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第2回【超実践型】D2C、単品リピート通販に10年以上関わってきた、CRMノウハウをまとめてみた。(LTV篇)

こんにちは、D2Cマーケッターの堤谷です。
前回、CRMノウハウのマインドセットについて書きましたが、
ちょっと概念的な話が多かったのと、これで超実践型と謳うのも消化不良な方が多いかもしれないな。と思ったので、今回はみなさんが恐らく一番気になるであろう、「LTV」についてまとめてみたいと思います。

まず、そもそもLTVという言葉ですが、本来は顧客生涯価値という意味が正しいため、基本的にどのD2C事業者も1年間を基準にして見るケースが多いと思いますが、本来は顧客1人の一生涯で数値を見るのが正しいです。
とはいえ、会社や事業部は1年で決算を迎えるので今回は1年LTVを軸にまとめます。
(本質を見失わないというのが僕のポリシーなので先に講釈たれました、すいません)

1.LTVを上げるにはどうしたらのいいの?

割といきなり核心から行きます。
簡単に言ってしまうと、LTVを構成している要素は、下記の通りです。

売上LTV「平均購入単価×平均回転率」
粗利LTV「平均購入単価×平均回転率×粗利率(利益率)」
※計算方法はいくつかありますが、簡単なやつを上げてます。

ですから、計算上の話だけで行くと、
・購入単価を上げる
・回転率(購入回数、継続率)を上げる
・粗利率を上げる
この3点に施策が絞られます。

この3点のうち、LTVを高めやすい要素の順序は以下の通りです。
粗利率>購入単価>回転率

なぜこの順序なのかというと、
粗利率は単純に無駄なコストをカットをすればすぐ上がるから誰でも
出来ます。
購入単価は、アップセルやクロスセルが主な施策になりますが、
「購入」というハードルを超える必要があるので、粗利を高めるよりはハードルが高いので真ん中です。
最後に回転率ですが、これは継続率や解約阻止率を上げるなど、
結構やることが多く、施策を当てても結果が出るまで時間がかかるため
3番目です。

はい、これでLTVは簡単に上がりますね。と、言いたい所ですが、
そう簡単じゃないのがLTVです。

なぜ簡単じゃないのか?

今上げたことは、
「超短期的に見た場合に効果を発揮するもの」
だからです。
※厳密には回転率は短期的な数字ではないですが、話の流れがややこしくなるので割愛します。

なぜ超短期的なのか?
まず粗利率の改善について、これは言わずもがなで様々な施策を投下すれば、投資を伴うので粗利率は悪化しますし、かといって施策投下を渋れば他の指標が悪化するというジレンマに陥ることになります。
したがって、どうしても短期的に利益を上げたい場合に限って粗利率の改善は有効。というのが本来正しいです。

次に購入単価、これもアップセルやクロスセルの施策を当てれば短期的に向上させることは可能です。しかしこれも粗利率同様に、中長期でみた場合には劇的な改善は見込めません。それはなぜかと言うと、回転率(継続率)の概念が抜けているからです。

これは、数値化するとわかりやすいです。

【仮に下記のような数値状況のD2Cビジネスがあった場合】
・現在
平均購入単価:5,000円
平均回転率:3回
LTV:15,000円

・アップセルやクロスセル施策の投入後
平均購入単価:5,000円→7,000円
平均回転率:3回
LTV:21,000円

こんな感じでインパクトとしては年間LTV6,000円の向上です。

では、逆に単価はそのままに1回だけ回転率が向上すると
下記のようになります。

・回転率が1回上がった場合
平均購入単価:5,000円
平均回転率:3回→4回
LTV:20,000円

LTVの上がり幅としてはアップセル、クロスセルの方が1000円上回っていますが、数字上のインパクトで言うと、たった1回継続を伸ばすだけで
アップセル、クロスセル施策とほぼ同等のインパクトを出すことが出来ます。

これが何を示しているのかというと、
「LTVに最も貢献するKPIは回転率(継続率)である」
ということです。

尚、アップセルやクロスセルは外的要因で財布の紐が固い時期には
不向きだったり、経済的な理由で止めてしまう顧客を生み出すきっかけにも
なりえるので、やはり短期的な施策になりがちです。
(回転率、継続率のダウンを引き起こして、結局LTVがさほど伸びなかったりします)

では、なぜこの単純な図式に多くのD2C事業者気づいていないのか?
あるいは、アップセルやクロスセル施策に目が行きがちなのか?

