シェア
夜。 家の近所の明かりは、 つねに希望だった。 真二（しんじ）は、 この町に七年ほど暮らし…
日曜日。 正二は、遅い目覚めとなり、 午前のぼーっとした時間を 過ごしていた。 気持ちのい…
正二は、 ふらふらと街を歩いていた。 この道をゆけば、明美に会える。 そんな妄想と行動が…
正二は、 明美と友達でいたかった。 明るくて、フレンドリー、 姿も魅力的な彼女だったし、 …
「おはよう ♪」 「おはよ～ ♪」 もそもそと、 黙って登校してくる生徒が ほとんどの校舎の…
潮の香り。風。 新しく青い空。 正二は、二十歳になっていた。 九州へ来ていた。 大学に通う…
正二は、煙草を燻らせながら 思った。 なぜタバコを吸うのだろう。 二十歳から吸い始めて、 三十年。 人生の空洞を埋めるように、 吸ってきた気がする。 いや、 戯れにそう思っただけ。 白く光る電灯の部屋で、 ひとつ大きな欠伸をした。 高校時代。 中学時代の前半は 勉強に明け暮れたので、 中堅レベルの公立高校に 入れた。 これがまた、 ひどくつまらなく感じる 高校だった。 ちょうどブランド物の 服やカバンなどが 流行った時代で、 その高校は服装自由で あったので、
正二の恋。 初恋は、幼稚園の先生だった。 今思うと、二十代の女性だったかと 記憶している。…
中学に入り、 正二は、大きな挫折を 味わうことになる。 書への道を諦めたことだった。 小学…
思えば、 若い頃というのは、 感覚で真実を見抜いていた ようなものだったと思う。 正二は、 …
月を見て、 それが四重に見える夜。 正二（しょうじ）は、 老眼と五十手前になった歳に ため…
