことが効果的です。
例えば、「宇宙の成り立ちについて教えて」ではなく、「ビッグバン理論とは何ですか?」という質問をします。
さらにその後、「ビッグバン理論が示す宇宙の成り立ちのプロセスを教えて」と加えていくことで、より詳細な情報が得られます。

会話も対話も、キャッチボールです。
私たちの間には、ボールは1つしかありません。

1)相手がとりやすい位置にボールを投げてあげる。
2)そして、相手がボールをもっている間は、黙って待つ。

幼い頃に、教わりましたよね?

■コツ④「質問を繰り返して確認する」

ChatGPTはときどき、こちらが意図しない回答をすることがあります。

そんなときは、質問を繰り返し、回答が正確であるかどうかを確認しましょう。
また、異なる角度から質問をすることで、情報の整合性を確かめることができます。

例えば
「経済成長の要因について教えて」という質問への回答を確認したら、
「技術革新が経済成長にどのような影響を与えるの?」とかいう質問をすることで、回答の一貫性をチェックできます。
異なる視点からの質問が、より深い理解に繋がることもあります。

■とにかく既視感しかない、AIとの対話

ChatGPTと効果的にコミュニケーションをしながら、正確な情報を収集するための4つのコツをお伝えしました。

にしても、私はこのコラムを書いていて、既視感に襲われ続けています…

これはまるで、
思い通りに動いてくれない部下に悩む、上司への助言です。

質問力を向上させましょう。それには
具体的で明確な質問をすること
質問の範囲を絞り込むこと
段階的な質問を行うこと
質問を繰り返して確認すること

いかがでしょう。

私たちは、部下育成力を鍛えるためにも、AIを相手に、質問力を磨いていくこともできます。
ジェネレーションギャップとか言って逃げるのではなく、
「相手が考えやすい質問」
「相手が答えやすい質問」

ができるようになるまで、「忖度をしてくれないAI」を相手に、
人知れずトレーニングしていく機会に恵まれたのです。

ChatGPTとの対話がより充実し、知的な対話を楽しめるだけじゃなく、
質問力を向上させることは、人間どうしのコミュニケーションでも大変役立つ、というお話でした。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

※ネタばれ:このコラムの5割は、ChatGPTの力を借りています(笑)
※メインビジュアルは、Dalle2に描かせたAIアートです。

<今週の箴言>
われわれの高慢は、往々にして
われわれが何一つ自分の欠点をなくすごとに、
それだけふくれあがる。

ラ・ロシュフコー

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