それは、「売る」という行為が生み出す「短期的な売上」による
ドーピング効果にも似た結果が、事業者の感覚を麻痺させていたり、
「売ればいい」という短絡的とも取れる思考回路は、取り組むまでの
ハードルが低く、「続けてもらう」ことよりも思考のハードルが低いからだと思っています。

これまで10年以上に渡って、何十社、100社以上?関わって来ましたが、
どの事業者も、ほぼ100%の確率で回転率が最もLTVに貢献するKPIでした。

昨今様々な支援業者がこうすればアップセルが成功する、クロスセルが成功する、そしてLTVが●●%改善する、みたいなことを謳っている広告などを
たくさん見かけますが、間違いではないものの、正解でもないと僕は思っています。

本質的には「継続率をいかに高めるか」これがD2C事業者の最大のミッションで、逆に継続率が◯倍!みたいな広告をあまり見ないのは、本質的な取り組みが出来ている事業者、支援業者が少ないことを表しているのかなと感じています。
(だって、継続率上げるのは大変ですし、一概に言えないですから)

というわけで、一番ハードルが高いけど、LTVに対してインパクトが強いKPIは「回転率(継続率)」です。これを上げることはマジで大変ですけど、
中長期的に安定的な事業を形成します。
(もちろん、大前提として利益構造が健全になっているか、などなど細かい要素がありますが、それはまた別の機会にします)

2.回転率(継続率)を上げるにはどうしたらいいの?

では、核心に迫ってきた所で、肝心の回転率を上げる方法についてまとめたいと思います。
ここからは本当に僕の持論や経験値で語るため100%これが正解、というわけではなく、あくまでもこういう考え方、こういうやり方がある、という
捉え方で各々でカスタマイズしてもらえたら幸いです。

①プロダクトが解消する顧客の負と、実際に解消できている顧客の負に乖離があるかどうかを知る

前回のマインドセットのお話と少し被りますが、理論上プロダクトが顧客の負を100%解消出来るなら、99%そのプロダクトの使用をやめることはありません。
では、なぜ止めてしまう顧客がいるのか?
それは「顧客の悩み(負)が、解消出来ていないからです。」
単純かもしれませんが、それが心理だと思います。

使えば痩せるって言ったのに、痩せなかった。
使えばシミが消えるって言ってたのに消えなかった。
使えば健康、元気になるって言ってたのに全然効果を感じなかった。

といった感じで、プロダクト別に様々な理由があると思います。
まずはこの理由をしっかりと把握すべきです。
実はこれをしっかり出来ていない所がかなり多く、また、なんとなくデータを集計しただけで終わっている企業も多いです。
(そもそも集計していない所もたまにありますが)

もちろん、ただ解約受付したときにデータを取るだけでなく、
時にはインタビューをして定性的なデータも集めておく必要があります。
具体的には、
・何に期待して購入したか
・買う前に使っていた商品、もしくは日常的なケアはなにをしていたか
・利用頻度
・利用シーン
・使用感(使い心地)
・価格は適正だったか
・どうしたらもっと続けてくれていたか
などです。

上記は、本来プロダクトをローンチする前に収集しておくのがベストで、
試作品製造〜モニターテスト〜インタビュー〜プロダクト改良
これを繰り返して、より精度の高いプロダクトを生み出せることが理想です。

ただもちろん、資金的なリソースに限界があったりするので、
予めキャッシュの限界値は把握した上で取り組みましょう。

また、同様に重要なのは、プロダクトが持つポテンシャル以上の
広告表現をして顧客獲得をしていると、そもそも期待値との乖離が凄まじく
発生するので、回転率はどうやっても上がらなくなります。
そうなると短期的なアップセルやクロスセル施策に走ってしまい、
中長期で成長する事業にはならないため、過度な広告表現はおすすめできません。
(薬機法や景表法を違反するような表現は論外です)

