小説『 冬の色 』~シロクマ文芸部~ (811字)
冬の色は、
青い風とも想われて、
宗太(そうた)の脳の
真ん中でない所をよぎった。
喫茶店にてマスターと二人きり。
狭い店内から窓越しに外を見やると、
夕方の通行人が行き交う。
初めて入った店で、
ぼーっと外を眺めて黙っていた。
セキセイインコの声が時折聞こえる。
マスターによると、
子の鳥か、卵かを暖めているらしい。
棚の上段に鳥かごは在って、
宗太の座るカウンター席からは見えない。
色いろな物が置いてあるけれど、
ひと通り店内を見終えて、
視線は外へ向けられ落ち