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うつ病でリタイアした私に、母からの言葉

 よく見る夢があります。自分は中学生で、夏休みの宿題をやっていないのに新学期が始まってしまう夢。もしくは、自分は大学生で、卒業に必要な単位が足りない夢。・・・私、焦っているのでしょうか?

 休職してから1年が経ち、最近「復職」「リワーク」といった言葉に敏感になってきました。通っているメンタルクリニックに置いてあるリワークプログラムの冊子をもらってみたり、求人サイトを見てみたり。・・・やっぱり、焦っている。


 そんな自分に気が付いて、先日、母に打ち明けてみました。「また働けるのか」と考えると不安なんだという本音を。そうしたら、さらっとこんな言葉が返ってきたのです。

 「はじめは週3日とかでいいんじゃない?辞めたくなったら辞められるようなものでいいし、アルバイトだっていいし。」

 ・・・心がふっと軽くなりました。

 私は、有名私立と呼ばれるような中学・高校と、受験戦争を勝ち抜いて入った、これまた有名私立と呼ばれるような大学を卒業しました。そこからは、2回転職をしましたが、大企業2社とベンチャー1社に勤めてきました。

 名のある学校や企業に入ったことを両親はいつも喜んでくれていたので、私は無意識のうちに、学歴や経歴が自分のアイデンティティであり、揺らいではいけないものだと思ってしまっていました。プライドが高くなってしまっていたとも言えます。

 でも、今は無職なんです。支給される傷病手当金で暮らしています。さすがにそんな期間が続いたら、高いプライドなんて吹っ飛んでいきました。

 ただ、自分自身のプライドは吹っ飛んでも、両親にはどこか申し訳ない気持ちがありました。「せっかく恵まれた環境で育ててくれたのに、こんなになってしまってごめんね」と。


 そんな私にとって、「週3日でも、すぐに辞めても、アルバイトでもいい」という母の言葉は、それはそれは大きな威力をもっていました。

 「あぁ、いいんだ。こんな私でも、受け入れてもらえているんだ。」

 ・・・今のようにうつ病でリタイアしていなかったら、もしかして一生分からなかったかもしれない感覚です。受け入れてもらえているという安心感、とでも言うのでしょうか。

 それから数日、あの夢は見なくなりました。
 いつかちゃんと恩返しするから、待っててね。

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