つまり、プロダクト本来が持つポテンシャルを高めながら、
顧客に出せているバリューやベネフィットをしっかりと把握し、
適正な広告表現で顧客獲得を行う。これが回転率を高める秘訣その1です。

②顧客が継続を選択するに至るマインド変化を理解する

D2Cビジネスの特徴として、ブランドよりも先にプロダクト認知が先行する。という特徴があります。
これは一般流通メーカーとの大きな違いで、ダイレクトマーケティングでは企業ブランドを知ってもらうことよりも「売る」ことを優先しているが故に起きる現象です。

どのD2C事業者もそうですが、販売する際にバナーとLPを作ると思います。
(オフラインならマス媒体毎のクリエイティブ)
そのときにブランド訴求を行う事業者はほぼいないと思います。
なぜなら、そんなことをしても消費者は見知らぬブランドには手をつけるわけもなく、購入に至るわけがないからです。

じゃあ、ブランド認知から始めよう。となるのがある意味正解かもしれませんが、ブランドを認知させ、理解してもらい、第一想起まで高めるのは
一朝一夕ではなし得ませんし、資金力が必要です。
潤沢な資金があれば別ですが、戦略的にこのやり方を選ぶのはほとんどの
事業者は無理だと思います。

というわけで、プロダクトの機能を中心に訴求するのがD2C事業者の
主な広告訴求になるわけです。こうした訴求を中心に行うとどうなるか?
消費者のマインドはこう変化していきます。

「なんだか知らない商品の広告だけど、なんか良さそう」

「とりあえず買って試してみよう」

「届いた!早速使ってみよう!」

「なんか思ってたのと違う」
or
「これめっちゃ良いじゃん!」

「うーん効果も感じないしやめようかな」
or
「すごい!こんなに変わった!これなら辞めずに続けようかな」

「もうこれで辞めます」
or
「こんないい商品作ってるのどんな会社なのかな?」

「へぇ〜意外としっかりした会社なんだなー」
or
「全然会社の情報出てこない」「え、なんか怪しい会社だな・・・」

「会社も信用できそうだし、良いブランドに出会えたなー」
or
「商品はいいけど、会社がちょっと信用できないな・・・」

「せっかくだから友達にも勧めてみよっかな」
or
「あれ、なんかちょっと最近効果感じなくなった???」
「やっぱり怪しい会社だからなのかな???大丈夫かな」

「友達も喜んでくれたし、これからも使っていこう!」
or
「うーん、なんかドラッグストアとかスーパーの商品が安いし
やっぱりそっちに切り替えよう。会社もなんかよくわからないし止める連絡入れよう」

といった感じで、ざっくり&ホントはもっと複雑ですが、
大まかに書くと

①プロダクトを好きになる
②会社を知ろうとする
③会社やブランドのファンになる
④友人にも勧めたくなる

これがD2Cプロダクトの顧客マインドの変化と流れです。
つまり、そもそもプロダクトを好きになってもらう(顧客の負を解消する)
その後で会社やブランドを好きになってもらう事が重要で、
このマインド変化を起こしてもらうためのコミュニケーションの設計が必要になるのです。

③顧客マインドの変化に合わせたコミュニケーション設計

ではマインドの変化に合わせてどういったコミュニケーションが最適なのかについて、まとめます。

大前提として、プロダクトが顧客の負を解消できるほど研ぎ澄まされている状態がスタートラインです。
その上で、タッチポイントとチャネル別に適切なコミュニケーションを行う必要があります。

まず、顧客のモチベーションですが、
商品の注文時、商品が届いた時、この2つが最もモチベーションが高くなるタイミングです。
したがって、「サンクスページ」「初回同梱」この2つのタイミングは、
コミュニケーションを行うタイミングとして超重要です。

