詩編6:ゆらゆら世界

 それは例えばアルコール
 それは例えばレム睡眠
 それは例えば感性の独立

 世界を真っ直ぐ見ることに慣れた僕らが入ってるものが言語の獄屋です
 世界を言葉によって知覚するからこそ僕らは不自由な自由を手にしています

 世界をゆらゆら揺らしてみましょうか
 そんな中で真っ直ぐな僕らの言葉は
 時には歪んで見えることでしょう
 でも柔らかな心の壁を抜けた言葉は
 今までに無く純粋な叫びです
 紐解いてみましょうか
 こんなに美しいものはないと思いませんか

 殻に入った本能は時に突つきます
 殻の制御がおとなです
 だからこそ誰にも触れない中身は純粋で美しいと思いませんか
 それを惜しみなく出すことは
 真に凄まじい表現者だと思いませんか

 言葉が人をどうにかする
 その力の存在や知覚は今は不要です
 人を存在を心を濾過してできる
 その純粋さを表現するのは言葉です
 なんて狭い獄屋でしょうか

 心を揺らすものは芸術と呼ばれます
 芸術は獄屋の外に作られます
 そんな自由を僕らは与えられています

 世界をゆらゆら揺らしてみましょうか
 僕らの中で真っ直ぐな言葉は歪んだ世界に打ち出されます
 柔らかな心の壁を越えた言葉は
 公共の福祉内で倫理を超えます
 それは本当の意味で心に触れる機会を与えてくれます
 心は大きく成長できる可能性があるのだから
 そこにあるのだから触れてみたいとは思いませんか


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