【熟年離婚】〈男の言い分37〉

（2021年9月号より）　

〝商家の嫁〟で頑張っていた妻が出て行った。一家の主のオヤジが変わらないとね。

　Ｏ氏、59歳。食料品店経営。妻と１年余の別居の後、昨年離婚。

　私の町は、明治の初め頃からある古い町です。繭の取引で栄えて、爺さんの話だと、越後から商人や職人がいっぱい来て、街道沿いには色んな店が立ち並んで、にぎやかだったと。今はすっかり様変わりして、店は15、６軒。よその古い町と同じ

【1】青森のいなかのばあちゃんがただ死ぬだけの漫画

（私のエピソード集・３０）子ども３人で満州引揚げ

これは夫から聞いた話：　昭和２０年、終戦直前の８月１０日に、満州鉄道(＝満鉄)社員に、至急の「朝鮮への疎開命令」が出て、夕方までに駅へ集まれと。　僕の父は入院中で、母は足首の手術後まもない身で、貯金を下ろしにも行けず、荷物と弁当の用意がせいいっぱいだった。

僕は８歳、姉１０歳、妹はもうじき６歳だった。

僕は母に内緒で、すぐに小学校へ飛んで行き、担任の先生に「一年から貯めた貯金を返して！」と言っ