サンクスページでは、その後の接点を強く持つために、LINEへの友達登録へ誘導。初回同梱では、お礼状・使い方・VOC・ブランドブックこの辺は最低限届けましょう。

では初回のお届けが済んだ後ですが、顧客のモチベーションは意外にもどんどん落ちていきます。なぜなら、届いてすぐに使ってもらえるかはお客様次第で、もし直ぐに使って頂いても即効性のあるプロダクトはほぼ存在しないので、効果実感に時間がかかる為、最初のモチベーションから比べると明らかに落ちていきます。

ここで手をこまねいていても結局止められてしまうので、
しっかりと利用促進を行いましょう。具体的には以下の通りです。

①LINE上でのステップ配信で定期的に利用を促すコミュニケーション

②お届け数日後に、改めて挨拶状やお礼状の送付、もしくはブランドの
思いを伝えるコミュニケーションツールを送り、マインドを高める
コミュニケーションの実施。

ほんとにそれだけのことをやらないといけないの?と思われるかもしれませんが、定期的なコミュケーションやタッチポイント作りは超重要です。
これはドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの研究結果でも実証されていて、エビングハウスの忘却曲線という実験データがあります。

ざっくり言うと、人が何かを学んだ時、

  • 20分後には42%忘れる

  • 1時間後には56%忘れる

  • 9時間後には64%忘れる

  • 1日後には67%忘れる

  • 2日後には72%忘れる

  • 6日後には75%忘れる

  • 31日後には79%忘れる


というデータです。

※詳しくはこちらをどうぞ

https://ryugaku-kuchikomi.com/blog/ebbinghaus-the-forgetting-curve/

この実験データだけでは測れない事が多々あるので、あくまでも
参考程度にしますが、商品が届く頃には7割程度の人は注文を忘れていて、
届いたときに再度モチベーションが上がる(思い出す)、という
マインド変化があることが理解頂けると思います。

更にその後、ノーフォローだった場合、まだ商品を好きになるかどうかの手前の段階ということを踏まえると、日々利用をしてもらえないと、どんどん商品に対するモチベーションが落ちていき、最終的には解約に至ってしまう。という結果を迎えてしまいます。

したがって、顧客とは定期的に接点を持ちコミュニケーションを行い続けることが初動の段階ではめちゃくちゃ重要です。世の中には情報が溢れており、その中で1人が吸収できる情報量はごく一部です。その中で自社のプロダクトを心のなかに留め続けてもらうためには、ある意味最初の1か月で
どのくらい愛着を持ってもらえるか。が勝負の分かれ目といっても過言ではないです。
(いつアプローチすべきなのかは上記のエビングハウスのデータが載っているサイトにも結構詳しく書いてあるので是非読んでください)

人は習慣の中で生きている。という話がありますが、脳が許容できる情報には限界があるので、人の行動は一定ルーティン化されています。
このルーティンの中に加わることがD2Cプロダクトの最終的な目標です。

次に最初の30日を乗り越えた後は放置してよいのか?ですが、
そんなわけないです。
基本的にD2Cビジネスはコミュニケーションのタッチポイントが限られているため、基本的にコミュニケーションの密度が薄くなりがちです。
かといって、過度にコミュニケーションを取りすぎてもウザがられてしまうので適度な回数を適切なタイミングで行うように心がけないといけません。

したがって、30日を超えても「5日1回」程度はコミュニケーションを取るべきです。
※チャネルはLINEが現状では最適です。

またお届けタイミングはモチベーション復活のチャンスでもあるので、
毎回のお届けと合わせて同梱物も充実させましょう。
基本的に2回目以降のお届けで最低限入れるべきものは、

・お礼状
・VOC
・情報提供冊子やチラシ(コラムや連載もの)

上記は網羅しておきましょう。特に3番目に書いたツールは力を入れるべきです。どうすれば毎回のお届けを楽しみにしてもらえるか?コラムや連載は一例なので、プロダクトに適したツールを考え抜いて「おもてなし」をしましょう。

これを地道に続けていくと、徐々に顧客のマインドはプロダクトに向き合うようになり、効果を感じ始めたり、良さを知ってもらえるようになります。
では、その後重要になってくるのはなにか?

それは、会社やブランドを好きになってもらうということです。

④会社やブランドを好きになってもらう為のコミュニケーション

最終的には人に勧めたくなるまで好きになってもらうには、会社やブランドを信頼してもらう必要があります。
その為には、あらゆるチャネルで情報を整理、更新し続ける必要があります。

具体的には、
・企業HPやブランドサイト
・SNSアカウント(Instagram、Twitter、Facebook、Youtube、LINE等)
・プレスリリース
・オウンドメディア
・口コミサイトやレビューサイト(@コスメやモールならレビュー欄など)

などです。

上げればキリがないので、最低限企業HPとSNSアカウントはきっちり整備しておくべきです。
特にSNSは昨今コミュニケーションの中心に位置しているので、
ここでしっかりとUGCを作っておくことや、定期的な情報発信を行うことは
超重要です。

これが出来ていないと、最終的に企業としての信頼を勝ち取ることは難しいですし、プロダクトだけのエンゲージメントからブランドとのエンゲージメントへ昇華させることはほぼほぼ無理です。

また幅広い人に有益な情報を提供していくことも重要で、
プレスリリースやオウンドメディアなども出来れば行いたい施策の一つです。
プレスリリースは、メディアからの取材を受けるきっかけ作りになりますし、オウンドメディアはきっちり運営すれば、広告に頼らなくても新規顧客が流入する導線にもなり得ます。

つまりメディアの取材が増え、オウンドメディアにも注目が集まれば、
ブランドの信頼性も高まり、顧客のエンゲージメントは間違いなく深まります。
(具体的にどういったことをすれば有効なのかは、また話が別なのと長くなりすぎるので別の機会でまとめます)

但しチャネル別のコミュニケーションを始めた場合、
1回きりで終わらせたり、途中で辞めてしまうことは絶対にNGです。
中途半端に行って継続性や更新性が途絶えると、逆に放置された感が漂ってしまい、ブランドへの信頼感を損なうことになるからです。
(全然更新されないSNSやHPってなんか嫌ですよね?見る気も失せます。)

というわけで、会社やブランドを好きになってもらうには
「継続性」「更新性」が重要ですが、CVRやCPAなど目には見えないものなので、「根気」がいることを覚えておきましょう。
(プロダクトに思い入れがあれば、きっと出来ると思います。)

⑤それでも止める人たちはいる

ここまでで、顧客のマインド変化やそれに応じたコミュニケーション、
ブランドエンゲージメントを高めることの重要性やそのやり方まで書いてきましたが、それでも止める人たちがいる。ということも覚えておきましょう。

どんなに頑張っても、人には好き嫌いが存在しますし、
万人に受けるプロダクトを生み出すことは絶対にできません。
なので、仮に根気よくコミュニケーションを続けてきたのにそれでも駄目なのか・・・、と肩を落とすのではなく、それでもやめる人がいると言うことを予め知っておき、そして「なぜ止めてしまうのか?」という理由の把握に努めましょう。

止めてしまった人たちは、もちろん自社のプロダクトが顧客の負を解消出来なかったから止めてしまうわけですが、厳密にはそれ以外の理由でも止めていきます。

代表的な例が、

・余っている
・効果を感じない
・逆に調子が悪くなった
・金銭的な理由、価格が高い
・他社製品を使いたい

この辺だと思います。
で、それに対してありがちな施策が、

・余っている→スキップ提案
・効果を感じない→ちゃんと使えていたかどうか聞いて提案する
・逆に調子が悪くなった→一旦休止にしませんか?
・金銭的な理由、価格が高い→ダウンセルや値下げ提案
・他社製品を使いたい→どこの製品を使いたいのか聞いて抑止トーク

こんな感じだと思います。
もちろんいずれも有効だとは思いますが、場当たり的というか短期的な視点での効果でしか無いと僕は思っています。

本質的には、いずれの理由にも到達するに至った「プロセス」が存在しているはずで、その最終結果が上記のようなよくある理由に集約されているのだと思っています。

つまり、この段階まで来てしまった顧客は意思を固めている状態なので、
長期スパン引き止めることはかなり難易度が高く、そもそも「引き止める」という発想に至っている時点で、プロダクトを好きになってもらうという視点からかけ離れてしまっています。

したがって、その理由に至ったプロセスを知る、という取り組みを行うことが正しいと僕は考えています。
具体的には、
・定期的なユーザーヒアリングの実施
・座談会などの意見交換会の実施
・定量データを集めるためのアンケートの実施

などです。

顧客のライフスタイルは様々なので、常に定性、定量のデータは変化し続けています。ですから、その実態を定期的に知り、企業努力として最大限そのライフスタイルに寄り添える体制やプロダクトを作り続けることが
本質的に意味で、やめる人たちを減らすことだと思います。

企業として利益を追求する上で、短期的な施策を完全否定するつもりはありませんが、根本のスタンスは上記に書いたとおり顧客に寄り添う体制を持つことが大切だと思いますし、これが中長期で発展し続ける秘訣かなと思ってます。

というわけで、どうあがいてもやめる人はいます。
でもそれを短期的な目線だけでなく、中長期の目線でも続けてもらうための
努力は怠らないようにしていくべき。というのが結論です。

3.LTVを高める為に必要な事のまとめ

ここまで色々と書いてきましたが、LTVを上げていく為には、必要なことや
やるべきことが盛り沢山です。
なので、そんなに人的リソースを割けないとか、キャッシュがかかり過ぎる
などなど実際に取り組もうとすると現実的には取り組むための課題も出てくると思います。
だからといって諦めてしまっては一生LTVは上がらないですし、
短期的な施策だけでは、いずれ限界を迎えてしまいます。

ですから、最初の一歩は出来ることから少しずつ始める。で全然いいと
思います。
潤沢な資金やリソースを抱える大企業なら別ですが、多くの企業は中小企業です。したがって、初心に立ち返り「顧客をもてなす」にはどうしたら良いのか?そして、「絶えず顧客の声を聞き続ける」といったことを繰り返し続けるだけでも、1年後や数年後には絶対にLTVは上がっています。

前回のマインドセット篇でも書きましたが、究極的には顧客をもてなすという精神を持てているかどうかが重要で、その為には顧客の声を聞くという行為は必須です。

これさえ忘れなければ、いずれリソースが充実してきたときにも
ブレることなく様々な施策を顧客のために打てるはずです。

そもそものスタートラインが顧客の負を解消することなので、
本来、当たり前の話かもしれないですが、基本に立ち返るのはとても重要だと思います。

ついつい目先の売上や利益に囚われて、やれアップセルだクロスセルだ、
ステップメールを打とう、LINEでステップ配信しよう、など小手先の
テクニックに走る事業者や支援業者が多い中で、本質と向き合って取り組んでいる事業者は本当にごく一部だと感じています。
(いずれも手段でしかないのにです。)

だからこそ、それをチャンスだと捉えて本質的なCRMに取り組む事業者や支援業者が増えてほしいなと思っています。
それが世の中のためになることだと思いますし、人のためになることだと思うので、搾取するようなやり方は淘汰されてほしいです。

なんだかちょっと話が逸れてしまいましたが、
テクニックも重要ですが、顧客のためになることを僕はやり続けたいと思っています。

4.最後に

今回は結構上から目線な書き方になっている箇所や偉そうな書き方になっている箇所も散見されますが、正直に思ったことをそのまま書いているので、ご容赦ください。

決して自分が100%正しいとは思っていないですし、そもそも僕もまだまだ修行中の身であって、これからもっとレベルアップしていきたいと思っています。

そのために、自分の考えを今一度整理して見直してみよう、というのが今回のnoteを書くきっかけでもあるので、お目汚しになっていたらすいません。

マインドセットからLTVの話と若干飛躍してしまった感もあるので、
第3回のテーマは未定ですが、GWでせっかく時間があるので、
また近日中にアップしたいと思います。

もしこういったテーマで書いてほしいなどご要望ありましたら、
コメントやメッセンジャー等々でお知らせ頂けると非常に嬉しいです。

約1万字に渡ってしまいましたが、ここまで読んで頂いた方には
超絶感謝です。ありがとうございます。

それでは、また次回をお楽しみに。
D2Cマーケッター堤谷でした。

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